「赤色エレジー」(せきしょくエレジー)は、林静一が漫画雑誌『ガロ』に1970年1月号から1971年1月号まで連載した劇画。また、同劇画をモチーフとして1972年4月25日に発売されたあがた森魚のシングル曲。
劇画
漫画家を目指すアニメーターの青年・一郎と、その恋人・幸子の同棲生活を描く。
書籍
日本以外に海外でも翻訳出版されている。
シングル
解説
四畳半フォークの代表曲の一つ[1]。林静一の同名劇画に、あがたが感銘を受けたことにより作られた。そのため、林がシングル盤のジャケットイラストを描いている。
作曲者が八洲秀章となっている理由は、曲が八洲の作曲した『あざみの歌』に似ていることからレコード会社側の判断で八洲の作曲と表記したのであって、実際は作曲もあがたが手掛けている。あがたは直接八洲と会っており、その際に八洲から譜面を出されて「一緒じゃないか」と指摘されるも、あがたは「別にあなたの曲を聴いてこの曲を作ったわけじゃない」と反論、押し問答をしてそのままになった。後日「作曲者は八洲先生になりました」と報告を受け、解せないまま終わりになったという[2]。
なお、蜂蜜ぱいがバック演奏を担当していることから、シングル盤のレーベルでのアーティスト表記は「あがた森魚+蜂蜜ぱい」となっている。
ベルウッドレーベル最初のシングル盤として発売され、60万枚を売り上げ、大ヒットした。
収録曲
- A面 赤色エレジー(作詞・編曲:あがた森魚 / 作曲:八洲秀章) - 映画『赤色エレジー』主題歌
- B面 ハートのクィーン(作詞・作曲・編曲:あがた森魚)
うた絵本
ベルウッドからシングル盤を出すメジャーデビュー前の1971年12月25日に、自主制作で「うた絵本 赤色エレジー」(幻燈社)として林静一の書き下ろしによる絵本付きで同曲のシングル盤[4]を出しており、1972年2月25日に再版されている。その時のカップリング曲はメジャー盤の次作シングル曲として『清怨夜曲』に改題し発売。「うた絵本」版『赤色エレジー』は、2011年2月23日に絵本付きCDとして復刻された。幻燈社の「うた絵本」版シングルのクレジットは以下の通りで、この時点ではまだ作曲者が八洲秀章とはなっていない。
- 散面 赤色エレジー(詞曲唄:あがた森魚 / 演奏:南部菜食バンド)
- 華面 清怨夜楽(詞曲唄:あがた森魚 / 演奏:池田屋六重奏団)
参考文献
脚注
- ^ 鈴木琢磨 (2011年8月26日). “人生は夕方から楽しくなる:四畳半フォークから新境地へ あがた森魚さん”. 毎日新聞夕刊 (毎日新聞社): p. 3
- ^ 「ワイドインタビュー問答無用 No.849「ギターを背負って歩く あがた森魚」」『週刊エコノミスト』、毎日新聞社、2021年7月13日号。
- ^ 制作はインディーズの芽璃懺堂レコード
関連項目
- 赤灯えれじい - 『赤色エレジー』の題名をもじった、きらたかしの漫画作品。一途な純愛と同棲がテーマ。
- 僕は天使ぢゃないよ - 本作を原作に、あがた森魚が製作・ 脚本・監督・主演・音楽を務めた自主制作映画(1974年公開)。