恋することのもどかしさ

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恋することのもどかしさ
ポール・マッカートニー楽曲
収録アルバムマッカートニー
英語名Maybe I'm Amazed
リリース1970年4月17日
録音
ジャンルソフトロック[1]
時間3分51秒
レーベルアップル・レコード
作詞者ポール・マッカートニー
作曲者ポール・マッカートニー
プロデュースポール・マッカートニー
マッカートニー 収録曲
シンガロング・ジャンク
(B-4)
恋することのもどかしさ
(B-5)
クリーン・アクロア
(B-6)
ミュージックビデオ
「Maybe I'm Amazed」 - YouTube

恋することのもどかしさ」(こいすることのもどかしさ、原題 : Maybe I'm Amazed)は、ポール・マッカートニーの楽曲である。1970年に発売されたソロデビュー・アルバム『マッカートニー』に収録された。発売当初はシングル・カットされることはなかったが、1977年にライブ・アルバム『ウイングス・オーヴァー・アメリカ』からライブ音源がシングル・カットされた。このシングル盤は、Billboard Hot 100で最高位10位[2]全英シングルチャートで最高位28位を記録した[3]

1977年に発売されたシングル盤では「ハートのささやき」という邦題が使用され、一部の作品では原題に近い「メイビー・アイム・アメイズド」という邦題が使用されている[4]

ローリング・ストーン』誌が発表した「オールタイム・グレイテスト・ソング500」では第347位にランクインしている[5]

背景

「恋することのもどかしさ」は、マッカートニーが1969年に書いた楽曲で[6]、妻のリンダへの愛を歌ったロック・バラードとなっている[7]。楽曲についてマッカートニーは、「リンダと知り合って間もない頃に、ロンドンでピアノを使って書いた曲。自然に出てきた曲の1つで、とても特別なもの」と語っている[8]

1970年2月22日にEMIレコーディング・スタジオのスタジオ2でレコーディングが行なわれ、同日に「エヴリナイト」のレコーディングも行われた[9]。マッカートニーは、ボーカルピアノオルガンベースギタードラムのすべての楽器の演奏を担当した[10]。また、バッキング・ボーカルでリンダも参加している[11]。レコーディングについて、マッカートニーは「やっていて楽しかったし、歌っていても楽しかった」と語っている[8]

リンダが撮影した写真が使用されたミュージック・ビデオが制作されており、1970年4月19日に放送された『エド・サリヴァン・ショー』で披露された[12][10]。2020年4月17日にはYouTubeでHDリマスターされたミュージック・ビデオが公開された[13]

評価

2004年に『ローリング・ストーン』誌が発表した「オールタイム・グレイテスト・ソング500」では第347位にランクインしている[5]

『ローリング・ストーン』誌のラングドン・ウィナーは、アルバム『マッカートニー』発売当時のレビューで、本作について「とてもパワフルな曲」「レコードの主要なサブテーマの1つは、ひどい孤独な苦しみは愛によって払拭できるということ」と評している[14]。『ピッチフォーク』のジョー・タンガリは、「ジャンク」や「シンガロング・ジャンク」と共に、「マッカートニーの“最高点”」の1つとして挙げている[15]

ライブ・バージョン

「ハートのささやき」
ポール・マッカートニー&ウイングスシングル
初出アルバム『ウイングス・オーヴァー・アメリカ
B面 ソイリー
リリース
規格
録音 1976年5月29日
ジャンル ソフトロック
時間
レーベル
作詞・作曲 ポール・マッカートニー
プロデュース ポール・マッカートニー
チャート最高順位
後述を参照
ポール・マッカートニー&ウイングス シングル 年表
  • ハートのささやき b/w ソイリー
  • (1977年)
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1976年5月から6月にかけて行われた北米ツアーの模様を収め、12月に発売されたライヴ・アルバム『ウイングス・オーヴァー・アメリカ』に、同年5月29日のカンザスシティケンパーアリーナ英語版公演からのライブ音源が収録された。1977年2月4日にシングル・カットされると、アメリカのビルボード誌では4月2日に最高位第10位[2]に到達、全英シングルチャートでは最高位第28位を記録した[3]

なお、日本盤アルバムでは「メイビー・アイム・アメイズド」、シングルでは「ハートのささやき」という邦題が使用されている。

1981年に公開された記録映画『ロックショウ英語版』にもライヴ映像が収録されているが、こちらは5月25日のニューヨークマディソン・スクエア・ガーデン公演での演奏である。

B面に収録の「ソイリー英語版」は、1976年6月7日のデンバーマクニコルズ・スポーツ・アリーナ英語版公演からのライブ音源。ウイングスの初期ツアーから演奏され続けてきたロック・ナンバーである。

シングル盤収録曲

7インチシングル
#タイトル作詞・作曲時間
1.「ハートのささやき」(Maybe I'm Amazed)ポール・マッカートニー
2.「ソイリー」(Soily)
合計時間:
12インチUSプロモーション盤、2013年 レコード・ストア・デイ EP
全作詞・作曲: ポール・マッカートニー。
#タイトル作詞作曲・編曲時間
1.Maybe I'm Amazed (Short Version) (Mono)ポール・マッカートニーポール・マッカートニー
2.Maybe I'm Amazed (Album Version) (Mono)ポール・マッカートニーポール・マッカートニー
3.Maybe I'm Amazed (Short Version) (Stereo)ポール・マッカートニーポール・マッカートニー
4.Maybe I'm Amazed (Album Version) (Stereo)ポール・マッカートニーポール・マッカートニー
合計時間:

