江差港(えさしこう)は、北海道檜山郡江差町にある港湾。港湾管理者は江差町。港湾法上の「地方港湾」に指定されている。
江差港は渡島半島の西部に位置しており、日本海に面している。前面に鴎島があり、天然の良港として蝦夷地の交易の拠点になっていた。現在は砂・砂利や石材の積出港、離島の奥尻島とのフェリー発着地、外来漁船の水揚港になっている。また、北海道内初の公共マリーナとなった「江差港マリーナ」は1989年(平成元年)に『第44回国民体育大会』(はまなす国体)ヨット競技の会場として使用したほか[2]、毎年9月には『江差カップヨットレース』を開催している。江差港マリーナに隣接して「開陽丸青少年センター」が立地しており[3]、復元した軍艦「開陽丸」は記念館になっているなど、レジャーや観光としても利用している。
市街地に隣接して港湾施設用地があり、「ひやま漁業協同組合」の関連施設(直売所、荷捌施設など)が立地しているほか、国道228号(日本海追分ソーランライン)沿いには第一管区海上保安本部の「江差海上保安署」、「江差追分会館・江差山車会館」、「江差町役場」などが立地している。
外郭施設
係留施設
フェリー航路
江差港は天然の良港として古くから交通の拠点になっていた[4]。1630年(寛永7年)に松前藩は福山、江差、箱館の3港に番所を設置し、交易を支配した[4]。当初の交易は近江商人が独占的に支配する状態であったが、場所請負制が導入されると経営能力に長けた商人に生産を請負わせるようになり、「北前船」が台頭した[4]。こうして、江戸時代から明治の初期まで江差港はヒノキアスナロの産地、ニシンの漁業基地、蝦夷地(北海道)を代表する商業港として発展した[5]。