「悲しき願い 」(かなしきねがい、英語 : No One Is to Blame )は、イギリス のミュージシャン であるハワード・ジョーンズ が作詞作曲し、演奏した楽曲。オリジナルの録音は、ジョーンズの1985年のアルバム 『ドリーム・イントゥ・アクション (Dream into Action )』に収録されたが、1986年 に再録音され、シングル としてリリースされた。このシングルは、ジョーンズにとってアメリカ合衆国 における最大のヒット曲となり、チャートでも最高4位まで上昇した。シングルとされた1986年のバージョンは、「ハワード・ジョーンズ with フィル・コリンズ」とクレジットされている[ 3] 。
経緯
この曲のオリジナル・バージョンは、アルバム『ドリーム・イントゥ・アクション』に収録されている。このアルバムからいち早くシングル・カットされた楽曲が立て続けにヒットしたことを受け、この曲も、よりラジオ放送向きのサウンドを生むため再録音されることになり、フィル・コリンズ とヒュー・パジャム がプロデュース した再録音では、コリンズも参加して、彼自身のドラム演奏や独特な雰囲気を加えた[ 4] [ 5] 。この新しいバージョンは、1986年 にアメリカ合衆国 でリリースされたEP盤『Action Replay 』や、1986年のジョーンズのスタジオ・アルバム 『ワン・トゥ・ワン (One to One )』に収録された[ 6] 。
『悲しき願い』は、1986年3月にシングル としてリリースされた。この曲は米国では、ジョーンズにとって最大のヒット曲となり、Billboard Hot 100 で最高4位まで上昇した[ 4] 。 また米国では、(後に1989年 にチャートの首位に立った「エヴァーラスティング・ラヴ (Everlasting Love )」とともに)ジョーンズにとって2曲あるアダルト・コンテンポラリー・チャート (英語版 ) の首位に立った楽曲の最初の1曲となった[ 7] 。「悲しき願い」はオーストラリア のARIAチャート でもトップ10入りし、イギリス の全英シングルチャート でも最高16位に達した[ 8] 。日本 でもシングルがリリースされた[ 3] 。
2018年 、『ビルボード 』誌のモーガン・イーノス (Morgan Enos) は、「悲しき願い」について「夢のようで実存的な (dreamy, existential)」バラードであり「愛ではなく愛の欠如を扱っている (doesn’t quite deal with love, but with the lack thereof)」と述べた。イーノスはさらに、この曲が「共鳴するメッセージとメロディをもっている (had a message and melody that resonated)」とも述べた[ 9] 。この曲は「痛いほどの美しさ (aching beauty)」で[ 10] 、また、ジョーンズの「悲しげなリードボーカルとピアノ (plaintive lead vocals and piano)」によっても、知られている[ 11] 。
トラックリスト
7"
"No One Is to Blame" – 4:14
"The Chase" – 2:53
12"
"No One Is to Blame (Extended Mix)" – 5:16
"The Chase" – 2:53
"No One Is to Blame (The Long Mix)" – 3:07
チャート
週間チャート
年間チャート
パーソネル(1986年バージョン)
他のバージョン
ジョーンズは、1985年 に『The Old Grey Whistle Test 』に出演した際に、ソロでこの曲を演奏した[ 16] 。
ニールソン・ハバード (英語版 ) による「悲しき願い」の未公開バージョンは、2001年 に出たパラソル・レコード (英語版 ) のコンピレーション・アルバム 『Parasol's Sweet Sixteen, Volume 4 』に収録された[ 17] 。
レイチェル・セイジ (英語版 ) は、2018年 に、「悲しき願い」を録音している[ 9] 。
脚注
^ Peake, Steve. “Top Soft Rock Songs of the 1980s ”. LiveAbout . 2024年8月11日 閲覧。
^ 1985年のバージョンは、3分29秒だった。
^ a b 「RELEASE ジャパニーズ・シングル・コレクション -グレイテスト・ヒッツ- 」Spectrum Management Co.,Ltd.。2024年8月11日閲覧 。
^ a b Dean, Maury (2003). Rock N' Roll Gold Rush . Algora. pp. 180 , 453. ISBN 0-87586-207-1 . https://archive.org/details/rocknrollgoldrus00dean 2024年8月11日 閲覧。
^ “Single Stories: Howard Jones, "No One Is To Blame" ”. rhino.com (April 12, 2017). 2024年8月11日 閲覧。
^ One to One track listing Discogs.com. Retrieved 29 April 2009.
^ Hyatt, Wesley (1999). The Billboard Book of #1 Adult Contemporary Hits (Billboard Publications), page 307.
^ Official Charts Company info OfficialCharts.com. Retrieved 29 April 2009.
^ a b Enos, Morgan (March 29, 2018). “Rachael Sage Unveils Howard Jones-Approved Cover of ‘No One Is to Blame’: Exclusive Premiere ”. Billboard . 2024年8月11日 閲覧。
^ “Deluxe Edition of Howard Jones' 'One To One' Rolls Right Up From Cherry Red ”. theseconddisc.com (December 7, 2019). 2024年8月11日 閲覧。
^ Mason, Stewart. “No One Is to Blame - Howard Jones ”. AllMusic.com . September 12, 2023 閲覧。
^ Kent, David (1993). Australian Chart Book 1970–1992 (Illustrated ed.). St. Ives, N.S.W.: Australian Chart Book. p. 161. ISBN 0-646-11917-6 N.B. the Kent Report chart was licensed by ARIA between mid 1983 and 19 June 1988.
^ Lwin, Nanda (2000). Top 40 Hits: The Essential Chart Guide . Mississauga, Ont.: Music Data Canada. ISBN 1-896594-13-1
^ “National Top 100 Singles for 1986” . Kent Music Report (650). (December 1986). https://i.imgur.com/F7ais40.jpg January 24, 2023 閲覧。 .
^ “1986 The Year in Music & Video: Top Pop Singles”. Billboard 98 (52): Y-21. (December 27, 1986).
^ The Old Grey Whistle Test Vol. 3 (DVD). BBC Video. 2006.
^ “Various Artists: Parasol’s Sweet Sixteen Volume 4, PopMatters ”. PopMatters (November 27, 2001). 2024年8月11日 閲覧。
関連項目
外部リンク