Polygon
「Polygon 」のその他の用法については「ポリゴン 」をご覧ください。
Polygon
2015年後期以降から使用されているロゴ
URL
polygon.com 言語
英語 タイプ
ゲーム系ウェブサイト 運営者
Vox Media 編集者
Christopher Grant 営利性
あり 登録
任意 開始
2012年10月24日 (12年前) (2012-10-24 ) 現在の状態
活動中
Polygon は、ゲーム関連のニュース、文化、レビュー、動画を公開するビデオゲームウェブサイト である。2012年にVox Mediaの3つ目のプロジェクトとして設立されてから、Polygon は類似のウェブサイトとの差別化を図るため、ゲーム自体の事よりもその裏側の人たちにフォーカスを当てるという事をしてきた。また、雑誌形式の長い特集記事も制作しており、動画コンテンツを提供したり、ゲームのアップデートの伴うレビュースコアの更新などをしている。
サイトの完成までには10ヶ月以上を要した。設立に携わった16人のメンバーの中には、ゲーム系サイトJoystiq 、Kotaku 、ジ・エスケイピスト の編集長達も含まれる。その設計はレスポンシブ なHTML5 標準規格に準拠しており、テーマカラーはピンクである。広告のスポンサーは、投稿内容に沿った直接的なものとなっている。Vox MediaはサイトPolygonの設立に関するドキュメンタリー を作成した。
歴史
ゲーム系ブログPolygon は、2012年10月24日にVox Media の3つ目のプロジェクトとして設立された。これはVox Mediaの誕生前のスポーツ系ブログSB Nation の急成長に伴い、1年近く前に設立された技術系ブログThe Verge から派生したものである。Vox Mediaの最高経営責任者 、Jim Bankoff は、Joystiq の編集長に2011年初めにコンタクトを取り、ビデオゲームウェブサイトの新設について打診した[ 1] [ 注釈 1] 。 18歳から49歳の人口層に焦点を当てているVoxにとって、ビデオゲームはまさしくバーティカル市場 (英語版 ) であるとBankoffは考えていた[ 2] 。また、モバイルゲーム やソーシャルゲーム などの台頭を考慮して、ゲームというのは急成長していく産業であるとも感じていた[ 2] 。フォーブス はBankoffの新設提案について、コンテンツファーム と紙媒体の減少の時代における「オンラインジャーナリズムへの本格的な着手」と表現した。しかしGrantは提案を信用せず棄却した[ 1] 。The Verge に対して注力したVox Mediaの努力量や、規律の取れたコンテンツ管理システム 、実際のコンテンツ内容と広告運用を概観していく中で、Grantは考えを改めBankoffと再度接触することにした。Grantは新設するサイトについて、GameSpot やIGN などの大御所ゲーム系ウェブサイトに匹敵するものにしつつ、古典的な雰囲気を出す長編の「雑誌形式のジャーナリズム」も扱えることを求めた[ 1] [ 注釈 2] 。「ゲームジャーナリズムを再定義する」というサイトの方針の一部として、Vox Mediaは13部にわたるサイト創設に関するドキュメンタリー「Press Reset」を制作し、設立の起点から終点までを紹介している[ 2] 。
Forbes は、Polygon の最初の16人のスタッフを「豪華キャスト」と表現した。競合する3つのビデオゲームブログの編集長が参加したからである[ 1] 。GrantはJoystiq を2012年1月に去り、Kotaku とジ・エスケイピスト の編集長Brian CrecenteとRuss Pittsを引き入れた[ 1] 。他に、Joystiq の編集責任者Justin McElroyや、週末編集員Griffin McElroy[ 4] 、さらにUGO 、IGN 、MTV 、VideoGamer.com[ 2] [ 5] 、1UP.com [ 6] のスタッフも参加していた。Ben KucheraはThe Penny Arcade Report が2013年11月にサービス終了した後に参加した[ 7] 。Polygon チームはテレワーク で働いており、勤務場所はフィラデルフィア、ウェストバージニア、サンフランシスコ、シドニー、ロンドン、オースティンなどである。ただし、Vox Mediaの本部はニューヨークとワシントンD.C.にある[ 8] [ 9] 。サイトの開発には10ヶ月以上を要し、その間にスタッフ達はサイトの名称、及び投稿内容[ 1] とレビュースコアの基準を決めた[ 3] 。Polygon のスタッフはThe Verge の中で"Vox Games "として2012年2月に始動し[ 10] 、10月の設立に至った[ 2] 。サイトの名称は4月のPAX East で発表された[ 6] 。「ビデオゲームの視覚表現を構成する部分の基礎」であるポリゴン を意味している。[ 9]
