『小悪魔はなぜモテる?!』(原題: Easy A)は、ウィル・グラック監督、バート・V・ロイヤル脚本、エマ・ストーン主演による2010年の青春コメディ映画である。脚本の一部は小説『緋文字』の影響を受けている。北アメリカでは2010年9月17日にスクリーン・ジェムズの配給で公開され、12月21日にはDVDとBlu-ray Discが発売された[3][4][5][6]。
あらすじ
キャスト
製作
脚本のバート・V・ロイヤルは、5日間で最後の10ページを除く全体の脚本を書いたと主張している[7]。
ロイヤルの計画は、3つの古典的作品を映画化し、それらを同じ高校を舞台とすることで何名かのキャラクターを複数回登場させるというものであった。ロイヤルは最終的に本作のソースとなった『緋文字』の他には、『シラノ・ド・ベルジュラック』と『エドウィン・ドルードの謎』の翻案をやりたいと考えていた[7]。
本作中でジョークとして使われた楽曲「Pocketful of Sunshine」は、ロイヤルの元々の脚本には無かった。彼は、オリーブの週末のモンタージュ(歌を紹介する)の間に再生する曲には、ケン・ノーディンの1966年のアルバム『コーラス』のトラックである「オリーヴ」を想定していた[7]。
グラックの好きな作品は『フェリスはある朝突然に』であり、本作はそれや他のジョン・ヒューズ作品のへのオマージュが含まれる[8]。
ロイヤルによると、彼の元々の脚本には「ファック」という単語が47回登場し、R指定映画として書かれていたが、結局それらは最終的に全てカットされた。撮影の段階でグラックは「ファック」が登場するものとそうでないものの2パターンを撮っていた[7]。結果、映画は北アメリカではPG-13指定、イギリスでは15指定となった[9]。
映画は全て、カリフォルニア州オーハイで撮影された。セットは一切使用されず、家屋は実際の住居が使われた。映画で「オーハイ・ノース・ハイ・スクール」として使用された学校はオーハイのノルトホフ・ハイスクールである。
公開
ワールド・プレミアはトロント国際映画祭で行われた[10]。
ホーム・メディア
アメリカでは2010年12月21日にDVDとBlu-ray Discが発売された[3]。DVDには、エマ・ストーンのオーディション映像、グレッグ監督とストーンによるオーディオコメンタリーが収録された。またBlu-rayには特典としてメイキングなどが収録された。
評価
興行収入
2010年9月17日に北米2856館で公開され、初日に678万7163ドル、初週末3日間で1773万4040ドルを売り上げ、同週公開の『ザ・タウン』に次いで初登場2位だった。これは、ソニーが期待していた1500万ドルを上回る成績であった[1]。2011年11月11日までに北米で5840万1464ドル、その他で1655万841ドル、全世界で7495万2305ドルの興行収入となっている[2]。
批評家の反応
本作は評論家からは概ね好評を得ており、ストーンの演技は賞賛された。Rotten Tomatoesでは174件のレビュー中、支持率は87%で、平均点は10点満点で7.1点となった[11]。Metacriticは35件のレビューでポディシブなものが32件、どちらともいえないものが3件であり、平均点は100点満点で72点となった[12]。
『シカゴ・サンタイムズ』の映画評論家のロジャー・イーバートは4つ星満点で3つ星半を与えた[13]。また、Us Weeklyのジョン・グリフィスは4つ星満点で2つ星半を与え、「ハスキーボイスで燃えるような色の髪のストーンは、昔のリンジー・ローハンのようで壮観だ」と褒めたが、その後「ストーリーは薄く、笑いの要素はわずかだ」と続けた[14]。
受賞歴
サウンドトラック
サウンドトラックは2010年9月14日にiTunesで発売された。それにはプッシーキャット・ドールズ、ワンリパブリック、レンカ、ナターシャ・ベディングフィールド、カーディナル・オフィシャル、ザ・ドリーロッツ、デス・キャブ・フォー・キューティー、ジェシー・Jが収録されている[25]。
また、エマ・ストーンはエディ・フロイドの「ノック・オン・ウッド」を歌う。
参考文献
- ^ a b Fritz, Ben (2010年9月16日). “Movie projector: 'Easy A' expected to lead 'The Town,' 'Devil,' 'Alpha and Omega'”. Los Angeles Times (Tribune Company). http://latimesblogs.latimes.com/entertainmentnewsbuzz/2010/09/movie-projector-easy-a-expected-to-lead-the-town-devil-alpha-and-omega.html 2010年9月16日閲覧。
- ^ a b “Easy A (2010)”. Box Office Mojo. Amazon.com. 2011年11月11日閲覧。
