苦土フォイト電気石(くどフォイトでんきせき、 Magnesiofoitite)は、1999年に発表された日本産新鉱物で、カナダ・マニトバ大学の鉱物学者フランク C. ホーソンなどにより、山梨県の旧三富村(現・山梨市)京ノ沢から発見された[1]。 化学組成は◻(Mg2Al)Al6(Si6O18)(BO3)3(OH)4で、三方晶系。
電気石(Tourmaline)スーパーグループのフォイト電気石(Foitite)グループ(組成に空隙がある)に属し、フォイト電気石の鉄がマグネシウムに置換したものである。京ノ沢の標本を入手したカナダ人のグループによる研究が先行し、同様の研究を進めていた日本人の研究者が産状などのデータも加えて、共同で発表したという経緯がある。
上記の通り組成に空隙があるため結晶は大きくならず、無色の針状集合体として産出するが、外見上はフォイト電気石と区別できないため同定には科学的分析が必要となる。
脚注
- ^ Hawthorne, F. C. et al. (1999): Magnesiofoitite, (Mg2Al)Al6(Si6O18)(BO3)3(OH)4, a new alkali-deficient tourmaline. Canad. Mineral., 37, 1439-1443.
関連項目
参考文献
- 松原聰「新鉱物発見物語」、あやうくさらわれそうになった石-苦土フォイト電気石。岩波書店、岩波化学ライブラリー115、2006年。
外部リンク