本級の主砲には新設計の「クルップ 1898年型 SK L/40 24cm(40口径)砲」を採用した。前級のブランデンブルク級戦艦(28cm砲6門)よりも口径が小さくなっているが、この砲は速射砲であり、単位時間あたりの砲弾重量ではむしろ増大している。当時の速射砲の中では24cmは最大口径であった。その性能は重量140kgの砲弾を最大仰角30度で16,900mまで届かせることが出来る。この砲を連装砲塔に収めた。この主砲塔は自由装填方式を採用しており、どの角度からでも装填が出来た。主砲身の俯仰・砲塔の旋回は主に電力と水圧で行われ、揚弾薬機は電動式である。補助に人力を必要とした。砲身の俯仰能力は仰角30度・俯角5度である。各砲塔の旋回角度は船体首尾線方向を0度として左右150度の旋回角度を持つ。装填形式は仰角5度の固定角度装填で発射速度は毎分1.2発であった。この砲を新設計の連装式砲塔に収めた。製造元のイギリス海軍でさえ本型の原型となった「ロイヤル・サブリン級」では砲身の基部が露出した露砲塔であったのに比べ、本型は完全に装甲で覆われた現代の砲塔形式と同じ物となっており、防御能力は格段に向上していた。砲塔のバーベットは上方から見て洋ナシ形の奥に向けて尖った形状となっている。これは連装砲架を載せた主砲塔バーベットの背後に弾薬庫から砲弾を輸送する揚弾機の装甲塔が別個に備わっているためであった。既にフランス海軍の主力艦では現代と同様に内部に揚弾筒などの機構を内蔵する物が実用化されているのだが、この頃のドイツ海軍の砲塔旋回機構自体が複雑な機構であったために構造を簡略化すべく揚弾筒は別個に設けられたためである。次型であるヴィッテルスバッハ級ではフランス式の現代とさほど変わらない砲塔構造に改善された。
その他の備砲・水雷兵装
本級の副砲には同じく新設計の「クルップ 1898年型 SK L/40 15cm(40口径)速射砲」を採用した。その性能は重量45.3kgの砲弾を最大仰角20度で射距離13,700mまで届かせる事ができる性能であった。発射速度は毎分4〜5発、仰角20度・俯角7度であった。旋回角度は艦上の単装砲塔は舷側方向を0度として左右150度、舷側ケースメイト配置は150度の旋回角が可能であった。