(84522) 2002 TC302 は、将来的に準惑星 (冥王星型天体 )に分類される可能性がある太陽系外縁天体 の一つ。2002年 10月9日 にアメリカ航空宇宙局 (NASA) の地球近傍小惑星追跡 プログラム (NEAT) のマイケル・ブラウン らのチームにより、パロマー天文台 で発見された[ 4] 。海王星と2002 TC302 とは2:5で軌道共鳴 をしている[ 2] 。
物理的特性
(84522) 2002 TC302 は絶対等級が3.9という値を持つ[ 5] 。直径は584.1+105.6 −88.0 kmと推定されている[ 6] 。スピッツァー宇宙望遠鏡 の観測によると(84522) 2002 TC302 は以前は直径が1145.4+337.4 −325.0 kmあり[ 8] 、準惑星 であったのではないかと推定されている。これは高く見積もりすぎており、背景の明るい星がたまたま近くにあったため、スカイ引きを行うに十分ではなかったからである[ 6] 。ブラウンはスピッツァーの測定について大きな誤差があると考え、準惑星であるかについてはnear certainly(ほぼ確実)よりかはlikely(ありそうだ)であると考えている[ 9] 。赤いスペクトルを示すため(84522) 2002 TC302 の表面には氷がほぼない[ 8] 。
太陽系外縁天体 と2002 TC302 の比較。
(84522) 2002 TC302 の自転速度は5.41時間で、光度曲線の振幅は0.04 ± 0.01等級である[ 10] 。
軌道
(84522) 2002 TC302 は次に2058年に近日点 に来る[ 5] 。近日点の位置は太陽から39.1AUの位置であり、冥王星 の軌道長半径 にほぼ等しい[ 5] 。その軌道から散乱円盤天体 に分類される[要出典 ] 。
非常に長い軌道をとるため、(84522) 2002 TC302 は10月終わりに太陽と衝 の位置にあり、視等級は20.5になる[ 1] 。
軌道共鳴
小惑星センター とDeep Ecliptic Survey(英語版 ) (DES)は海王星と2:5で軌道共鳴をしていることを示している[ 2] [ 3] 。共鳴により海王星が5回公転するごとに2回公転する。
静止画像
海王星を固定した時の(84522) 2002 TC302 の動き。海王星は7時の方向にある青い点である。
動画
海王星を固定した時の(84522) 2002 TC302 (赤)と冥王星 (灰色)の動き。海王星は4時の方向にある白い点である。
脚注
^ a b “(84522) 2002 TC302 ”. Minor Planet Center (2010年7月23日). 2010年10月24日 閲覧。
^ a b c Marc W. Buie (2007年9月16日). “Orbit Fit and Astrometric record for 84522 ”. SwRI (Space Science Department). 2019年12月26日 閲覧。
^ a b “MPEC 2009-C70 :Distant Minor Planets (2009 FEB. 28.0 TT) ”. Minor Planet Center (2009年2月10日). 2019年12月26日 閲覧。
^ a b Marsden, Brian G. (2002年11月7日). “MPEC 2002-V26 : 2002 TC302 ”. 小惑星センター . Harvard-Smithsonian Center for Astrophysics. 2019年12月26日 閲覧。
^ a b c d e f g h i j k l m n o p “JPL Small-Body Database Browser: 84522 (2002 TC302) ”. 2019年12月26日 閲覧。
^ a b c d Fornasier, S.; Lellouch, E.; Müller, T.; Santos-Sanz, P. et al. (July 2013). “TNOs are Cool: A survey of the trans-Neptunian region. VIII. Combined Herschel PACS and SPIRE observations of 9 bright targets at 70–500 µ m” . Astronomy & Astrophysics 555 . doi :10.1051/0004-6361/201321329 . A15. https://arxiv.org/pdf/1305.0449v2.pdf .
^ a b Tegler, Stephen C. (2006年1月26日). “Kuiper Belt Object Magnitudes and Surface Colors ”. 2006年9月1日時点のオリジナル よりアーカイブ。2019年12月26日 閲覧。
^ a b John Stansberry; Will Grundy; Mike Brown; Dale Cruikshank; et al. (2007). "Physical Properties of Kuiper Belt and Centaur Objects: Constraints from Spitzer Space Telescope". arXiv :astro-ph/0702538 。
^ Michael E. Brown . “How many dwarf planets are there in the outer solar system? (updates daily) ”. カリフォルニア工科大学 . 2019年12月26日 閲覧。
^ Thirouin, A.; Ortiz, J.L.; Campo Bagatin, A.; Pravec, P. et al. (21 August 2012). “Short-term variability of 10 trans-Neptunian objects” . Monthly Notices of the Royal Astronomical Society 424 (4): 3156–3177. doi :10.1111/j.1365-2966.2012.21477.x . https://arxiv.org/pdf/1207.2044.pdf .
関連項目
外部リンク