『時の密室』(ときのみっしつ)は、芦辺拓による日本の推理小説作品。
「森江春策の事件簿シリーズ」の10作目(長編としては9作目)のミステリー。
1996年に発表された『時の誘拐』の姉妹編に当たる物語(但し、ストーリーは独立した全くの別物)。
世紀を隔てた3つの密室事件が主軸となっている。
明治9年(1876年)7月、大阪、川口外国人居留地。福井の三国から仕事の関係で、一時大阪へ帰ってきたお雇い外国人のエッセルは、貿易商のベームラーと間違われ、襲われた。
安治川橋を渡り、居留地内のどこかの洋館らしき建物に連れて来られたエッセルは、しかし、そこでベームラー本人の死体を目の当たりにする。その後、ベームラー商会から火の手が上がり、エッセルは救出されたものの、ベームラーの死体は跡形もなく消えていた。居留地の造り上、現場は大きな密室状態であることが判明する。
1970年夏、医大生の氷倉寛一は、高校時代の同級生・宇堂とその友人ら4人と夜遅くまで飲んでいた。宇堂に起こされ、時計を見ると午前1時半、2時から始まるラジオ番組「チャチャ・ヤング」をどうしても聞きたかった氷倉は、宇堂に見送られ安治川河底トンネルを通って帰途に着く。間もなく出口、というところで、つい先程まで一緒に飲んでいた仲間の一人の死体を発見する。そしてその直後、氷倉自身も何者かに後頭部を殴られ気絶してしまう。
彼の前にも後ろにも誰もいなかった、そして見送った宇堂以外の2人にはアリバイがあった。
そして、2001年。森江春策は、ある事件の身代金として、エッシャーの版画を運ばされることになった。犯人が受け渡し方法に指定してきたのは、水上バス・アクアライナー。近づくことも逃げることもできない水上の密室で、犯人はどのようにして身代金を奪うつもりなのか。
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