- ^ a b “'Easy A' DVD Release Date Announced”. BuzzFocus. 2010年11月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年11月23日閲覧。
- ^ Michael Fleming (2009年6月3日). “Cast penciled in for 'Easy A'”. Variety. http://www.variety.com/article/VR1118004501.html 2009年7月18日閲覧。
- ^ Kroll, Justin (2009年6月16日). “Johanna Braddy”. Variety. http://www.variety.com/article/VR1118005024.html 2009年10月21日閲覧。
- ^ Staff (2009年3月29日). “Emma Stone earns an 'Easy A'”. HitFlix. 2009年11月11日閲覧。
- ^ a b c d “Bert V. Royal Interview with Creative Screenwriting Magazine Podcast, Sept. 14, 2010”. Creativescreenwritingmagazine.blogspot.com. 2011年10月4日閲覧。
- ^ Clark, Krystal (2010年10月14日). “Interview: Director Will Gluck for Easy A”. ScreenCrave. http://screencrave.com/2010-09-14/interview-director-will-gluck-for-easy-a/ 2011年3月1日閲覧。
- ^ “EASY A rated 15 by the BBFC”. Bbfc.co.uk (2010年8月12日). 2011年10月4日閲覧。[リンク切れ]
- ^
Corliss, Richard (2010年9月17日). “Easy A: We ♥ Emma Stone”. Time. http://www.time.com/time/arts/article/0,8599,2020024,00.html
- ^ “Easy A Film Reviews at rottentomatoes.com”. Rotten Tomatoes. Flixster. 2011年11月11日閲覧。
- ^ “Easy A Film Reviews at Metacritic.com”. Metacritic. CBS Interactive. 2011年11月11日閲覧。
- ^ Roger Ebert (2010年9月15日). “Review: "Easy A"”. Chicago Sun-Times. http://rogerebert.suntimes.com/apps/pbcs.dll/article?AID=/20100915/REVIEWS/100919992
- ^ US Weekly - Issue 829 - Dated January 3, 2011.
- ^ “Nominations and Winners - 2010”. Hollywood Foreign Press Association. 2011年11月11日閲覧。
- ^ “The Comedy Awards 2011 Nominees”. The Comedy Awards. 2011年11月11日閲覧。
- ^ “People's Choice Awards 2011 Nominees”. ピープルズ・チョイス・アワード. 2011年11月11日閲覧。
- ^ “Broadcast Film Critics Association Awards Nominees”. Broadcast Film Critics Association (2010年12月13日). 2010年12月13日閲覧。
- ^ “Best Female Performance”. MTVムービー・アワード. 2011年11月11日閲覧。
- ^ “Best Comedic Performance”. MTVムービー・アワード. 2011年11月11日閲覧。
- ^ “Best Line from a Movie”. MTVムービー・アワード. 2011年11月11日閲覧。
- ^ “Teen Choice Awards 2011: The Winners”. Elena Gorgan. 2011年8月8日閲覧。
- ^ “Teen Choice Awards 2010: Second (Giant) Wave Of Nominees Announced!”. 2011年8月15日閲覧。
- ^ “Best Comedy”. Empireonline.com. Bauer Consumer Media (2011年). 2011年9月22日閲覧。
- ^ “Easy A (2010) - Soundtracks” (英語). インターネット・ムービー・データベース. 2011年11月11日閲覧。
外部リンク