こうのとり4号機(こうのとり4ごうき、HTV4)は、4番目の宇宙ステーション補給機。国際宇宙ステーション(ISS)への補給物資を搭載し、2013年8月4日にH-IIBロケット4号機によって打ち上げられた[1][2]。
特徴
日本の宇宙ステーション補給機の4号機であり、シリーズの同型機である。こうのとり3号機に続く、3機目の運用機。3号機までの打ち上げは主にJAXAが担当していたが、4号機からは製造元の三菱重工業に移管された[2]。
こうのとり3号機(HTV3)からの主な変更点は以下の様なものであった。
- 表面電位センサ(ATOTIE-mini)を初設置「こうのとり」を活用した技術の蓄積
- ISS係留前後の「こうのとり」表面電位変化、「こうのとり」表面電位の船外活動等への影響有無を調べるためのデータ取得
- JAXAが開発した表面電位センサの宇宙軌道上での実証
- 3号機に引き続き、利用のための利便性を改善
- レイトアクセス(打上げ間近でも可能な物資の最終搭載機会)量の増加
- 保冷ボックスの搭載など
- 不要となった船外物資を非与圧部に搭載して搬出
物資
こうのとり4号機は、補給キャリアの与圧部に約3.9トン、非与圧部に約1.5トンの物資を搭載していた。船内物資、船外物資を含めて合計で約5.4トンの物資をISSに運ぶ。
与圧部
与圧部の物資は、おおよそ宇宙システムコンポーネントが55%、食料が12%、科学実験材料が8%、クルー用物資8%、水17%であった。
非与圧部
非与圧部には、ISS船外のシステム補用品とNASAの実験装置を運搬。
- 電力系統切替装置(Main Bus Switchnig Unit: MBSU)
- 電力・通信インターフェース機器(Utility Transfer Assembly: UTA)
- 複数の実験装置を混載した米国の実験ペイロードSTP-H4 (Space Test Program - Houston 4)
また、ISSからの離脱時には廃棄する実験ペイロード(STP-H3)を初めて搭載した。
運用
- 8月4日午前4時48分(日本時間)、H-IIBロケット(H-IIB・F4)を種子島宇宙センターから打上げ[2]。打ち上げ後14分59秒後にロケットより正常に分離[1]。
- 8月9日午後8時22分(日本時間)にISSのロボットアームにより捕捉[3]。
- 8月10日午前3時38分(日本時間)にISSとの結合を完了[3]。
- 9月3日午後11時35分(日本時間)に与圧部ハッチを閉鎖。
- 9月5日午前1時20分(日本時間)にロボットアームから放出、離脱のためスラスタ噴射。
- 9月7日午後3時37分頃(日本時間)に大気圏へ再突入[4]。
脚注
- ^ a b c “H-IIB ロケット4号機による宇宙ステーション補給機「こうのとり」4号機(HTV4)の打上げ結果について”. 三菱重工業・宇宙航空研究開発機構. (2013年8月4日). https://www.jaxa.jp/press/2013/08/20130804_h2bf4_j.html 2013年8月11日閲覧。
- ^ a b c “H2Bロケット打ち上げ成功…こうのとり軌道に”. 読売新聞. (2013年8月4日). https://web.archive.org/web/20130807100307/http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20130804-OYT1T00146.htm 2013年8月11日閲覧。 [リンク切れ]
- ^ a b “宇宙ステーション補給機「こうのとり」4号機(HTV4)の国際宇宙ステーションとの結合について”. 宇宙航空研究開発機構. (2013年8月10日). https://www.jaxa.jp/press/2013/08/20130810_kounotori4_j.html 2013年8月11日閲覧。
- ^ 「こうのとり」4号機は大気圏に再突入し、ミッションを完了 JAXA
外部リンク