Suchmosは、2017年3月から4月にかけて2枚目のスタジオ・アルバム「THE KIDS」を携えて全国ツアー「TOUR THE KIDS」を行った。4月27日に新木場STUDIO COASTで開催されたその追加公演「"TOUR THE KIDS" EXTRA SHOW」のなかで、ソニー・ミュージックレーベルズとアーティスト専属契約を結び、自らの所属レーベル「F.C.L.S(エフ・シー・エル・エス)」を発足させたことを発表した[1]。そして、6月5日に自主レーベルの第1弾作品としてシングル「FIRST CHOICE LAST STANCE」の発売が発表された[2]。
すでにライブで披露されていた「WIPER」と新曲「OVERSTAND」の2曲が収録されている[2]。ボーカルのYONCEによるとレーベル設立第1弾作品としてこの2曲を選んだのは、特に深い意味はなく、その時に完成していたのがこの2曲だった。しかし、歌詞ではYONCEとHSUがそれぞれ今感じていることを言葉にしており、それが作品になったということから今回が発表の然るべきタイミングだったろうし、意味は後から付いてくるだろうとも語っている[3]。曲の制作は「THE KIDS」のレコーディングを終えた後、すぐに始まった。2016年11月に休暇を利用してバンドメンバー全員でグアムに行き、帰国後、最初のリハーサルで出来たのが「OVERSTAND」だった。同曲はYONCE曰く「MINT」にも通じる雰囲気があり、サビのスタジアム・ロック的なメロディー、レゲエのようなベースラインと土着的なリズムなど、その時のバンド内のトレンドが上手いバランスで混合されている[3]。「WIPER」は曲の雛形が出来たのは2017年1月末から2月頭にかけてのジャム・セッションだった。ベースと鍵盤のムーグがユニゾンしているフレーズを繰り返し演奏しているうちにメロディーが思い浮かび、それがサビになり、さらにそのサビに肉付けすることで曲が形になった。曲が展開していくアレンジは「THE KIDS」の楽曲の流れを汲んでいる。歌詞はTOUR THE KIDSが始まる少し前にHSUが書き上げ、レコーディング前にして、ツアーのセットリストに加え、ライブで演奏を重ねていった。「WIPER」という題名は自動車のワイパーとテレビ番組でよく見られるワイプのダブル・ミーニングである[3]。
また、「OVERSTAND」は2017年10月からソニー「ノイキャン・ワイヤレス」のCMソングに起用され、本人たちも出演した。