VOCALOIDの派生キャラクターでは、VOCALOIDをモチーフとして、ファンの手によって創作されたキャラクター[1]について説明する。派生キャラクターという呼び方の他に創作ボーカロイド[2]、亜流[3]、亜種[4]等の呼び方もされる。
概要
初音ミクをはじめとするVOCALOIDのファンの間では、VOCALOID製品のキャラクターをモチーフとして自由に名前や容姿、性格などを設定し、新しいキャラクターを創作するということが行われている。創作されたキャラクターの中には複数のユーザーが作品に取り入れているものも多い[5]。最も早くに生み出された派生キャラクターである[5]はちゅねミクについては、2007年9月にニコニコ動画に投稿されたはちゅねミクの登場した動画『VOCALOID2 初音ミクに「Ievan Polkka」を歌わせてみた』が大きな人気を博し、初音ミクのブームの発火点となるなど、その後の初音ミクのムーブメントに大きな影響を及ぼしている[6]。VOCALOIDの派生キャラクターは2008年末時点で400種類以上が存在したと見られており[1]、後に沈静化はしたものの一時はVOCALOIDの文化の一翼を担っていた[7]。
なお、派生キャラクターの定義やどういったキャラクターを派生キャラクターに含めるかについては明確な基準が無く、同じキャラクターでも派生キャラクター等の範囲に含められている場合と、含められていない場合がある[注 1]。2010年に発売されたムック『電撃レイヤーズBibleVol.2 VOCALOID』においては、ユーザーによる多数の人気動画作品に登場するコスチュームの異なるVOCALOIDそれぞれを「人気派生キャラクター」として紹介している。
キャラクター
ファンによって作られた派生キャラクターの中で、商業利用も行われている主要なものを以下に挙げる。関連商品についてはモデルとなったVOCALOIDの記事も参照。
ピアプロキャラクターズをモチーフとしたキャラクター
「初音ミク」「鏡音リン」「鏡音レン」「巡音ルカ」「MEIKO」「KAITO」をモチーフとしたキャラクター。
詳細は「初音ミク#初音ミクのバリエーション・派生キャラクター」「ピアプロキャラクターズ#バリエーション・派生キャラクター」を参照。
Lilyをモチーフとしたキャラクター
- ハニーリリィ(ハリィ)
- 株式会社インターネットから発売されたVOCALOID2シリーズの第3弾「Lily」からのクリーチャー系派生キャラ。三頭身の背中に翅、頭に触覚、手に槍を持ったLilyの姿で、Lilyのカラーリングから蜂をモチーフにしている。2010年7月29日にビアプロに林ゆっけ(ハンドルネーム)によって投稿された非公式キャラであったが、2013年7月25日に株式会社エスケイジャパンから発売されたLily「イヤフォンジャック付きモバイルクリーナー」7種のうちの一つに、「ハニーリリィ」が商品化されており、インターネット公認となった。
- MikuMikuDanceではハニーリリィ(ハニーリリーとも)よりも、略称の「ハリィ」と呼ばれる方が多い。
VY2をモチーフとしたキャラクター
- 66(ロロ)
- ヤマハが企画したキャラクター無しのVOCALOID「VY2」をイメージしたキャラクター。2011年2月に開かれた同人誌即売会「VOCALOID FESTA」での企画にて、ヤマハにより「VY2」のイメージキャラクターのひとつとして採用された[9]。キャラクターデザインは家の裏でマンボウが死んでるPのメンバーでもある竜宮ツカサ[9]。なお、「VOCALOID FESTA」はその後主催者側が解散しており、66は2011年12月に設立された「VOCALOID NEXT」の管理となっている[10][11]。
- キャラクターの商用利用としては小説『囚人と紙飛行機 少年パラドックス』に66をモデルにしたロロ・ローレライトが、小説『桜ノ雨 僕らが巡り逢えた奇跡』に勇馬(ロロ)が登場している。
脚注
注釈
- ^ 例えば、音声合成ソフトUTAUのキャラクターとして人気を集める重音テトは『ユリイカ 増刊号 総特集 初音ミク』に掲載されたUG-Kによる記事[1]においては派生キャラクターから除外されているが、『初音ミク・名曲ガイド』[8]においては亜種の一人として名前を挙げられている。
出典
関連項目
外部リンク
- はちゅねミク
- 亞北ネル
- 弱音ハク
- たこルカ
- トエト
- 咲音メイコ