FKヴェンツピルス (ラトビア語: Futbola Klubs Ventspils) は、ラトビア・ヴェンツピルスに本拠地を置くサッカークラブである。2017シーズンはヴィルスリーガ(1部)に在籍している。
日本人選手としては柴村直弥、佐藤穣、加藤康弘、斎藤陽介が在籍経験がある。
バルト海沿岸の都市ヴェンツピルスの人口は4.3万人だが、ラトビアで6番目に大きな都市である。ヴィルスリーガでは2006年、2007年、2008年、2011年の4回、ラトビヤス・カウスでは2003年、2004年、2005年、2011年の4回優勝している[1]。ヴェンツピルス市における民族構成はラトビア人が47%、ロシア人が36%、ウクライナ人とベラルーシ人が5%だが、ヴェンツピルスのサポータークラブはメンバーの大多数がロシア人である。ラトビアの首都リガでは、スコントFCに対抗するクラブとしてヴェンツピルスの人気が高い。チームのマスコットキャラクターはオオヤマネコ。
歴史
1997年、ヴェンツピルスにある2つのサッカークラブ、FKヴェンタとFKナフタが合併してFKヴェンツピルスが誕生した。FKヴェンタは1960年代にラトビアサッカーを牽引したクラブのひとつである。2003年にはラトビアン・カップで初優勝し、2004年には同大会2連覇、2005年には3連覇を達成した。ヴィルスリーガはスコントFCが14シーズン連続で優勝するなど一強時代が続き、ヴェンツピルスは1997–98シーズンから8シーズン連続で2位もしくは3位となったが、優勝に届かないシーズンが続いた。しかし、2005年シーズン途中にウクライナ人のローマン・グリゴルチュク監督を招聘すると、2006年シーズンにはヴィルスリーガで初優勝。2004年シーズンに初優勝したリエパーヤス・メタルルグスとともに、クルゼメ地方のクラブの台頭を印象付けた。創設10周年となった2007年シーズンには2連覇を達成。2007年にはバルティックリーグの第1回大会に出場し、決勝でリエパーヤスとの同国対決に敗れたものの準優勝した。2008年の同大会では準決勝でFBKカウナス(リトアニア)に敗れたが、国内リーグでは2位リエパーヤスに勝ち点10、3位スコントに勝ち点11の大差を付けて3連覇を達成した。2011年のバルティックリーグ決勝もスコントとの同国対決となり、柴村直弥の得点などで120分を終えて1-1の同点だったが、PK戦5-6で敗れて準優勝に終わった。2012年5月17日、Sergei Podpaly監督が退任してJurģis Pučinsksが監督に就任した。
欧州カップ戦における歴史
1999-2000シーズンにはUEFAインタートトカップに初出場し、ヴォレレンガ・フォトバル(ノルウェー)を下した。2000年代には何度もUEFAカップに出場し、VfBシュトゥットガルト(ドイツ)、ローゼンボリBK(ノルウェー)、ブレンビーIF(デンマーク)、ニューカッスル・ユナイテッドFC(イングランド)などの名声あるクラブと対戦した。2004-05シーズンの予選2回戦ではブロンビー相手に2試合とも引き分けだったが、アウェーゴール差で上回って勝ち上がりを決めた。2006-07シーズンのニューカッスル・U戦ではセント・ジェームズ・パークで0-0と引き分けるなど、2試合合計0-1と接戦を演じた。2007-08シーズンにはクラブ史上初めてUEFAチャンピオンズリーグの予選に出場。ザ・ニュー・セインツFC(ウェールズ)との予選1回戦ファーストレグ (2-3) ではVits Rimkusが同大会クラブ初得点を挙げ、セカンドレグ (2-1) ではJean-Paul NdekiとDeniss Kačanovsの得点で同大会初勝利を挙げた。2試合合計4-4となったが、アウェーゴール数で上回ったヴェンツピルスが勝ち上がりを決めた。予選2回戦ではイタリア人のジョバンニ・トラパットーニ監督率いるレッドブル・ザルツブルク(オーストリア)と対戦し、2試合合計0-7で大敗した。2008-09シーズンにもUEFAチャンピオンズリーグ予選に出場した。予選1回戦ではウェールズ王者のラネリーAFCに勝利したが、予選2回戦でSKブラン(ノルウェー)に敗れた。2009-10シーズンのUEFAチャンピオンズリーグでは予選3回戦でFC BATEボリソフ(ベラルーシ)に勝利。予選プレーオフでFCチューリッヒ(スイス)に敗れ、UEFAヨーロッパリーグのグループリーグに回ったが、ラトビアのクラブとして初めてUEFA主催大会のグループリーグに出場した。ヘルタ・ベルリン(ドイツ)、SCヘーレンフェーン(オランダ)、スポルティングCP(ポルトガル)と同組となり、3分3敗の最下位で大会を終えた。2010-11シーズンにはUEFAヨーロッパリーグ予選に出場したが、FKテテクス(マケドニア共和国)に敗れた。
タイトル
国内タイトル
- ヴィルスリーガ:6回
- 2006, 2007, 2008, 2011, 2013, 2014
- ラトビヤス・カウス:7回
- 2003, 2004, 2005, 2007, 2010-11, 2012-13, 2016-17
国際タイトル
過去の成績
シーズン
|
ディビジョン
|
ラトビヤス・カウス
|
バルティックリーグ
|
リーグ |
順位 |
試 |
勝 |
分 |
敗 |
得 |
失 |
点
|
1997
|
ヴィルスリーガ
|
4位 |
24 |
12 |
6 |
6 |
32 |
21 |
42
|
|
存在せず
|
1998
|
ヴィルスリーガ
|
3位 |
28 |
16 |
6 |
6 |
56 |
23 |
54
|
|
1999
|
ヴィルスリーガ
|
3位 |
28 |
18 |
2 |
8 |
62 |
26 |
56
|
|
2000
|
ヴィルスリーガ
|
2位 |
28 |
19 |
8 |
1 |
55 |
20 |
65
|
|
2001
|
ヴィルスリーガ
|
2位 |
