『洋上のロマンス 』 (ようじょうのロマンス、Romance on the High Seas [5] ) は、1948年 のアメリカ合衆国 のミュージカル ・ロマンティック・コメディ映画 。
マイケル・カーティス が監督し、ジャック・カーソン 、ジャニス・ペイジ、ドン・デフォア、ドリス・デイ が主演した。デイにとって本作が映画デビュー作となった[1] 。アカデミー賞 においてジューリー・スタイン 作曲、サミー・カーン 作詞の楽曲『It's Magic 』がアカデミー歌曲賞 に、レイ・ハインドフがアカデミー作曲賞 にノミネートされた。
ストーリー
ドリス・デイ 演じるジョージア・ギャレットが「I'm in Love 」を歌う
エルヴィラ・ケント(ジャニス・ペイジ)と夫のマイケル(ドン・デフォア)は互いの浮気を疑う。結婚記念日にエルヴィラはリオデジャネイロ行きのクルーズを予約するが、マイケルは急な仕事で行けないかもしれないと語る。エルヴィラは1人で出掛ける振りをして、旅行会社で出会った歌手のジョージア・ギャレット(ドリス・デイ )を自分の名で船に乗せる。こっそりついて行ったエルヴィラは、マイケルが実際は乗船することを期待する。しかしマイケルは、エルヴィラが1人で出掛けたことを疑い、私立探偵ピーター・ヴァージル(ジャック・カーソン )を雇い、自分のことを監視していないか調べてもらう。
ピーターは業務の一環で乗船し、ジョージアと知り合う。ジョージアはエルヴィラの指示通りにピーターを含む周りの人々全てにエルヴィラを名乗る。ジョージアとピーターは互いに惹かれ合って次第に恋に落ち、問題が生じる。
中継地の1つでジョージアの友人オスカー・フェイラー(オスカー・レヴァント)が乗船する。オスカーはジョージアに片思いしている。ピーターは2人の様子を見て、オスカーがエルヴィラの不倫相手と思い込む。
リオのホテルにて全員が勢ぞろいし混乱する。真実が明らかになり、全てが丸く収まる。
キャスト
ピーター・ヴァージル:ジャック・カーソン
エルヴィラ・ケント:ジャニス・ペイジ
マイケル・ケント:ドン・デフォア
ジョージア・ギャレット:ドリス・デイ
オスカー・フェイラー:オスカー・レヴァント
アンクル・ラズロ:S・Z・サコール
ピニオ:フォーチュニオ・ボナノヴァ
船上の医師:エリック・ブロア
リオのホテル・クラーク:フランクリン・パンボーン
ミス・メドウィック:レスリー・ブルックス
旅行会社社員:ウィリアム・ベイクウェル
酔っ払い:ジョン・バークス
特別出演 サンバ・キングス エイヴォン・ロング ペイジ・カヴァナー・トリオ サー・ランスロット
クレジット無し (出演順)
旅行会社社員:ジョン・アルヴィン
カメラマン:ウィートン・チャンバーズ
車販売員:ダグラス・ケネディ
船のボーイ長:トリス・コフィン
電話オペレーター:サンドラ・グールド
ラジオ・オペレーター:グラディ・サットン
スチュワーデス:バーバラ・ベイツ
楽曲
制作
当初ベティ・ハットン が主演する予定であったが、妊娠のため不可能となった。すでに活躍していたジュディ・ガーランド やジェーン・パウエル が候補に挙がった。監督のマイケル・カーティスはバンドのヴォーカリストで女優になる気のないドリス・デイにオーディションを受けるよう説得した。デイは再婚相手のミュージシャンのジョージ・ウェイドラーと離婚したばかりで情緒不安定になっており、オーディションで「エンブレイサブル・ユー 」を歌いながら涙を流した。カーティスは歌唱力と新鮮な美しさでデイを採用し、主役のジョージア・ギャレット役に配役した。配役の変更やジャニス・ペイジの配役の遅れがあったにもかかわらず、興行収入において成功した。
ハットンの降板に際し、カーティスはジョージア役に、美しさ、歌い踊れること、全てを兼ね備えて輝きを放っていることを求めた。何十人もの女性たちがカーティスの要求にかなわず、最後にドリス・デイがカーティスに紹介された。カーティスはデイこそがその女性であるとして即決した[6] 。デイはマイケル・カーティス・プロダクションズと週500ドルの独占契約を結んだ[7] 。
ベテラン脚本家のI・A・L・ダイアモンド は1948年当時まだ駆け出しで、本作では台詞の追加執筆を務めた。これまでユニバーサル・インターナショナルで低予算ミステリーを執筆し、ワーナー・ブラザースに移籍した。1946年、コメディ映画『王子と運ちゃん (英語版 ) 』を執筆し、本作主演のジャック・カーソン が出演していた。ダイアモンドはキャリアを確立するまで約10年を要し、ついにビリー・ワイルダー 監督と出会った。以降長年に亘り共に作品を制作するようになった[8] 。
興行収入
ワーナー・ブラザースの記録によると、アメリカ国内で$2,200,000 、国外で$1,025,000の興行収入があった[3] 。
評価
ポピュラー・カルチャー
1951年、フリッツ・フレラング監督のバッグス・バニー の映画『月曜日にはウサギを (英語版 ) 』に登場した。
受賞歴
アメリカン・フィルム・インスティチュート により、以下のリストにノミネートされた:
出典
^ a b c “Romance on the High Seas ”. Turner Classic Movies . Atlanta : Turner Broadcasting System (Time Warner ). 2021年6月5日 閲覧。
^ Variety 18 February 1948 p7
^ a b c Warner Bros financial information in The William Shaefer Ledger. See Appendix 1, Historical Journal of Film, Radio and Television, (1995) 15:sup1, 1-31 p 28 DOI: 10.1080/01439689508604551
^ "Top Grossers of 1948", Variety 5 January 1949 p 46
^ Hinton, Nigel (2008). Time Bomb (Reprint ed.). Berkeley, California : Ten Speed Press . ISBN 978-1582462370 . https://books.google.com/books?id=Xofuzwjluk8C
^ McDonald, Tamar Jeffers. Doris Day Confidential: Hollywood, Sex, and Stardom . London, UK: I.B. Taurus & Co., Ltd., 2013. p. 99.
^ David Kaufman, Doris Day - The Untold Story of the Girl Next Door, Macmillan 2008, p. 52
^ Silov, Ed. Sunset Boulevard: The Life and Times of Billy Wilder . Jackson, MS: University Press of Mississippi, 2017. p. 388.
^ “AFI's 100 Years...100 Passions Nominees ”. 2016年8月19日 閲覧。
^ “AFI's 100 Years...100 Songs Nominees ”. 2016年8月19日 閲覧。
^ “AFI's Greatest Movie Musicals Nominees ”. 2016年8月19日 閲覧。
外部リンク
1910年代 1920年代 1930年代 1940年代 1950年代 1960年代 短編
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