DART(Double Asteroid Redirection Test:ダート)はNASA(アメリカ航空宇宙局)によって実施された、小惑星が地球に衝突する将来的なリスクに備え、宇宙機を衝突させて小惑星の軌道変更を実験するミッションである。2021年11月24日[1]に打上げられ、2022年9月26日23時16分 (UTC)、ターゲットである二重小惑星の衛星ディモルフォスへの衝突に成功した[2]。
国際協力の枠組みとしては、DARTは2011年に開始されたNASAとESA(ヨーロッパ宇宙機関)の共同計画AIDA(Asteroid Impact and Deflection Assessment)を構成する2基の宇宙機の1基である。NASAのDARTが2022年にディモルフォスへの衝突実験を行った後、2023年に打ち上げるESAの探査機Heraが2026年にディディモスへ到着し、DARTの衝突クレーターを詳細に観測する計画となっている[12]。当初はESAが担当する大型の探査機AIMが先行して打ち上げられ、NASAの担当する衝突実験を小惑星周回軌道から観測する構想であったが、その後AIMはキャンセルされ、衝突実験の観測は地上の望遠鏡を使用して行われることとなった。