2013年後期に行われた二回目の資金調達による予算の増加から、Vox Mediaは動画コンテンツへの投資を強化することを発表した。「雑誌形式であると同時にテレビ番組の様に感じる」ことを目的としている[ 11] 。2014年6月、Polygon は特集記事の量数減少を告知した。特集記事編集部のRuss Pittsと、その動画編集チームが離脱することになったからである[ 12] 。Polygon は2015年に、The Mary Sueの設立者の一人であるSusana Poloを抜擢した。これがサイトにおける、ビデオゲーム以外の大衆文化やエンタメを取り上げる方式への転機となった[ 13] 。 GamesIndustry はこの抜擢について、ゲーマーゲート集団嫌がらせ事件 の勃発による進歩主義と性差別問題の提起に関して、ゲーム・技術メディアの文化的感性の方向転換となったとしている[ 13] 。
Vox Mediaはその後、特定のビデオゲームに特化したサイトを、Polygon とSB Nationの編集員を集めて複数立ち上げた。2016年3月に、eSports である『League of Legends 』のサイトThe Rift Herald を[ 14] 、2017年6月に、『Dota 2 』のサイトThe Flying Courier と『オーバーウォッチ 』のサイトHeroes Never Die を設立した[ 15] 。2017年7月、Brian CrecenteはPolygon を離れ、ローリング・ストーン のサイトGlixel に異動し[ 16] 、代わりにChris Planteが編集責任者の座に就いた[ 17] 。Polygon の動画編集員Nick Robinsonは、2017年8月にPolygon を離れた。オンライン上のセクハラに関する不適切な対応を理由にしている[ 18] 。
コンテンツ
我々は開発における人間的側面にフォーカスを当て、人々に焦点を絞っていく。私は、我々が彼らを尊重するのと同じように、人々が彼らを尊重してもらいたい。
“
”
Polygon の編集戦略について、Justin McElroy、2012年10月[ 3]
Polygon はビデオゲームのニュース、エンタメ、レビュー、動画を公開している[ 10] 。ゲーム自身に単純に着目するのではなく、ゲーム開発者やプレイヤーにフォーカスを当てることで、他のゲーム系サイトとのコンテンツの差別化を図ってきた[ 3] 。手始めに、Polygon は複数の長編の特集記事を、毎週公開することを計画していた。一般的な雑誌のカバーストーリーに匹敵する分量を目指したものである[ 3] 。また、ゲームのレビュースコアについて、ゲームがアップデートされた際にスコアを更新することを認めることにした[ 2] 。ダウンロードコンテンツ や複数のアップデートによるゲーム性の変化に、より臨機応変に対応するためである[ 3] 。Polygonは、『The Last of Us 』に与えた比較的低いスコアに対して批判を受けていたが[ 19] 、後のリマスター版について評価を上げた[ 20] 。リリース前と後とで、ゲームのクオリティ面の変化が大きくなることを考慮し、Polygon はリリース前のレビューを「暫定のレビュー」とし、最終的なゲームのスコアは公式リリースの後に持ち越すということを後に定めた[ 21] 。2018年9月から、ゲームのレビュースコアリングを停止し、レビューアーにより大きな自由度を与えることを決定した。従来のスコアシステムを「Polygon Recommends」に置き換え、最終的な判断を下すのに十分な時間ゲームをプレイしたレビューアーが、評価に値するゲームを決めて支持する。選ばれたタイトルは「Polygon Essentials」の選抜の候補として扱われる。「Polygon Essentials」のゲームは、サイトが全ての人にプレイしてほしいと感じるゲームである[ 22] 。
2013年後期には、Polygon の動画プロダクションに対する姿勢は非常に大きくなっていったが[ 11] 、2014年中期にその勢いは衰えた。動画編集スタッフの離脱と、特集記事の公開数削減という編集戦略的決断の影響である[ 12] 。2015年には、ゲームのみをカバーするスタンスから、大衆文化全般をカバーするスタンスに変更し、競合するサイトであるIGN やKotaku と似たスコープを取ることとなった[ 13] 。Polygon のポッドキャストMinimap は、iTunesの2015年ベストの一つに選ばれた[ 23] 。New York Magazine はPolygonのCar Boys を取り上げ、称賛した[ 24] 。
Polygonの主力のポッドキャストThe Polygon Show は、2017年に始まり、ゲームとその文化について議論している[ 25] 。2018年にはThe Daily Dot による「ゲームオタクが知るべき10のポッドキャスト」の一つに選ばれた[ 26] 。2018年5月、Polygon はYouTubeに「Brand Slam」という動画シリーズを作り、有名ブランドのマスコット同士のバトルを扱っている[ 27] 。
デザイン
サイトではピンク基調のデザインを用い[ 2] 、The Verge の雑誌形式のレイアウトを模倣している[ 28] 。サイトの設計にはHTML5 標準規格に準拠するようプログラミングされており、ノートパソコン、タブレット、スマートホンなどの異なるスクリーンサイズに適応するレスポンシブウェブデザイン を使っている[ 1] 。これにより、個別のモバイル版を作る必要性を無くしている[ 28] 。長編記事に関してはタブレットに最適化されている[ 3] 。
ビジネス
