褐錫鉱(かっしゃくこう、 Stannoidite)は1969年に発表された日本産新鉱物で、国立科学博物館の鉱物学者加藤昭により、岡山県の金生(こんじょう)鉱山から発見された[4]。 化学組成はCu+6Cu2+2(Fe2+,Zn)3Sn2S12で、斜方晶系。記載論文で「Blass brown」と表現されたように、褐色を帯びた金色を呈する。モースン鉱(英語版)(Cu6Fe2SnS8)グループに属し、共存することが多い。
黄錫鉱 (Stannite) によく似た見掛けであったことから、「類似」を意味する「-oid」を用いて命名された。黄錫鉱とは光学的性質が異なることから当初は「Hexastannite」と呼ばれていたが[5]、微細だったため分析が困難であった。しかし、加藤が発見した「Hexastannite」は単結晶X線回折可能であり、国際鉱物学連合の新鉱物・鉱物・命名委員会の許可を経て加藤は「褐錫鉱」と命名、最終的に「Hexastannite」は褐錫鉱と同一と判明した。
脚注
- ^ Stannoidite. Webmineral
- ^ Stannoidite. Mindat.org
- ^ Kudoh Y., Takeuchi Y. (1976). “The superstructure of stannoidite”. Zeitschrift für Kristallographie – Crystalline Materials 144 (1–6): 145–160. Bibcode: 1976ZK....144..145K. doi:10.1524/zkri.1976.144.16.145.
- ^ Kato, A. (1969): Stannoidite, Cu5(Fe,Zn)2SnS8, a new stannite-like mineral from the Konjo mine, Okayama Prefecture, Japan. Bull. Nat. Sci. Museum, Tokyo, 12, 165-172.
- ^ Ramdohr P. (1960) Die Erzmineralien und ihre Verwachsungen, 3rd Ed. P514-515.
関連項目
外部リンク