1998年スペイングランプリ(XL Gran Premio Marlboro de España)は、1998年F1世界選手権の第5戦として、1998年5月10日にカタロニア・サーキットで開催された。
レース概要
ミカ・ハッキネンがポールポジションを獲得、チームメイトのデビッド・クルサードは0.7秒差で2位、フェラーリのミハエル・シューマッハがクルサードから0.7秒差の3位となった。レースはハッキネンの勝利のための形式的な手続きに過ぎなかった。クルサードが2位、シューマッハが3位となった。
アロウズのペドロ・ディニスはウォームアップ走行でエンジンストールし、ピットスタートとなった。決勝ではマクラーレンの2台がうまくスタートを切ったものの、シューマッハは失敗しチームメイトのエディ・アーバイン、ベネトンのジャンカルロ・フィジケラに抜かれ5位に沈む。最初のピットストップが始まるまでこの順位は変化しなかった。アーバインはシューマッハが挽回できるようにフィジケラをブロックし、シューマッハは両者を抜いて3位に挽回した。フィジケラとアーバインはその後もバトルを続け、28ラップ目にアウト側からアーバインにアタック、結果接触し両者はグラベルに飛び込んだ。これによりフィジケラのチームメイト、アレクサンダー・ヴルツが4位に浮上、この順位のままフィニッシュした。ハッキネンはチームメイトのクルサードより一貫してペースが速く、同じ車に乗っていながらもペースを合わせることができなかった。元ドライバーのマーティン・ブランドルはハッキネンが「彼自身のクラス」で走っているとコメントした。
レースの間にミハエル・シューマッハとミナルディのエステバン・トゥエロはピットレーンでの制限速度違反のため10秒のストップゴーペナルティを受けた[1]。
スチュワート・グランプリのルーベンス・バリチェロは5位入賞、2ポイントを獲得したがこれはチームにとってシーズン初のポイントであり、チームが準備した新しいエンジンとシャシーがこれを可能にした。しかしながら、チームメイトのヤン・マグヌッセンの使用した車両はふるいシャシーであった[1]。元世界チャンピオンのジャック・ヴィルヌーヴは、ウィリアムズが1989年アメリカグランプリ以来記録した最悪の予選結果でスタートし、結局6位でフィニッシュした。
最終ラップでウィリアムズのハインツ=ハラルド・フレンツェンがプロスト・グランプリのヤルノ・トゥルーリを抜いて8位に入った。トゥルーリはマーシャルのミスでブルーフラッグを掲示され、フレンツェンに追い抜かれたが、実際にはブルーフラッグはウィリアムズではなくフェラーリに掲示されるはずの物であった。
「僕は本当に怒っている。なぜなら素晴らしいバトルを諦めねばならなく、彼らが盲目で車を認識できなかったために不当に順位を失ったからだ。もちろん、8位でフィニッシュしようが9位だろうがそれはあまり重要ではないけれど、しかしレーサーにとっては重要なことなんだ。ブルーフラッグの場合、僕は代わりの手段を持っていなかったんだ。」ヤルノ・トゥルーリ[1]
レース後、フィジケラはアーバインとの衝突のため、7,500ドルの罰金を科された[1]。
結果
予選
決勝
第5戦終了時点でのランキング
- ドライバーズ・チャンピオンシップ
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- コンストラクターズ・チャンピオンシップ
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- 注:ドライバー、コンストラクター共にトップ5のみ表示。
注
- ファステストラップ:ミカ・ハッキネン 1m 24.275s
- このレースは107%ルールが適用された1998年シーズン初のレースであった。ルールが適用された不幸なドライバーはリカルド・ロセットで、7/100秒足りなかったため予選落ちとなった。
参照
座標: 北緯41度34分9.9秒 東経2度15分26.9秒 / 北緯41.569417度 東経2.257472度 / 41.569417; 2.257472