カラビュック(トルコ語: Karabük)は、トルコの黒海地方にある町。カラビュック県の県都で、人口は10万8167人(2009年国勢調査)である[1]。地区の面積は760平方キロ[2]、標高354m。
アナトリア半島北部、アンカラの北およそ200km、ゾングルダクから115km、カスタモヌから113kmに位置する。1995年にカラビュック県が設置されるまでは、ゾングルダク県の一部だった。アラチュ川とソアンル川が合し、フィルヨス川となる。
地名
カラビュックの地名の出所ははっきりしない。トルコ語で kara は黒もしくは土地、bük は茂みを意味するから、カラビュックでは「黒い茂み」の意になる。
歴史
カラビュックは、黒海沿岸のアマスラと中央アナトリアを結ぶ街道沿いに位置する。トルコ建国後しばらくは、サフランボルのヨーレベリ村に属するわずか13戸の小村で、アンカラ - ゾングルダク線の駅が設けられていた。町の発展は国の産業化政策で始まった。1939年、初の国営製鉄所が建設されて以降急速に発展、1953年に地区に昇格し、1995年には県都となった。市街の3km郊外にある、ハドリアノポリス(エスキパザール)という4世紀の古代都市には多くの噴水、教会、浴場が残る。近年になってその大部分が発掘されたが、長年横行してきた盗掘が観光地化に悪影響を及ぼしている[3]。
気候
温暖湿潤気候で、夏は蒸し暑く冬は冷涼である。
カラビュックの気候
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月 |
1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
年
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最高気温記録 °C (°F)
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22.1 (71.8)
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24.8 (76.6)
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32.5 (90.5)
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34.3 (93.7)
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37.0 (98.6)
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40.5 (104.9)
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43.0 (109.4)
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43.6 (110.5)
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40.8 (105.4)
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37.2 (99)
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25.8 (78.4)
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23.7 (74.7)
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43.6 (110.5)
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平均最高気温 °C (°F)
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7.0 (44.6)
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10.1 (50.2)
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15.3 (59.5)
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20.2 (68.4)
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25.3 (77.5)
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29.0 (84.2)
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32.1 (89.8)
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32.7 (90.9)
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28.0 (82.4)
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21.5 (70.7)
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14.2 (57.6)
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8.6 (47.5)
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20.33 (68.61)
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平均最低気温 °C (°F)
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−0.8 (30.6)
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0.3 (32.5)
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2.8 (37)
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6.6 (43.9)
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10.1 (50.2)
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13.7 (56.7)
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16.2 (61.2)
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16.2 (61.2)
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12.7 (54.9)
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8.8 (47.8)
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3.5 (38.3)
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0.7 (33.3)
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7.57 (45.63)
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最低気温記録 °C (°F)
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−13.9 (7)
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−13.4 (7.9)
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−9.2 (15.4)
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−3.3 (26.1)
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0.1 (32.2)
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4.6 (40.3)
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8.9 (48)
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9.1 (48.4)
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4.5 (40.1)
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−2.5 (27.5)
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−5.1 (22.8)
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−12.0 (10.4)
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−13.9 (7)
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降水量 mm (inch)
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53.9 (2.122)
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34.3 (1.35)
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44.6 (1.756)
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47.1 (1.854)
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46.6 (1.835)
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52.3 (2.059)
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32.5 (1.28)
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24.7 (0.972)
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31.0 (1.22)
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38.8 (1.528)
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32.1 (1.264)
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45.5 (1.791)
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483.4 (19.031)
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平均降雨日数
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12.9
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11.9
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12.2
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12.5
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11.7
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10.2
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6.1
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5.3
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7.0
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9.0
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9.9
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12.0
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120.7
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出典:Devlet Meteoroloji İşleri Genel Müdürlüğü [4]
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経済
苦灰石や石灰石を産するほか、ゾングルダクから石炭とマンガン、ディヴリイから鉄鉱石が供給されることからコークス炉、高炉、鋳造所などがある。硫酸やリン酸塩の化学工場も置かれている。ゾングルダク一帯は炭田が広がっている。
トルコの大手製鉄メーカー、カルデミールが本社を構える。
脚注
外部リンク
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