滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール(しがけんりつげいじゅつげきじょうびわこホール)は滋賀県大津市打出浜にある劇場・歌劇場。通称はびわ湖ホール。
概要
文化発信の拠点を目指して滋賀県が1990年(平成2年)に総事業費240億円で開設する基本計画を発表した[1]。
当初の計画より遅れたものの[2]、1995年(平成7年)3月28日に起工し[3]、1998年(平成10年)9月5日に開館した[4]。西日本で初となる本格的な4面舞台を備える大ホールは[5]、アクトシティ浜松(1994年)、新国立劇場(1997年)に次いで日本で3棟目となった。その他、中ホール・小ホールを付帯するオペラ、バレエなどの舞台芸術専用のホールである。運営母体として1996年(平成5年)4月に公益財団法人びわ湖ホールが設立された[6]。なお、当初構想されていた専属オーケストラは運営経費の負担増大を理由に1995年(平成7年)9月18日に見送られることが明らかになった[7]。
ホール・設備・音響そのものの素晴らしさに加えて日本離れした美しいロケーションのため、イタリアのソプラノ歌手ミレッラ・フレーニは「びわ湖ホールをイタリアへ持って帰りたい」と語り、ロシアのピアニストイリーナ・メジューエワは「他にはない素晴らしいロケーションに驚き、近くに引っ越したいと思った」と語った[8]。また、ラ・フォル・ジュルネのアーティスティック・ディレクターのルネ・マルタンは、当ホールが立地する「琵琶湖湖畔の景色は美しく、水辺の風景としてウィーンやプラハに共通するものがある」と絶賛した[9]。
優良ホール100選に選ばれている。また、2011年(平成23年)度には「“関西オペラの拠点”として音楽文化の振興と普及に尽力した」として地域創造大賞(総務大臣賞)を受賞している(以下は受賞理由の詳細である)。
2020年(令和2年)10月13日、第68回菊池寛賞を受賞[10]。
- 地域創造大賞の受賞理由
- 西日本に初めて誕生した本格的なオペラ劇場として、開館当初から芸術監督によるプロデュースオペラや子どものためのオペラを制作。日本で唯一の専属声楽アンサンブルを有し、アウトリーチや地域の演奏団体・ホールとの協働事業を行うなど、“関西オペラの拠点”として音楽文化の振興と普及に貢献した。
2021年(令和3年)6月、第51回ENEOS音楽賞(洋楽部門本賞)をびわ湖ホールと沼尻竜典芸術監督が受賞[11]。
芸術監督
- 初代:若杉弘(1998年9月 - 2007年3月)
- 2代:沼尻竜典(2007年4月 - 2023年3月)
- 3代:阪哲朗(2023年4月 - )
主な施設・座席数
- 大ホール:1,848席(4面舞台),舞台間口:21.5m,舞台奥行:23m,舞台高さ:15.5m[12]
- 中ホール:804席,舞台間口:14.4m,舞台奥行:21m,舞台高さ:8.9m[12]
- 小ホール:323席,舞台間口:11.5m,舞台奥行:6m,舞台高さ:8m[12]
- リハーサル・練習室
- 舞台芸術情報サロン
- レストラン「オペラ」
- フラワーショップ「アミティ」
オペラ作品における受賞作品
- 文化庁芸術祭音楽部門
- 2004年度:「十字軍のロンバルディア人」 - 優秀賞
- 2005年度:「スティッフェリオ」 - 優秀賞
- 2006年度:「海賊」 - 大賞
- 2009年度:「ルル」 - 優秀賞
- 2017年度:「ノルマ」- 優秀賞
所在地
〒520-0806 滋賀県大津市打出浜15-1
アクセス
- 鉄道
- バス
- 自動車
周辺情報
脚注
外部リンク