Zephyr(ゼファー)は、通信機能を備えた省リソースのマイクロコントローラーで動作する組み込み機器向けリアルタイムオペレーティングシステムである[4]。複数のアーキテクチャをサポートし、Apache License 2.0リリースされている。Zephyrには、カーネルだけでなく、デバイスドライバ、プロトコルスタック、ファイルシステム、ファームウェアアップデートなどのアプリケーションを開発するために必要なすべてのコンポーネントとライブラリが含まれている[5]。
歴史
2015年11月、Zephyrはウインドリバー・システムズによってモノのインターネット (IoT) デバイス向けにRocketカーネルとして開発が開始された[6][7][8][9]。
2016年2月、ZephyrはLinux Foundationのプロジェクトになった[10][1]。
これ以降、初期メンバーとサポーターにはインテル、NXPセミコンダクターズ、シノプシス 、Linaro(英語版)[11]、テキサス・インスツルメンツ、DeviceTone、ノルディック・セミコンダクター、オーティコン、ボーズが参加している[12]。
特徴
Zephyrは、リソースに制約のある組み込みまたはマイクロコントローラベースのアプリケーションを開発するために必要なすべてのコンポーネントを提供する[5]。含まれるコンポーネントの例は以下であるが、これに限定されない。
構成およびビルドシステム
Zephyrは、Linuxカーネルから継承され、非Unixオペレーティングシステムへの移植性のためにPythonで実装されたKconfigおよびデバイスツリーを構成システムとして使用している[13]。RTOSビルドシステムはCMakeに基づいており、Linux、macOS、Microsoft WindowsでZephyrアプリケーションをビルドできる[5]。
カーネル
カーネルは、他の軽量OSと区別するいくつかの機能を提供する[5]:
- 単一のアドレス空間
- 複数のスケジューリングアルゴリズム
- コンパイル時に定義可能なリソース、柔軟に設定可能なモジュール
- MPUベースのメモリ保護
- AMP (OpenAMPベース) およびSMPサポート
セキュリティ
グループは、セキュリティの維持と改善が重視されている[14]。また、コミュニティによって所有およびサポートされているということは、世界のオープンソース開発者の目がコードを精査していることを意味し、これによりZephyrのセキュリティが大幅に向上している[10]。
脚注
関連項目
外部リンク