『誓い 』(ちかい）は、宇多田ヒカル の7thアルバム『初恋 』に収録された楽曲。英語詞バージョンは『Don't Think Twice 』で、「誓い」とともに22ndシングル『Face My Fears 』（2019年）に収録された。楽曲は、ゲームソフト『キングダム ハーツIII 』のテーマソングに起用されている。
2018年 2月10日 午後6時、宇多田ヒカル が、ゲームソフト『キングダム ハーツ 』シリーズの正統続編『キングダム ハーツIII 』のテーマソング「誓い」を書き下ろしたことが発表された。これは、東京ディズニーリゾート (R)にてディズニーファン向けに開催されているイベント〈D23 Expo Japan 2018 （英語版 ） [ 6]
宇多田にテーマソングのオファーが入ったのは6thアルバム『Fantome 』[ 注 1] [ 2] [ 2] Skrillex によると、2016年 に一度宇多田から「誓い」のリミックス を頼まれていたという。しかし彼は「ジャジーなメロディがダンス・リミックスには向いていない」と判断し、新たな曲を一緒に作ることを宇多田に提案、それが「Face My Fears 」の制作につながったとインタビューで語った[ 7]
クリス・デイヴ（2019年） 「誓い」は、宇多田が、2018年の7thアルバム『初恋 』で屋台骨を担うことになるドラマー・クリス・デイヴ (Chris Dave ) と関わるきっかけとなった楽曲である。宇多田は完成したデモテープをミュージシャン仲間に聴かせたときに、「ドラムの遅れ気味のノリ方」に合うというクリスを薦められ、アメリカにいる彼に実際にオファーすることになった。セッションでは、宇多田によると、クリスは「デモのパターンを覚えるまで何度も聴いて再現し、（宇多田が)こだわっていたタメやアクセントの置き方も説明なしに自然に汲んでくれた」という[ 2] レコーディング とミキシング のエンジニアは前作『Fantome』に引き続きスティーヴ・フィッツモーリス (Steve Fiztmaurice ) が担当。ボーカルレコディングは小森雅仁 が手掛けている。ミュージシャンも、前作『Fantome』で参加したジョディ・ミリナー (Jodi Milliner ) (ベース )、ベン・パーカー (Ben Parker ) (ギター )、サイモン・ヘイル (Simon Hale ) (ピアノ )らがレコーディングに加わった。なお、サイモンはストリングス の共同アレンジャーでもある。
「誓い」は、恋人たちの切ない想いを歌うソウルフルなラブソング [ 8] [ 注 2] [ 注 3] ポリリズム 」がリズムの面で取り入れられている[ 1] スウィング がついているのも特色である[ 2] [ 9] ワルツ 的なリズムの上にストレートな16ビート をかぶせる変則的な譜割りが見られる[ 1] [ 10] 小森雅仁 は楽曲に関して、「そこまで熱心な音楽ファンではない方が聴いた時に、『いいな』と思えるキャッチーさがありつつ、マニアックな音楽リスナーやミュージシャンなど同業者が聴いても、『これはすごい』と思える深みがある非常に独創的な楽曲。」と語っている[ 10]
「『KINGDOM HEARTS III』で曲の一部が公開されたんですけど、その際、「リズム感がよく分からない」、「どう拍子を取れば良いか、難しい」って声や反応が多くて、私自身、単純明快な6/8拍子のつもりで制作していた分、とても驚きましたね。それで、改めて自分のアレンジ、プログラミングの仕方がかなり独特で、それらが複雑化させてることに気付いて、これらは誰もがそう感じられるものではなかったんだなって思いましたね。今回のアルバムは大半のドラムをクリス(クリス・デイヴ)に委ねてるんですが、これが彼でなければ、おそらくこの曲はちゃんと成り立たなかったかもしれないですね。」
— 宇多田ヒカル、『初恋』インタビュー[ 2]
「誓い」は、2018年6月27日に発売された宇多田ヒカルの7thアルバム『初恋 』に収録された。その後、2019年1月に発売された宇多田ヒカルのCDシングル「Face My Fears 」にも、英語詞バージョン「Don't Think Twice」とともに収録された。
2018年の9月に出演した『ミュージックステーションウルトラFES 2018 』では、司会者タモリ との対談の収録前に「誓い」を歌唱した[ 注 4] [ 11]
「誓い」は、シングルとしてリリースされていないにもかかわらず、初動5日間で7,964DLを稼ぎ、7月9日付の「オリコン 週間デジタルシングルランキング」で8位をマークした[ 12] Billboard Japan Hot 100 」では初登場51位にランクイン[ 3] 米ビルボード では、「ワールド デジタルソング セールス」にて最高位3位を獲得した[ 5]
^ 2016年9月28日リリース
^ ピアノの左手が奏でるベースラインを基準にした場合
^ 右手が奏でるコードを基準にした場合
^ 事前収録。この時宇多田は、最初の歌唱で歌詞が飛んでしまい、演出の紙吹雪を拾っているスタッフに申し訳なかったとタモリとの対談で語った。
^ a b c “リズムから考えるJ-POP史 第9回：宇多田ヒカル『初恋』に見る「J」以後の「POP」 ”. Real Sound (2019年8月4日). 2020年10月17日 閲覧。
^ a b c d e f “宇多田ヒカル Real Sound 『初恋』インタビュー 宇多田ヒカルが語る、“二度目の初恋” 「すべての物事は始まりでもあり終わりでもある」 ”. 2020年5月14日 閲覧。
^ a b c “Hot 100 ” (Japanese). Billboard Japan (2018年7月9日). 2018年7月4日 閲覧。
^ a b “Download Songs ” (Japanese). Billboard Japan (2018年7月9日). 2018年7月4日 閲覧。
^ a b c “World Digital Song Sales ”. Billboard (July 7, 2018). February 3, 2020 閲覧。
^ “宇多田ヒカル、新曲「誓い」がゲーム『KINGDOM HEARTS III』テーマ曲に＋トレーラー公開 ”. BARKS (2018年2月10日). 2020年10月17日 閲覧。 ^ “スクリレックスが語る、宇多田ヒカルとの出会い＆『キングダム・ハーツ』への思い「公開された時は夢が叶った感じだった」 ”. Billboard JAPAN . 2020年10月17日 閲覧。 ^ “Face My Fears - EP ”. Apple Music . 2021年1月11日 閲覧。 ^ “宇多田ヒカル楽曲の変遷 3つの音楽的ポイントから探る - 後期〜現在…『Fantôme』『初恋』 ”. Real Sound (2018年11月14日). 2021年1月11日 閲覧。 ^ a b “宇多田ヒカルのニューアルバム『初恋』を手掛けたグラミー受賞エンジニア、スティーヴ・フィッツモーリスが語る『初恋』の音作り ”. mora.jp (2018年6月27日). 2021年1月11日 閲覧。
^ “宇多田ヒカル、タモリと共に“『Mステ』との20年”を振り返る ”. BARKS (2018年9月13日). 2020年10月12日 閲覧。 ^ a b “週間 デジタルシングル（単曲）ランキング ” (Japanese). Oricon (2018年7月9日). 2018年7月4日 閲覧。
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