コンチネンタルGT(Continental GT )は、イギリスの自動車メーカーベントレーが販売する高級車。コンチネンタルRの後継となる4シータークーペで、姉妹車種として4ドアセダンのコンチネンタル・フライング・スパーが存在する。
本項ではGTをベースとしたオープンカーのコンチネンタルGTC(Continental GTC )、またGT及びGTCをベースとした高性能モデルのコンチネンタル・スーパースポーツ(Continental Supersports )、コンチネンタル・スーパースポーツコンバーチブル(Continental Supersports Convertible )についても解説する。
初代 (2003年-2010年)
2002年のモンディアル・ド・ロトモビルでGTのプロトタイプを発表。2003年のサロン・アンテルナショナル・ド・ロトで量産型を発表した。
エンジンはフォルクスワーゲン製の6.0L W型12気筒エンジンをツインターボで過給したもので、最高出力は560PS/6,100rpm、最大トルクは66.3kgm/1,600rpmである。
トランスミッションはZF製マニュアルモード付き6速AT、駆動方式はAWDである。
内装は天然木や本革をふんだんに用いた豪奢なものとなっている。
2003年11月、日本で販売を開始。価格は1990万円。
- フライング・スパー
2005年のサロン・アンテルナショナル・ド・ロトでGTの4ドアバージョンであるフライング・スパーを発表。
- GTC
2006年のニューヨーク国際オートショーで電動式ソフトトップを備えるGTCを発表、同年10月に日本でも発売された。価格は2395万円。
ソフトトップはドイツのカルマンが制作し、エンジンとトランスミッション、駆動方式はGTと同一である。
- GTスピード
2007年8月、GTをチューンアップした最速モデルGTスピードを発表。エンジンは最高出力610PS、最大トルク76.5kgmを発生し、最高時速は326km/h(202mph)に達する。また、グリルの塗装やマフラーなどエクステリアにも若干の変更を受けている。
- GTCスピード
2009年、GTスピードと同じエンジンを搭載したGTCスピードを発表。価格は2860万円。
- GTZザガート
2008年、コーチビルダーのザガートによるGTZザガートを発表。サロン・アンテルナショナル・ド・ロトでお披露目された。
- スーパースポーツ
2009年2月、GTをチューンアップと軽量化を行い、2シーターにしたスーパースポーツを発表。エンジンは最高出力630PS、最大トルク81.6kgmを発生し、車両重量はGTスピード比で110kg軽量化された。価格は3150万円。
スーパースポーツコンバーチブル
2010年4月、スーパースポーツを4シーターにしたコンバーチブル版を発表。価格は3300万円。
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GTのリア
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GTCのリア(オープン時)
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GTのダッシュボード
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6.0L W12エンジン
2010年10月のモンディアル・ド・ロトモビルにおいて、モデルチェンジが発表された。デザインはキープコンセプト。また、新たにV8エンジンの搭載がアナウンスされた。
2代目 (2010年-2017年)
- コンチネンタルGT
新型コンチネンタルGTは2011年モデルとして発表された。2010年11月にクーペのみ発表された。初代から引き継がれるW12エンジンに加え、アウディとの共同開発となる気筒休止機構付4.0L V8エンジンが搭載された[1]。
2011年2月、日本市場において発表された。価格は2,415万円で、同年6月から納車開始された[2]。
- コンチネンタルGTC
2011年9月、新型コンチネンタルGTCをフランクフルトモーターショーでワールドプレミアされた[3]。
2011年12月、日本市場において発表された。価格は2,640万円で、2012年4月以降から納車予定である[4]。
- コンチネンタルGT3
2013年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで、コンチネンタルGTをベースにしたFIA-GT3レギュレーションに準じた競技用車両が発表された[5]。開発には世界ラリー選手権 (WRC) でフォードワークスとして知られるMスポーツが協力している[6]。
エンジンは4.0L V8ツインターボエンジンをピポ・モチュール社がチューニング。ドライサンプ化し大幅なパワーアップが施されているが、ベースになっているエンジン自体はコンチネンタルGT V8と同一である。しかし車体は見た目こそコンチネンタルGTであるが、2t以上の車重を限界まで軽量化を施し1t以上の軽量化に加え、GT3のレギュレーションに準じ4輪駆動からトランスアクスルのFR駆動へと変更されている。2014年からデリバリーを開始すると同時に、ベントレーワークスチームによるブランパン耐久シリーズへの参戦を行い、参戦初年度でシリーズ2位を獲得した。
- コンチネンタルGT3-R
2014年にコンチネンタルGT V8 Sをベースにして、コンチネンタルGT3で得たノウハウを加えたモデルとして世界限定300台で発売された[7]。
エンジンはターボの過給圧アップや吸排気系の見直しで580馬力までアップすると同時に、リアシートを省いて2名乗車化するなどで100kgの軽量化などスポーティーに振った改良が施されている。
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GTのリア
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GTCのリア(オープン時)
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GTCのリア(クローズ時)
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GT3のリア
3代目 (2017年-)
2017年8月29日、フランクフルトショーにて発表された[8]。エンジンはブラッシュアップされた6リッターW12エンジンが搭載され、最高出力が635ps、最大トルクは900Nm。
2018年11月26日、オープンモデルの「コンチネンタルGTコンバーチブル」が発表された[9]。
2019年3月18日、V8エンジンを搭載した「コンチネンタルGT V8」と「コンチネンタルGT V8コンバーチブル」が発表された[10]。
2019年6月27日、創業100周年を記念して「コンチネンタルGTコンバーチブル ナンバーワンエディション」が発表された[11]。限定100台。
日本での販売
2017年12月19日、日本市場において発表された[12]。価格は2530万円。
2018年11月26日、オープンモデルの「コンチネンタルGTコンバーチブル」が発表された[9]。価格は2818万円。
2019年9月17日、「コンチネンタルGT V8」「コンチネンタルGT V8コンバーチブル」の導入が発表された[13]。エンジンは最高出力550PS、最大トルク770N・mの4リッターV8ツインターボエンジンが搭載された。価格はクーペが2498万1000円、コンバーチブルが2736万8000円。
4代目 (2024年-)
氷上の最速記録
2007年初頭、WRCで4度のワールドチャンピオンに輝いたユハ・カンクネンがロールケージとスパイクタイヤを装着して、燃料系を寒冷地仕様としたGTで氷上の世界最速記録に挑戦した。フィンランドのオウルで、それまでブガッティ・EB110が持っていた296km/hを大幅に上回る平均321.6km/h、最速331km/hを記録し、世界最速記録を塗り替えた。
関連項目
参考文献
外部リンク