平岡 篤頼(ひらおか とくよし、1929年5月2日 - 2005年5月18日)は、日本の仏文学者・文芸評論家・作家。早稲田大学名誉教授。
生涯
1929年(昭和4年)大阪市生まれ。1952年(昭和27年)早稲田大学文学部仏文科卒業。1961年(昭和36年)大学院文学研究科仏文学専攻博士課程満期退学。1957年から1960年パリ大学に学び、1962年(昭和37年)早稲田大学文学部講師、1965年(昭和40年)助教授、1970年(昭和45年)教授、2000年(平成12年)定年、名誉教授[1]。
アラン・ロブ=グリエ、クロード・シモン、マルグリット・デュラス等、ヌーヴォー・ロマンの翻訳で知られているが、バルザックやメリメ等も翻訳し、小説も書くなど、幅広い活動をおこなった。
1968年にクロード・シモン著「フランドルへの道」の翻訳で渋沢・クローデル賞を受賞。日本文学評論「変容と試行」などを著し、1982年の「消えた煙突」と1983年の「赤い罌粟の花」で2度芥川賞候補となる。早稲田大学文芸専修の創設や「早稲田文学」刊行、「早稲田文学新人賞」発展にも尽力した。平岡のもとで学んだ教え子には、栗本薫、重松清、堀江敏幸、小川洋子、角田光代、勝谷誠彦らがいる。
2005年5月18日、虚血性心疾患のため死去。76歳[2]。
没後、遺族による寄付を基に「早稲田文学」で「剣玉基金」が設置された。
著書
- 『パリふたたび』(小沢書店) 1973
- 『変容と試行』(河出書房新社) 1973
- 『迷路の小説論』(河出書房新社) 1974
- 『文学の動機』(河出書房新社) 1979
- 『消えた煙突』(福武書店) 1982
- 『薔薇を喰う』(福武書店) 1985
- 『パリその日その日』(筑摩書房) 1990
- 『赤い罌粟の花』(小沢書店) 2000
- 『記号の霙 井伏鱒二から小沼丹まで』(早稲田文学会) 2008
共編著
- 『フランス文学辞典』(土居寛之,山田爵共編、言潮社) 1963
- 『速修フランス語20課』(桜井成夫共編、第三書房) 1963
翻訳
バルザック
アラン・ロブ=グリエ
- 『迷路のなかで』(ロブ=グリエ、新潮社、現代フランス文学13人集) 1965、講談社文芸文庫 1998
- 『新しい小説のために』(ロブ=グリエ、新潮社) 1967
- 『未来の小説への道』(ロブ=グリエ、第三書房) 1967
- 『ニューヨーク革命計画』(アラン・ロブ=グリエ、新潮社) 1972
- 『快楽の漸進的横滑り』(アラン・ロブ=グリエ、新潮社) 1977
- 『弑逆者』(アラン・ロブ=グリエ、白水社) 1991、新版2023
- 『反復』(アラン・ロブ=グリエ、白水社) 2004、新版2018
クロード・シモン
- 『フランドルへの道』(クロード・シモン、白水社) 1966
- 『ル・パラス』(クロード・シモン、集英社、世界文学全集) 1968
- 『盲いたるオリオン』(クロード・シモン、新潮社) 1976
- 『三枚つづきの絵』(クロード・シモン、白水社) 1980
- 『アカシア』(クロード・シモン、白水社) 1995
- 『路面電車』(クロード・シモン、白水社) 2003
脚注
外部リンク