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この項目では、『源氏物語』の第30帖について説明しています。植物のフジバカマについては「フジバカマ」をご覧ください。 |
「藤袴」(ふじばかま)は、『源氏物語』五十四帖の巻名のひとつ。第30帖。玉鬘十帖の第9帖。巻名は夕霧が詠んだ和歌「同じ野の露にやつるる藤袴あはれはかけよかことばかりも」に因む。
あらすじ
光源氏37歳の秋の話。
大宮が亡くなり、尚侍に任命された玉鬘は孫として喪に服しながら、出仕を思い悩んでいた。そこへ夕霧が父光源氏の使いで訪れ、従兄弟の縁に事寄せ藤袴の花を差し出しつつ、秘めていた想いを訴えたが、玉鬘は取り合わない。源氏のところに戻った夕霧は、「内大臣様が内々におっしゃったそうですが、「世間では源氏の大臣が、玉鬘を側室の一人にするつもりだと噂している」との事…」と言って、その真意を鋭く追及した。夕霧の追及をかわした源氏。内大臣の勘の鋭さに、内心冷や冷やする。
喪が明けて、玉鬘の出仕は10月に決定した。求婚者たちからは諦めきれない文が届き、文をより分ける女房たちは「悲しいお文ばかり」と話す。とりわけ髭黒や蛍兵部卿宮は熱心だった。玉鬘はその中で、蛍兵部卿宮だけに返事を送った。
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