特別任務連(特殊任務中隊,英: Special Duties Unit,SDU)は、香港警務処警察機動部隊に属する特殊部隊である。別名は「飛虎隊」(フェイフードイ、英名:Flying Tigers)。
日本の警察の特殊急襲部隊(SAT)に近い。
設立の経緯
イギリス統治下時代に観光貿易都市として発展した香港は、アジアのなかでも観光・貿易の中心地だったため、テロの標的対象になりやすかった(実際に、1971年にフィリピン航空の旅客機がハイジャックされ、啓徳空港に着陸)。そこで、香港政府はテロ対策能力を向上させるために、1973年に創設された「射手分隊」を統合し、1974年7月にSDUを創設した。
任務
主な任務としては、対テロ作戦のほかに密入国・密貿易の取締り、麻薬摘発、人質救出、銃器を用いた犯罪の鎮圧と幅広い。警察組織の一部ではあるが、香港政府には独自の軍事組織がないため、準軍事的な任務もこなす。香港返還後も装備・編成は同一で、ガスマスクまたは覆面を着用して任務を遂行する。
選抜方法、装備などはイギリス陸軍特殊部隊SASの直伝であり[1][2]、アジアの警察部隊としてはトップクラスの部隊である。なお、定年はない。
2000年まで「水鬼隊」と呼ばれる水上部隊が別途編成されていた。フロッグマンのように長時間潜水したあと、浮上して作戦を遂行することからこう呼ばれている。これは、イギリス海兵隊特殊部隊SBSの訓練を受けて1980年代に編成されたものである[2]。現在では飛虎隊と統合され、組織上は陸上および水上部隊の区別はなくなった。
装備
出動した主な事件
登場作品
- 2005年香港、原題『新警察故事』。ラストシーンで香港島のコンベンションセンターに突入。狙撃手が、強盗団リーダーのジョーを射殺するシーンがある。
- 2001年香港、原題『重装警察』、英題『HIT TEAM』。犯人グループの中に武器整備係のSDU隊員がいる。主人公たち特殊部隊「E-Team」は日本の宣伝時「SDU」と表記されているが、正確には刑事情報科の対重火器部隊「跟蹤支援隊」。
- 1994年香港、原題『飛虎雄心』、英題『FINAL OPTION』。SDUの実態、訓練、戦闘を細かく描写した初の映画。ゴードン・チャン監督自身が大のSDUマニアとして知られており、香港警察全面協力の下撮影された。
- 1985年香港、原題『飛虎奇兵』、英題『City Hero』。
- 1996年香港、原題『飛虎』、英題『FIRST OPTION』。
- 2012年、ダウンロードコンテンツ「Year of the Snake」。主人公がSDUになり犯罪者を取り締まるシーンがある。
- 2017年、追加コンテンツ「operation bloodorchid」。SDU所属のキャラクターとして「YING」と「LESION」が登場。
脚注
関連項目