28 |
22 |
1 |
5 |
69 |
21 |
67
|
|
2002
|
ヴィルスリーガ
|
2位 |
28 |
22 |
5 |
1 |
77 |
20 |
71
|
|
2003
|
ヴィルスリーガ
|
3位 |
28 |
19 |
4 |
5 |
89 |
18 |
61
|
優勝
|
2004
|
ヴィルスリーガ
|
3位 |
28 |
16 |
7 |
5 |
64 |
28 |
55
|
優勝
|
2005
|
ヴィルスリーガ
|
3位 |
28 |
16 |
7 |
5 |
56 |
30 |
55
|
優勝
|
2006
|
ヴィルスリーガ
|
1位 |
28 |
19 |
5 |
4 |
48 |
23 |
62
|
|
2007
|
ヴィルスリーガ
|
1位 |
28 |
18 |
6 |
4 |
59 |
16 |
60
|
優勝
|
2008
|
ヴィルスリーガ
|
1位 |
28 |
19 |
6 |
3 |
53 |
14 |
63
|
準優勝
|
準優勝
|
2009
|
ヴィルスリーガ
|
2位 |
32 |
23 |
5 |
4 |
89 |
21 |
74
|
|
ベスト4
|
2010
|
ヴィルスリーガ
|
2位 |
27 |
20 |
3 |
4 |
68 |
18 |
63
|
準々決勝敗退
|
優勝
|
2011
|
ヴィルスリーガ
|
1位 |
32 |
22 |
5 |
5 |
75 |
19 |
71
|
優勝
|
準優勝
|
2012
|
ヴィルスリーガ
|
3位 |
36 |
23 |
5 |
8 |
63 |
22 |
74
|
準々決勝敗退
|
開催されず
|
2013
|
ヴィルスリーガ
|
1位 |
27 |
21 |
4 |
2 |
65 |
19 |
67
|
優勝
|
2014
|
ヴィルスリーガ
|
1位 |
36 |
26 |
5 |
5 |
73 |
20 |
83
|
準々決勝敗退
|
2015
|
ヴィルスリーガ
|
3位 |
24 |
11 |
10 |
3 |
39 |
16 |
43
|
準優勝
|
2016
|
ヴィルスリーガ
|
3位 |
28 |
15 |
6 |
7 |
47 |
28 |
51
|
準決勝敗退
|
2017
|
ヴィルスリーガ
|
4位 |
24 |
9 |
8 |
7 |
32 |
22 |
35
|
優勝
|
準々決勝敗退
|
2018
|
ヴィルスリーガ
|
2位 |
28 |
18 |
6 |
4 |
54 |
22 |
60
|
準優勝
|
2019
|
ヴィルスリーガ
|
3位 |
32 |
12 |
11 |
9 |
47 |
43 |
47
|
4回戦敗退
|
2020
|
ヴィルスリーガ
|
4位 |
27 |
12 |
8 |
7 |
40 |
25 |
44
|
準優勝
|
2021
|
ヴィルスリーガ
|
位 |
32 |
|
|
|
|
|
|
|
欧州の成績
スポンサーとサプライヤー
役割 |
スポンサー名
|
公式スポンサー
|
Ventspils Pilsētas Dome
|
ヴェンツピルス・ナフタ (石油)
|
Latvijas Kuģniecība
|
ユニフォームサプライヤー
|
アディダス
|
その他のスポンサー (他国企業のみ記載)
|
ノルデア銀行 (金融)
|
DHL (輸送)
|
歴代監督
- セルゲイ・ボロフスキー 1997-1998
- Saulius Cekanavičius 1998 (暫定)
- Boris Sinitsyn 1999-2000
- Saulius Cekanavičius 2000 (暫定)
- ポール・アッシュワース 2001-2003
- Saulius Širmelis 2003-2004
- Sergejs Semjonovs 2005
- ローマン・グリゴルチュク 2005.7-2009.8
- Nunzio Zavettieri 2009.8-2010.12
- Saulius Cekanavičius 2011 (暫定)
- Sergei Podpaly 2011.1-2012.5
- Jurģis Pučinsks 2012.7-2015.9
- ポール・アッシュワース 2015.9-2017
- デヤン・ヴケチェヴィッチ (英語版) 2018-
歴代所属選手
脚注
外部リンク
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グループリーグ |
グループA | |
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グループB | |
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グループC | |
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グループD | |
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グループE | |
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グループF | |
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グループG | |
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グループH | |
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決勝トーナメント |
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UCL - UEL - UECL |