サイトではSB NationやThe Verge でも使われている「コンテンツ直結型のスポンサー」によるオンライン広告モデルを採用している[ 1] 。一連の動画シリーズなどの広告には、特定の編集コンテンツとブランドが一体となっている。Vox Mediaが実施する、コンテンツファーム及びニュースまとめサイト戦術の回避と、コミュニティ形成における注力を、Forbes は「マガジンレベルの広告」に相応しいものと記述している[ 1] 。広告主に対しては、サイトの長編の記事を示すことでコンテンツの質の高さを売り込んでいる[ 3] 。サイト設立時からのスポンサーには、GEICO 、ソニー 、ユニリーバ がある[ 1] 。
2014年6月に、Polygon はコムスコア によるウェブトラフィックのデータから、IGN、GameSpot、Kotaku に次ぐ第四番目のゲーム系サイトとなった[ 12] 。同月、Grantは前月が過去最高の人気度を記録していたことを伝えた[ 12] 。
注釈
^ VoxのBankoffは元々AOLの幹部であり、Joystiq はAOLが所有するビデオゲームウェブサイトであった[ 1] 。
^ 長編形式のウェブジャーナリズムは当時一般的ではなかった[ 3] 。
関連項目
参考文献
^ a b c d e f g h i j k “The Inside Story Of Polygon, The Verge's New Gaming Sister-Site ”. Forbes (October 24, 2012). August 3, 2014時点のオリジナル よりアーカイブ。August 3, 2014 閲覧。
^ a b c d e f g “Let the Games Begin: Vox Media Launches a New Site Covering Videogames ”. All Things Digital (October 24, 2012). August 4, 2014時点のオリジナル よりアーカイブ。August 3, 2014 閲覧。
^ a b c d e f g h “Veteran Game Journalists Unite to Launch Vox's 'Polygon' ”. Mashable (October 25, 2012). January 4, 2015時点のオリジナル よりアーカイブ。August 3, 2014 閲覧。
^ McElroy, Griffin (April 24, 2018). “It's a Departure ”. Polygon . June 24, 2018時点のオリジナル よりアーカイブ。June 25, 2018 閲覧。
^ Cullen, Johnny (January 4, 2012). “Joystiq group, Crecente to form VOX Games – details ”. VG247 . August 4, 2014時点のオリジナル よりアーカイブ。August 4, 2014 閲覧。
^ a b Cullen, Johnny (April 6, 2012). “Vox Games becomes Polygon, Gera and Kollar become new staff members ”. VG247 . August 4, 2014時点のオリジナル よりアーカイブ。August 4, 2014 閲覧。
^ GamePolitics Staff (January 2, 2014). “Ben Kuchera Joins Polygon ”. GamePolitics.com . August 4, 2014時点のオリジナル よりアーカイブ。August 4, 2014 閲覧。
^ Associated Press (August 13, 2015). “Digital Media Hub Vox Valued at $1B as NBCUniversal Invests ”. Inc. . August 10, 2018時点のオリジナル よりアーカイブ。July 30, 2018 閲覧。
^ a b “Why Polygon takes video-games journalism seriously ”. Poynter Institute (October 25, 2012). August 4, 2014時点のオリジナル よりアーカイブ。August 4, 2014 閲覧。
^ a b “On the Verge Again: Vox Media Officially Launches Into Videogames Content Arena ”. All Things Digital (February 21, 2012). August 4, 2014時点のオリジナル よりアーカイブ。August 3, 2014 閲覧。
^ a b “Polygon publisher Vox Media raises $40m ”. MCV (October 16, 2013). August 4, 2014時点のオリジナル よりアーカイブ。August 4, 2014 閲覧。
^ a b c d “Three staff cut as Polygon moves away from features and video ”. MCV (June 19, 2014). August 4, 2014時点のオリジナル よりアーカイブ。August 4, 2014 閲覧。
