試験管(しけんかん、英語: test tube)とは、化学、生物学の実験などに用いる細長い容器のことである。円筒形で上端は開放され、下端はUの字のように丸くなっている(平底の製品もある)。下端がVの字のように円錐状のものはスピッツ管と呼ばれている。
試験管は、少量の試料を取り扱い、その中で操作・反応させ、結果を観察、処理することを目的として作られたものである。大きさは長さが数cmから20cm、直径は数mmから数cmである。直火にかけて内容物を簡単に加熱するため、パイレックスのような熱膨張に強い材質が用いられることもある。一般に、口のところを加工していないものを「直口」、耐久度を高めるためリング状に肉厚にしてあるものを「リム付き」という。
試験管はビーカーから微量の試料を取り出して操作したり貯蔵したりするために用いられる。たとえば2種の薬品を2つのビーカに取り、それぞれからピペットで定量を吸い取り、試験管に流し込んで反応を観察するというふうに使う。そのときに、試験管に入れる水の量を5分の1から4分の1にする[1][2]。
加熱が必要な場合には目的により以下のような方法を用いる。
尚、通常の場合、冷却する場合は底部分を冷水や氷水につける。
単に貯蔵用に使用する場合もある。微生物学において、菌株保存用の寒天培地は試験管に少量ずつ取り分けて(分注)保存するのが一般的である。試験管に入れた滅菌後の寒天培地を垂直の状態に静置して固めたものを高層培地、斜めに保持して固めたものを斜面培地、高層と斜面の中間程度の傾斜をつけたものを半斜面培地と称して微生物の株を保存するのに用いる。
試験管を振るときは、上部を持って小刻みに振るようにする[2]。
試験管は、化学、生物学その他、様々な分野で広く使われる、基礎的器具であり、その使用を助ける周辺機器が多数存在する。
あるいは内部を乾燥させるため、専用の器具を用いることが多い。
主に硬質ガラスやパイレックスガラスが一般的[1]だが、石英ガラス、金属などでできたものもある[8]。
試験管は、科学的な処理をする際に、もっとも基本的な器具として認知されている。そのため、科学的な操作の元に作られた、といった印象を与えるための表現に試験管が用いられる例がある。試験管ベビーなどの単語はその代表例である。
透明度が高く、軽く、水の入れ替えが簡単なため、別の用途として一輪挿しや花瓶に使われることもある[9]。