美佐島駅(みさしまえき)は、新潟県十日町市午(うま)にある、北越急行ほくほく線の駅である。ほくほく線で唯一の地下駅であり[1]、日本で数少ない山岳トンネルの中にある鉄道駅でもある。
歴史
駅名の由来
駅周辺の広域地名に因んでいる[4]。
年表
駅構造
赤倉トンネル内[5]の地下10.1 mの位置に、線路の南側に単式1面1線・全長45 mのホームがある。駅舎は地上にある。無人駅で、乗車駅証明書発行機が駅舎に設置されているほか、駅舎には男女に分かれたトイレが設置されているが、バリアフリー設備は設置されていない。
列車通過時の風圧が激しいため、ホームと地下通路との間は鉄製の扉で仕切られており、客扱い時以外はホームを封鎖する[6][7]。当駅で下車した後は、ホームから2分以内に出る必要がある。ホームは防犯カメラで遠隔監視され、列車発車後もホームに残っているとアナウンスで退出を促される[5]。万が一、ホームにいるときに扉がロックされた場合は、扉の横にあるボタンを押して退出できる。
当駅では列車が通過する際、ほかの駅と同様に通過警告のアナウンスが流れた後、「まもなく高速で電車が通過します。大変危険です。ホームには絶対に出ないで下さい。」というアナウンスが構内で、繰り返し放送される[6]。かつて、特急「はくたか」が運行されていた頃は、待合室でも放送されていたが、現在は新潟弁、標準語、英語の順に放送されるものに更新され、到着時のアナウンスも同様に放送されるため、構内の放送と待合室の放送が異なる。
普段、ホームと地下通路を隔てる扉は施錠されているため、駅利用者は列車通過時にホームに立ち入ることはできない[6]。ホームに隣接した扉のほか、地上へ続く通路にもう1枚扉がある[6]。列車発車時の気圧差で突風が吹く恐れがあるため、エアロックのように2枚の扉は同時に開かない構造になっている。また客扱い時には、ホーム側の扉に上にある青ランプが点灯し、傍にある表示が「電車が到着するまで扉は開きません」から「電車が到着しましたので御乗車下さい」に切り替わり、ホームに立ち入れるようになる。
ホームと地下通路の間の防風扉は、建設当初は手動扉でスプリングによって閉まる構造とされていた。しかし、駅の建設途中で扉の窓部分のガラスが、まだはめ込まれていなかった1996年10月1日に、試運転列車が140 km/hで通過する試験を行ったところ、階段部で風速が24 m/sを記録し更なる安全対策を必要とすることが認識された。また、1997年2月27日に運輸省新潟運輸局(現在の国土交通省北陸信越運輸局)が完成検査を行うことに際し、防風扉が開いたままの状態で列車を通過させる実験を行ったところ、風圧で駅舎内の待合室の窓ガラスが粉砕されるという事態になり[6][7]、補強や防風扉故障時の対策を要望されることになった。そのために電動自動扉へ改修されることになり、また、2枚の扉を連動させる方式に転換することになった。
2015年3月14日の北陸新幹線金沢駅延伸によりほくほく線の特急列車が全廃され[6]、2023年3月18日のダイヤ改正で全列車が各駅停車となり、当駅を通過する定期列車は消滅したが、以降も防風扉などの運用は従前通りとなっている。
地上待合室は畳敷きで[5]、湯茶サービスのポットとグラス、座布団、駅ノートなどが設置されており、空調設備も整っている。
2013年(平成25年)8月より、地下通路に列車運転状況表示装置が設置された。ほくほく線の他駅とは異なり、NTTドコモのタブレット端末が設置されている。これにより、地下待合室でNTTドコモの携帯電話が使用できるようになったが、他社の携帯電話は現在も使用できない。
利用状況
1日乗降人員推移 [8]
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年度
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1日平均人数
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2011年
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9
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2012年
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4
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2013年
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5
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2014年
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10
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2015年
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3
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2016年
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4
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2017年
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9
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2018年
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4
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駅周辺
駅周辺には変電所や神社、美術館、ゲストハウスなどがあり数世帯が居住する。また午地区には郵便番号が割り当てられておらず、〒948-0000である。
隣の駅
- 北越急行
- ■ほくほく線
- 魚沼丘陵駅 - (赤倉信号場) - 美佐島駅 - しんざ駅
脚注
参考文献
- 日本鉄道建設公団高速化研究会 編『三セク新線高速化の軌跡』(初版)交通新聞社、1998年10月20日、pp.165 - 169頁。ISBN 4-87513-077-5。
- 『週刊歴史でめぐる鉄道路線 公営鉄道・私鉄 19 富山地方鉄道 富山ライトレール・万葉線 黒部峡谷鉄道・北越急行』朝日新聞出版、2011年7月24日。
関連項目
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外部リンク