チャート成績

週間チャート

チャート (1977年) 最高位
Canada Top Singles (RPM)[16] 9
UK シングルス (OCC)[3] 28
US Billboard Hot 100[2] 10
US Cash Box Top 100[17] 10

年間チャート

チャート (1977年) 順位
Canada Top Singles (RPM)[18] 96
US Cash Box [19] 94

クレジット

スタジオ音源[11]
ライブ音源(1976年)[20]

カバー・バージョン

脚注

出典

  1. ^ Sendejas Jr., Jesse (2014年8月7日). “The '70s' Seven Sexiest Soft-Rock Songs”. Houston Press. http://www.houstonpress.com/music/the-70s-seven-sexiest-soft-rock-songs-6499487 2021年3月4日閲覧。 
  2. ^ a b c The Hot 100 Chart”. Billboard (1977年4月2日). 2021年3月4日閲覧。
  3. ^ a b c "Official Singles Chart Top 100". UK Singles Chart. 2021年3月4日閲覧。
  4. ^ ピュア・マッカートニー〜オール・タイム・ベスト - ポール・マッカートニー”. UNIVERSAL MUSIC JAPAN. 2021年3月4日閲覧。
  5. ^ a b 347. Paul McCartney, 'Maybe I'm Amazed'”. 500 Greatest Songs of All Time. Rolling Stone (2011年4月7日). 2021年3月4日閲覧。
  6. ^ Dimery, Robert (2011) [2005]. 1001 Songs: You Must Hear Before You Die. Octopus. p. 742. ISBN 1-8440-3717-7 
  7. ^ Sullivan, Steve (2017). Encyclopedia of Great Popular Song Recordings. 3. Rowman & Littlefield Pub Inc. p. 458. ISBN 1-4422-5448-3 
  8. ^ a b Badman 2009, p. 19.
  9. ^ Davies, Hunter (2017). The Beatles Book. Ebury Press. p. 937. ISBN 978-0091958619 
  10. ^ a b Womack, Kenneth (2014). THe Beatles Encyclopedia: Everything Fab Four. Greenwood Pub Group. p. 615. ISBN 0-3133-9171-8 
  11. ^ a b Blaney 2007, p. 31.
  12. ^ Miles, Barry; Badman, Keith (2001). The Beatles Diary After the Break-Up: 1970-2001 (reprint ed.). London: Music Sales Group. ISBN 978-0-7119-8307-6 
  13. ^ ポール・マッカートニー"Maybe I'm Amazed"50周年記念でMVがHDで公開”. uDiscover. UNIVERSAL USIC JAPAN (2020年4月20日). 2021年3月4日閲覧。
  14. ^ Winner, Langdon (1970年5月14日). “McCartney”. Rolling Stone. 2021年3月4日閲覧。
  15. ^ Tangari, Joe. “Paul McCartney: McCartney / McCartney II Album Review”. Pitchfork. 2021年3月4日閲覧。
  16. ^ Top RPM Singles: Issue 2993”. RPM. Library and Archives Canada. 2021年10月30日閲覧。
  17. ^ Cash Box Top 100 Singles, April 2, 1977”. 2018年10月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年3月4日閲覧。
  18. ^ Top 200 singles of '77”. RPM. Library and Archives Canada. 2021年10月30日閲覧。
  19. ^ Cash Box Year-End Charts: Top 100 Pop Singles, December 31, 1977”. 2018年10月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年1月17日閲覧。
  20. ^ Evans 2021, p. 12.
  21. ^ Erlewine, Stephen Thomas. “Long Player - Faces | Songs, Reviews, Credits”. AllMusic. All Media Group. 2021年3月4日閲覧。
  22. ^ Ruhlmann, William. Heart & Soul - Joe Cocker | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2021年3月4日閲覧。
  23. ^ “スティーヴン・タイラー、ポール・マッカートニーからザ・ビートルズのパフォーマンスを頼まれる”. BARKS (ジャパンミュージックネットワーク株式会社). (2010年12月7日). https://www.barks.jp/news/?id=1000066250 2021年3月4日閲覧。 
  24. ^ Erlewine, Stephen Thomas. “The Art of McCartney - Various Artists | Songs, Reviews, Credits”. AllMusic. All Media Group. 2021年3月4日閲覧。

参考文献

  • Badman, Keith (2009). The Beatles: Off The Record 2 - The Dream is Over. Omnibus Press. ISBN 0-8571-2102-2 
  • Blaney, John (2007). Lennon And McCartney, Together Alone: A Critical Discography. Jawbone Press. ISBN 1-9060-0202-9 
  • Evans, Mike (2021). Paul McCartney: The Stories Behind 50 Classic Songs, 1970-2020. Welbeck Publishing. ISBN 1-7873-9962-1 

外部リンク

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