プソイドペレチエリン

プソイドペレチエリン
識別情報
CAS登録番号 552-70-5 チェック
PubChem 11096
ChEBI
特性
化学式 C9H15NO
モル質量 153.22 g mol−1
外観 無色(放置すると黄色に変色)
融点

54 °C, 327 K, 129 °F

沸点

40 °Cで昇華 (圧力:0.3 mmHg)

特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

プソイドペレチエリン(英語:Pseudopelletierine)はザクロの木の根皮から単離されたアルカロイドのうちもっとも含有量の多いアルカロイドである。そのほかのアルカロイドは少なくとも3種類以上あり、ペレチエリン(pelletierine)、イソペレチエリン(isopelletierine)、そしてメチルペレチエリン(methylpelleteirine) (C9H17ON)である。それぞれ根皮1kgから1.8g、0.52g、0.01g、0.20gがとれる。

この化合物はトロピノン同族体であり、グルタルアルデヒドスクシンアルデヒドよりこちらの方が望ましい)アセトンジカルボン酸塩化メチルアンモニウム英語版を使ってロビンソンのトロピノン合成に似た方法で合成できる[1]。この化合物はリヒャルト・ヴィルシュテッターによる10段階にわたるシクロオクタテトラエン合成の出発物質となる。この合成法は、酸化と何回かのホフマン脱離を経由する。

硫酸ペレチエリンはイラクでアメーバ駆除する薬として用いられる。この物質はストリキニーネのように覚醒反射を誘発し、サナダムシ類(多節条虫亜綱英語版)や白癬菌線虫などに有効である。木の皮から単離された単純な化合物が試験管内で、腸内細菌であるサルモネラ属によって引き起こされる腸チフス英語版コレラ単純ヘルペスエイズガンなどに有効であることが示されている[2][3][4][5]

脚注

  1. ^ Arthur C. Cope, Hugh L. Dryden, Jr., Charles F. Howell1 (1957). “Pseudopelletierine”. オーガニック・シンセシズ 37: 73. doi:10.15227/orgsyn.037.0073. 
  2. ^ Mavlyanov S. M., Islambekov S. Y., Karimdzhanov A. K. and Ismailov A. I. (1997), "Polyphenols of pomegranate peels show marked anti-tumor and anti-viral action", Chemistry of Natural Compounds英語版 Vol. 33, pp.98-99.
  3. ^ Zhang J. (1995), "Antiviral activity of tannin from pericarp of Punica granatum against genital Herpes simplex virus in vitro",China Journal of Chinese Materia Medica, Vol. 20, pp.556-558.
  4. ^ Extraction of Pelletierine from Punica granatum L.by Liquid Membrane Technique and Modelling、筆者:Adel A. Al-Hemiri, Khalid M. Abed , Ayaad W. Al-Shahwany、出版;Iraqi Journal of Chemical and Petroleum Engineering
  5. ^ El-Sakka M. A. (2010)," phytochemistry alkaloids", 3rd edition

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