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ヒメテングハギ (学名:Naso annulatus) は、テングハギ属の一種[3]。インド太平洋の熱帯域に分布する。全長は最大100 cmで、ニザダイ科の最大種の一つ。
分類・名称
1825年にフランスの博物学者であるジャン・ルネ・コンスタン・クアとジョセフ・ポール・ガイマールによって Priodon annulatus として記載され、タイプ産地はティモール島に指定された。
種小名は「輪の」という意味で、幼魚の尾柄にある白い帯に由来する[4]。
形態
背鰭は5棘28 - 29軟条から、臀鰭は2棘27 - 28軟条から、胸鰭は17 - 19軟条から成る[2]。体は側扁した紡錘形で、体長は体高の2.2 - 3倍。体長は60cm程度だが、最大100cmまで成長する[2]。口は白く小さく、突き出ている。全長20cm以上の個体には頭部に角のような先細りの突起がある。尾柄には二つの骨質板がある。体色は茶色またはオリーブ色、青灰色で、腹側はより薄い。尾鰭は黒く、菊の花のような模様で白く縁どられ、雄は上下の条が伸長する。幼魚の体色は灰色で、尾柄には白色帯がある[5]。
分布・生態
インド太平洋の熱帯海域に広く分布し、紅海と東アフリカからコスタリカのココス島まで見られる[1][2]。日本では相模湾以南の太平洋沿岸、伊豆諸島、琉球列島、小笠原諸島などに分布する。
幼魚は水深1 mほどの浅い湾や礁湖に生息し、成魚は水深20 m以深の潮通しのよいサンゴ礁や岩礁で群れを作り生活する[2]。雑食性であり、幼魚は藻類を、成魚はクラゲなどの動物プランクトンを捕食する[1][2]。
利用
食用魚であり、みそ汁、ムニエル、刺身などにして食べられる[6]。水族館で飼育されることもある[1]。
脚注
- ^ a b c d Abesamis, R.; Clements, K.D.; Choat, J.H. et al. (2012). “Naso annulatus”. IUCN Red List of Threatened Species 2012: e.T177988A1512439. doi:10.2305/IUCN.UK.2012.RLTS.T177988A1512439.en. https://www.iucnredlist.org/species/177988/1512439 13 January 2024閲覧。.
- ^ a b c d e f Froese, Rainer and Pauly, Daniel, eds. (2023). "Naso annulatus" in FishBase. February 2023 version.
- ^ “WoRMS - World Register of Marine Species - Naso annulatus (Quoy & Gaimard, 1825)”. www.marinespecies.org. 2023年1月30日閲覧。
- ^ “Order ACANTHURIFORMES (part 2): Families EPHIPPIDAE, LEIOGNATHIDAE, SCATOPHAGIDAE, ANTIGONIIDAE, SIGANIDAE, CAPROIDAE, LUVARIDAE, ZANCLIDAE and ACANTHURIDAE”. The ETYFish Project Fish Name Etymology Database. Christopher Scharpf and Kenneth J. Lazara (12 January 2021). 13 January 2024閲覧。
- ^ John E. Randall (2022). “Family Acanthuridae”. In Phillip C Heemstra; Elaine Heemstra; David A Ebert et al.. Coastal Fishes of the Western Indian Ocean. 5. South African Institute for Aquatic Biodiversity. pp. 219–244. ISBN 978-1-990951-32-9. https://saiab.ac.za/wp-content/uploads/2022/11/1._wiof_volume_5_text.pdf
- ^ ヒメテングハギ(Ring-tailed Unicorn-Fish)市場魚貝類図鑑 ぼうずコンニャク
参考文献
関連項目
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Naso annulatus | |
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Priodon annulatus | |
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