ピューマトロフィー(英語:Puma Trophy、スペイン語:Trofeo Puma)は、アルゼンチンとオーストラリアの2国間で競う、ラグビーユニオンの賞である。ザ・ラグビーチャンピオンシップの中に組み込まれている。
概要
出典[1]
ピューマトロフィーは、2000年に設けられた。
トロフィーのデザインは、ピューマのブロンズ像[2]。ピューマは、アルゼンチンのある南アメリカ大陸を中心に生息し、ラグビーアルゼンチン代表の愛称「ロス・プーマス」(スペイン語:Los Pumas)にちなむ。
オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ共和国による南半球3か国対抗戦「トライネーションズ」に、2012年からアルゼンチンが加わり「ザ・ラグビーチャンピオンシップ」となった。これにより、ピューマトロフィーはザ・ラグビーチャンピオンシップに組み込まれた。
対戦は通常年では2試合ずつとなるため、2試合の結果でトロフィーの行方が決まる。ワールドカップ開催年の2015年・2019年・2023年は、ザ・ラグビーチャンピオンシップの規模が縮小されるため、1試合の結果で決まる。
2試合実施の際、勝敗が「1-1」で引き分けになると、前年の勝利国がトロフィーを「奪われずに守った」ことになり、勝利扱いとなる。そのため、前年の勝利国が1勝した時点で連覇(トロフィー保持)が決まる。
沿革
出典[1]
アルゼンチンとオーストラリアの対戦は1979年から行われている。
2000年にピューマトロフィーが設けられ、2試合ともオーストラリアが勝利し、トロフィーがオーストラリアに与えられた。
第2回は2002年に1試合のみで行われ、オーストラリアが勝利。
第3回となる2006年から、ザ・ラグビーチャンピオンシップ内で実施されている。
2016年の2戦目は、イギリス・ロンドンのトゥイッケナム・スタジアムで行われた[3]。
2020年・2021年は、新型コロナウイルス感染症の世界的流行により制限を受けて、ホームとアウェーを入れ替えず、各2試合ともオーストラリアで行われた[4][5]。
2020年、2試合とも同点(15-15、16-16)となり、前年までの勝者オーストラリアがトロフィーを守った[6]。
2022年から、ザ・ラグビーチャンピオンシップのフォーマットが変更され、「ミニツアー」的要素を取り入れた。これは、同じ相手チームに対して2試合連続で同じ国で試合を行う(=2試合連続で行うために相手国へ遠征する)というもの。これにより、ピューマトロフィーは2試合ともアルゼンチンで実施された[7]。2024年も同様となる。
初回からオーストラリアが13連覇していたが、2023年にアルゼンチンが勝利し、14回目にして初めてトロフィーがアルゼンチンに渡った[8][9]。
対戦結果
出典[1][10]
回
|
年
|
月日
|
試合会場
|
勝ち
|
スコア
|
負け
|
トロフィー 保持チーム
|
備考
|
1
|
2000
|
6月17日
|
Ballymore Stadium, ブリスベン
|
オーストラリア
|
53-6
|
アルゼンチン
|
1
|
[11]
|
6月24日
|
キャンベラ・スタジアム, キャンベラ
|
オーストラリア
|
32-25
|
アルゼンチン
|
2
|
2002
|
11月2日
|
River Plate Stadium, ブエノスアイレス
|
オーストラリア
|
6-17
|
アルゼンチン
|
2
|
[12]
|
3
|
2012
|
9月15日
|
ロビーナ・スタジアム, ゴールドコースト
|
オーストラリア
|
23-19
|
アルゼンチン
|
3
|
[13]
|
10月6日
|
Estadio Gigante de Arroyito, ロサリオ
|
オーストラリア
|
25-19
|
アルゼンチン
|
4
|
2013
|
9月15日
|
スビアコ・オーバル, パース
|
オーストラリア
|
14-13
|
アルゼンチン
|
4
|
[14]
|
10月5日
|
Estadio Gigante de Arroyito, ロサリオ
|
オーストラリア
|
54-17
|
アルゼンチン
|
5
|
2014
|
9月13日
|
ロビーナ・スタジアム, ゴールドコースト
|
オーストラリア
|
32-25
|
アルゼンチン
|
5
|
[15]
|
10月4日
|
エスタディオ・マルビナス・アルヘンティナス, メンドーサ
|
アルゼンチン
|
21-17
|
オーストラリア
|
6
|
2015
|
7月25日
|
エスタディオ・マルビナス・アルヘンティナス, メンドーサ
|
オーストラリア
|
34-9
|
アルゼンチン
|
6
|
[16]
|
7
|
2016
|
9月17日
|
パース・オーバル, パース
|
オーストラリア
|
36-20
|
アルゼンチン
|
7
|
[17]
|
10月8日
|
トゥイッケナム・スタジアム, ロンドン
|
オーストラリア
|
33-21
|
アルゼンチン
|
8
|
2017
|
9月16日
|
キャンベラ・スタジアム, キャンベラ
|
オーストラリア
|
45-20
|
アルゼンチン
|
8
|
[18]
|
10月7日
|
エスタディオ・マルビナス・アルヘンティナス, メンドーサ
|
オーストラリア
|
37-20
|
アルゼンチン
|
9
|
2018
|
9月15日
|
ロビーナ・スタジアム, ゴールドコースト
|
アルゼンチン
|
23-19
|
オーストラリア
|
9
|
[19]
|
10月6日
|
Estadio Padre Ernesto Martearena, サルタ
|
オーストラリア
|
45-34
|
アルゼンチン
|
10
|
2019
|
7月27日
|
サンコープ・スタジアム, ブリスベン
|
オーストラリア
|
16-10
|
アルゼンチン
|
10
|
[20]
|
11
|
2020
|
11月21日
|
マクドナルド・ジョーンズ・スタジアム, ニューカッスル
|
オーストラリア
|
15-15
|
アルゼンチン
|
11
|
[21]
|
12月5日
|
バンクウエスト・スタジアム, シドニー
|
オーストラリア
|
16-16
|
アルゼンチン
|
12
|
2021
|
9月25日
|
North Queensland Stadium, タウンズビル
|
オーストラリア
|
27-8
|
アルゼンチン
|
12
|
[22]
|
10月2日
|
ロビーナ・スタジアム, ゴールドコースト
|
オーストラリア
|
32-17
|
アルゼンチン
|
13
|
2022
|
8月6日
|
エスタディオ・マルビナス・アルヘンティナス, メンドーサ
|
オーストラリア
|
41-26
|
アルゼンチン
|
13
|
[23]
|
8月13日
|
Estadio San Juan del Bicentenario, サンフアン
|
アルゼンチン
|
48-17
|
オーストラリア
|
14
|
2023
|
7月15日
|
コムバンク・スタジアム, シドニー
|
アルゼンチン
|
34-31
|
オーストラリア
|
1
|
[24]
|
15
|
2024
|
8月31日
|
エスタディオ・ホルヘ・ルイス・ヒルシ, ラプラタ
|
オーストラリア
|
20-19
|
アルゼンチン
|
2
|
[25]
|
9月7日
|
エスタディオ・ブリガディエル・ヘネラル・エスタニスラオ・ロペス, サンタフェ
|
アルゼンチン
|
67-27
|
オーストラリア
|
回
|
年
|
月日
|
試合会場
|
勝ち
|
スコア
|
負け
|
トロフィー 保持チーム
|
備考
|
トロフィー保持回数
2024年大会終了時点[1]。
関連項目
外部リンク
脚注