『ジャーニー・トゥ・ラヴ[2]』(Journey To Love)は、アメリカ合衆国のベーシスト、スタンリー・クラークが1975年に発表した3作目のスタジオ・アルバム。
背景
ジェフ・ベックがタイトル曲と「ハロー・ジェフ」の2曲にゲスト参加した[3]。ベックは本作の制作前、自身のライヴでクラークの曲「Power」を演奏したことがあり、その後クラークの自宅を訪れて共演を希望したという[4]。また、後にクラーク/デューク・プロジェクトで共同作業を行うジョージ・デュークと、レコーディング上での初共演を果たしたアルバムでもある[5]。
本作のレコーディングには、当時クラークと共にリターン・トゥ・フォーエヴァーで活動していたチック・コリアとレニー・ホワイトも参加した[3]。コリアと共作した「ジョン・コルトレーンに捧げる歌」は、クラークがアル・ディ・メオラ、ジャン=リュック・ポンティと連名で発表したアルバム『The Rite Of Strings』(1995年)でも再演されている[6]。
反響・評価
アメリカのBillboard 200では34位に達し、クラークのリーダー・アルバムとしては初めて全米トップ40入りを果たした[1]。また、『ビルボード』のR&Bアルバム・チャートでは8位、ジャズ・アルバム・チャートでは3位を記録している。
Daniel Gioffreはオールミュージックにおいて5点満点中4.5点を付け「参加したミュージシャン達の力量を別としても、『ジャーニー・トゥ・ラヴ』は偉大な曲、偉大なグルーヴ、そして驚くしかないようなベース・プレイに満ちている」「間違いなく、1970年代に生まれたフュージョン・アルバムの最高傑作の一つ」と評している[3]。また、『ギター・ワールド』誌公式サイトの編集者ダミアン・ファネリは、2015年に「ジェフ・ベックのスタジオ・ゲスト参加トップ10」を選出した際、本作からの「ハロー・ジェフ」を2位に挙げた[7]。
収録曲
特記なき楽曲はスタンリー・クラーク作。2.を除く全曲ともインストゥルメンタル。
- シリー・パティ - "Silly Putty" - 4:39
- ジャーニー・トゥ・ラヴ - "Journey To Love" (Stanley Clarke / Lyrics By Stevie Geltman, Jill Steinberg) - 4:54
- ハロー・ジェフ - "Hello Jeff" - 5:16
- ジョン・コルトレーンに捧げる歌 (Part 1) - "Song To John, Part 1" (S. Clarke, Chick Corea) - 4:26
- ジョン・コルトレーンに捧げる歌 (Part 2) - "Song To John, Part 2" (S. Clarke, Chick Corea) - 6:05
- ジャズとロック・オーケストラのためのコンチェルト - "Concerto For Jazz/Rock Orchestra, Parts 1-4" - 14:09
参加ミュージシャン
ブラス・セクション
Allen Rubin, David Taylor, Earl Chapin, John Clark, Jon Faddis, Lewis M. Soloff, Peter Gordon, Thomas Malone, Wilmer Wise
脚注・出典