野谷 文昭(のや ふみあき、1948年6月6日 - )は、日本のラテンアメリカ文学研究者、翻訳家。
東京大学名誉教授、名古屋外国語大学名誉教授、立教大学名誉教授。
経歴
神奈川県川崎市生まれ[1]。
東京学芸大学附属高等学校を卒業。1971年、東京外国語大学外国語学部スペイン語学科を卒業し大学院に進む。1975年同・外国語学研究科修士課程修了(ロマンス系言語)。
1986年より東京工科大学助教授。1987年より立教大学助教授、1994年教授昇進。2005年より早稲田大学教育・総合科学学術院(教育学部複合文化学科)教授。2008年より東京大学大学院人文社会系研究科現代文芸論教授。2013年に東京大学を定年退職し、名誉教授となった。その後も名古屋外国語大学教授をつとめ、2019年に定年退職した。
2007年より日本ペンクラブ国際委員。2012年度より日本イスパニヤ学会会長・理事長を務めている。
研究内容・業績
日本におけるラテンアメリカ文学研究を代表する一人であり、日本ラテンアメリカ学会の理事を務めた。翻訳紹介、評論のほか、映画批評、字幕翻訳も手掛けている。
受賞歴
活動
1991年、湾岸戦争への自衛隊派遣に抗議し、柄谷行人、中上健次、津島佑子、田中康夫らとともに『湾岸戦争に反対する文学者声明』を発表した。
著書
単著
- 『越境するラテンアメリカ』(PARCO出版) 1989
- 『ラテンにキスせよ』(自由国民社) 1994
- 『マジカル・ラテン・ミステリー・ツアー』(五柳書院) 2003
- 『ラテンアメリカン・ラプソディ』(五柳書院) 2023
編著
- 『メキシコの美の巨星たち その多彩でユニークな世界』(編、東京堂出版) 2011.4
- 『日本の作家が語る ボルヘスとわたし』(編、岩波書店) 2011.9
- 『ポケットマスターピース13 セルバンテス』(編、集英社) 2016.12
共編著
その他
- 『CineLesson4 W ワールド・シネマ』(フィルムアート社編集部編、フィルムアート社) 1999
- 『翻訳家の仕事』(岩波書店編集部編、岩波書店) 2006
- 『世界は映画でできている』(石田聖子, 白井史人編、名古屋外国語大学出版会) 2021
翻訳
主な字幕翻訳及び字幕監修
- 『グラン・カジノ』(ルイス・ブニュエル、メキシコ) 1946 - 字幕監修
- 『のんき大将』(ルイス・ブニュエル、メキシコ) 1949 - 字幕監修
- 『忘れられた人々』(ルイス・ブニュエル、メキシコ) 1950 - 字幕翻訳
- 『昇天峠』(ルイス・ブニュエル、メキシコ) 1951 - 字幕翻訳
- 『幻影は市電に乗って旅をする』(ルイス・ブニュエル、メキシコ) 1953 - 字幕監修
- 『エル』(ルイス・ブニュエル、メキシコ) 1953 - 字幕翻訳
- 『ナサリン』(ルイス・ブニュエル、メキシコ) 1959 - 字幕翻訳
- 『低開発の記憶 - メモリアス』(トマス・グティエレス・アレア、キューバ) 1968 - 字幕翻訳
- 『タンゴ - ガルデルの亡命』(フェルナンド・E・ソラナス、仏=アルゼンチン合作) 1985 - 字幕翻訳
- 『予告された殺人の記録』(フランチェスコ・ロージ、仏=伊合作) 1987 - 字幕翻訳
- 『大きな翼を持った老人』(フェルナンド・ビリ、キューバ=伊=西) 1988 - 字幕翻訳
- 『神経衰弱ぎりぎりの女たち』(ペドロ・アルモドバル、西) 1989 - 字幕監修
- 『100人の子供たちが列車を待っている』(イグナシオ・アグエロ、チリ) 1990 - 字幕翻訳
- 『ハイヒール』(ペドロ・アルモドバル、西) 1991 - 字幕監修
- 『私の秘密の花』(ペドロ・アルモドバル、西) 1995 - 字幕監修
- 『永遠の子どもたち』(フアン・アントニオ・バヨナ、西=メキシコ) 2007 - 字幕監修
- 『ネルーダ 大いなる愛の逃亡者』(パブロ・ラライン、チリ=アルゼンチン=仏=西合作) 2016 - 字幕監修
脚注
- ^ エル・スール 紀伊国屋書店 2023年6月26日閲覧。
外部リンク