賢明女子学院中学校・高等学校(けんめいじょしがくいんちゅうがっこう・こうとうがっこう)とは、兵庫県姫路市に所在し、中高一貫教育を提供するカトリック系の私立女子中学校・高等学校。高等学校においては1学年の生徒総数180人のうち20%弱の35名の生徒を募集する準完全中高一貫校[1]。聖母奉献修道会を母体とする学校法人賢明女子学院が設置・運営している。
姉妹校に学校法人賢明学院が運営する賢明学院幼稚園・小学校・中学校・高等学校(大阪府堺市堺区)がある。
校地は姫路城旧中曲輪・姫路市本町68番地のうち元第10師団司令部の跡地である。北側には同じくカトリックのミッションスクールである淳心学院中学校・高等学校(男子校)が隣接している。こちらはベルギー発祥の修道会による設置であり、別の学校である。聖職者同士での交流はあっても、公的な意味での生徒交流はない。
姫路城大天守第六層から南東望。賢明女子学院の校庭は中程右側
学校の裏門になっている姫路城の内京口門の石垣
概要
1796年にフランスで創設された聖母奉献修道会(英語版)が1948年6月来日し、1951年(昭和26年)4月、賢明女子学院中学校・賢明女子学院高等学校開校。
現在当校を運営する学校法人賢明女子学院は、カナダから来日した同修道会の支部により創設された。
校名の「賢明」は、カトリックの7つの徳に含まれる「賢慮」「聡明」に由来してつけられた[2]。
校内のあちこちに聖母マリア像があり、生徒たちを見守っている。姫路城(白鷺城)のすぐ東隣に校舎を構えている。付近には美術館、博物館などがあり、また、都会の学校ながらグラウンドも広く、施設が充実している。
キリスト教のカトリックの教えにより、「the Best(最善をめざす)」を教育理念としている。「思いやる力」「創る力」「叶える力」の3つの力を養い身に付けることを教育方針としている。
2013年度からは高校がコース制となり、ソフィア(特進)コースとルミエール(進学)コースに分かれた。
2011年(平成23年)に創立60周年を迎えた。
編成
難関国公立大学を目指す「ソフィアコース」、難関私立大学・国公立大学を目指す「ルミエールコース」の2コースが設置されている[3]。
1クラス約30~40名の4クラスまたは3クラス編成である[4]。
授業
土曜日に4時間授業を実施している[5]。さらに、毎週木曜日は7時間目まで授業を実施している。このことにより、増えた時間を基礎学力の定着や、演習など理解をより深めるための質の高い学習に充てている[6]。
中学の英語の教科書は『プログレス・イン・イングリッシュ』を使い、中1ではクラスを2分割した少人数授業を実施し、英語の力をしっかり身につけていく[2]。そして中2からは英・数で習熟度別授業を実施している。
中学では週4日、高校では週6日の放課後希望者補習や、英語と数学の指名補習を実施している。国公立大学進学者数の増加を狙い、中高のソフィアコースの生徒には放課後の数学強化補習を週1回行っている[6]。
夏休み中も約60もの講座を開講している。英検対策など、対象学年を限定しない講座もある。
高校課程の多くを2年で終える[7]。
クロス・スタディ
本校では興味のある分野や学問の面白さを発見し、勉強に前向きに、自発的に学ぶきっかけになるように、理系や文系といった枠を越えたクロススタディを実践している。
1年間で「自然科学」「人文科学」「芸術」から2テーマずつ計6テーマを学ぶ。週1時間、月1テーマで行われる。
宗教
6年間通じて宗教の時間があり、生き方や平和、奉仕の精神について学んでいく。
沿革
母体となる聖母奉献修道会は1796年にマリー・リヴィエ(英語版)により創立。1948年6月、聖母奉献修道会(英語版)カナダ管区本部から修道女4名が来日し、大阪阿倍野に居住して日本地区本部を設立した。1950年6月、姫路(姫路市本町68番地)に土地を購入し、中高一貫校の本学院が開校した。
行事
- その他「クリスマス行事」や「聖母をたたえる集い」などカトリック校らしい行事が多くある。
クラブ活動
中高生は一緒に活動を行っている。入部率は高い。少林寺拳法部は全国大会の常連である[2]。
- 体育系
- 少林寺拳法部
- 硬式テニス部
- ソフトボール部
- バドミントン部
- ソフトテニス部
- 陸上競技部
- バレーボール部
- バスケットボール部
- 文化系
- コーラス部
- ブラスバンド部
- ハンドベル部
- 自然科学部
- カトリック研究会
- アート部(アニメ・写真・美術部門)
- 書道部
- ダンス部
- E.S.S部
- 放送部
- パソコン部
- 家庭科部
- 演劇部
- カルタ部
制服
学校創立時の1951年に、カナダから来られたシスター方により制定された、「合服」と呼ばれている着こなしが基本とされている。紺のウールのベストに白の長袖ブラウス、前中央に小さなくるみボタンの付いた前箱ひだのプリーツスカート。そして中学は赤、高校は紺のリボンを付ける。靴は白と紺のコンビであり通称「パンダ靴」と呼ばれる。
凛として清楚な「ベスト姿」に「パンダ靴」は賢明生のトレードマークとなっており、遠くからでも賢明生だと分かる。
2019年に制服が基調を変えずも新しく制定される。
- 夏服
- ショールカラーの白の半袖ブラウスに赤・紺のネクタイ、薄手のウールのスカートに賢明特製の「K」をデザインしたバックルの付いた紺のベルトを付ける。紺の縁取りとリボンの付いた麦藁帽子や冷房、紫外線よけのカーディガンも制定されている。
- 冬服
- ベストの上に襟なしの上着やスクールセーター、コートなどを着用する。
連携
- 姫路獨協大学薬学部ゲノム解析学研究室との連携:
- 科学技術振興機構 (JST) が主催する「中高生の科学研究実践活動推進プログラム(学校活動型)」の連携機関として、教育連携活動を行っている[8]。
- 2015年度より、ハイドロゲルを用いた哺乳動物細胞の3D培養法(三次元培養法)の確立に学生たちと取り組んでいる。
- 3D培養では生理的環境に近い状態で細胞を培養することが可能で、この方法を用いて三次元的に組織を構築し、今後の再生医療等への応用を目指している。
著名な出身者
関連項目
脚注および参照
外部リンク