^ a b c Pearson, Dan (March 3, 2015). “Polygon hires The Mary Sue founder Susana Polo ”. GamesIndustry.biz . September 5, 2015時点のオリジナル よりアーカイブ。August 21, 2018 閲覧。
^ “SB Nation, Polygon launch League of Legends site ”. GamesIndustry.biz (April 15, 2016). August 11, 2017時点のオリジナル よりアーカイブ。June 7, 2017 閲覧。
^ “Introducing three new esports sites ”. Polygon (June 7, 2017). July 16, 2017時点のオリジナル よりアーカイブ。June 7, 2017 閲覧。
^ Sinclair, Brendan (July 11, 2017). “Brian Crecente leaving Polygon ”. GamesIndustry.biz . July 14, 2017時点のオリジナル よりアーカイブ。July 14, 2017 閲覧。
^ “The Verge's Chris Plante to take executive editor role at Polygon ”. GamesIndustry.biz (August 1, 2017). August 15, 2017時点のオリジナル よりアーカイブ。August 14, 2017 閲覧。
^ Plunkett, Luke (August 10, 2017). “Polygon Parts Ways With Nick Robinson Following Twitter Claims ”. Kotaku . December 1, 2017時点のオリジナル よりアーカイブ。August 11, 2017 閲覧。
^ “Polygon Slammed For 7.5 Review For The Last of Us ”. GameRevolution (June 6, 2013). August 4, 2014時点のオリジナル よりアーカイブ。August 4, 2014 閲覧。
^ Kollar, Philip (June 5, 2013). “The Last of Us Review: Dead Inside ”. Polygon . August 4, 2014時点のオリジナル よりアーカイブ。August 4, 2014 閲覧。
^ “The spotty death and eternal life of gaming review scores ”. Ars Technica (February 15, 2015). April 10, 2015時点のオリジナル よりアーカイブ。April 10, 2015 閲覧。
^ Plante, Chris (September 4, 2018). “Polygon is updating its reviews program for 2018 — and saying farewell to scores ”. Polygon . September 4, 2018 閲覧。
^ “Vox Media in the News: Week of December 21, 2015 ”. Vox Media (December 22, 2015). January 24, 2016時点のオリジナル よりアーカイブ。January 24, 2016 閲覧。
^ Feldman, Brian (October 14, 2016). “Car Boys , the Hilarious Existential Horror Car-Crash Series, Is the Best Fall Show ”. New York . December 23, 2016時点のオリジナル よりアーカイブ。December 10, 2016 閲覧。
^ “Vox Media Will Begin Livestreaming Circuit Breaker, The Polygon Show on Twitter ”. Adweek (October 3, 2017). January 15, 2018時点のオリジナル よりアーカイブ。August 21, 2018 閲覧。
^ “10 gaming podcasts every gaming nerd should know ”. The Daily Dot (July 16, 2018). July 18, 2018時点のオリジナル よりアーカイブ。July 30, 2018 閲覧。
^ Wohl, Jessica (May 9, 2018). “Marketers' Mascots Pummel Each Other to Submission in Polygon's 'Brand Slam' ”. Advertising Age . June 13, 2018時点のオリジナル よりアーカイブ。July 30, 2018 閲覧。
^ a b “Vox Media’s Polygon now live on dedicated website ”. VG247 (October 25, 2012). August 4, 2014時点のオリジナル よりアーカイブ。August 4, 2014 閲覧。
外部リンク