2007年にマイケル・アンジェラコスがメンバーを集め、5人組のバンドとしてスタート[1]。2008年のEP『Chunk of Change』が話題を集め、一躍人気バンドになる。2009年にデビューアルバム『Manners』をリリース。2012年にリリースされた2作目のアルバム『Gossamer』は全米4位で初登場し、バンド初のトップ10入りを果たした。2015年には、バンドを解体しソロプロジェクトとして制作した3作目のアルバム『Kindred』をリリース。2017年には4作目のアルバム『Tremendous Sea of Love』を発表した[2]。
2008年8月、マイケル・アンジェラコスが当時のガールフレンドのためにバレンタイン・デーのプレゼントとして書き上げたとされる作品が評判になり、アメリカのインディー・レーベルFrenchkiss Recordsより6曲入りEP『Chunk of Change』をリリースされる[4]。結局ガールフレンドとは別れてしまったが、そのエピソードと共に内容が高く評価されインディー盤EPにして米MTVで特集が組まれるほどの話題となった。また収録曲「Sleepyhead」はNeon Gold Recordsの第1弾リリースとして7インチレコードでも発売、米iTunes Storeでは発表初週だけで15万以上ダウンロードされた[5]。2009年5月、Frenchkiss Recordsより1stアルバム『Manners』をリリース。前述の「Sleepyhead」の他に「The Reeling」や「Little Secrets」といった曲をヒットさせ、堂々のアルバムデビューとなった。
2010年、1stアルバム『Manners』に関する活動が一段落すると、マイケル・アンジェラコスが自身の双極性障害について語り始めた。精神病院に入院したことや自殺未遂の経験について話し、アルバム製作中は症状がひどく薬を飲んでいたことや、抽象的で曖昧な歌詞はダークなテーマに関するものだと明らかにした。またブレイクのきっかけになった最初のEPの前半4曲について「ガールフレンドのためのバレンタイン・デーのプレゼントとして作った作品」というエピソードの真相は「自分の病気で傷つけてしまった彼女への謝罪の手紙」でもあったと告白した[6]。パッション・ピットの音楽は明るく陽気なエレクトロ・ポップという一面と、意味深い歌詞世界の両面が複雑に絡み合って成り立っていることが明らかになった。同年、アヤド・アリ・アダミーは自身のレーベルBlack Bell Recordsをスタートさせている。
2012年5月、前作に続くニューアルバムのリードトラックとして「Take a Walk」を公開。6月、続いて新曲「I'll Be Alright」を公開。同年7月に2作目のアルバム『Gossamer』をリリースし、US Billboard 200で最高4位を記録する。アルバムのツアー中にはマイケル・アンジェラコスの双極性障害の症状が悪化し、一部の公演をキャンセルした[7]。10月にはサタデー・ナイト・ライブに出演しアルバムから「Take a Walk」と「Carried Away」を披露した[8]。
2015年4月、3作目のアルバム『Kindred』をリリース[9]。US Billboard 200で最高23位を記録した。アルバムから「Lifted Up (1985)」「Where the Sky Hangs」「Until We Can't (Let's Go)」の3曲がシングルとしてリリースされた。アルバムのリリース後、北米と日本ツアーを発表していたが、アンジェラコスの気管支炎と肺炎のためにキャンセルされた。
2017年2月から3月にかけて、いくつかの新曲がYouTubeにアップロードされる。7月28日に4作目のアルバム『Tremendous Sea of Love』がリリースされた[10]。