宮本 隆司(みやもと りゅうじ、1947年4月24日[1] - )は、日本の写真家。東京都世田谷区生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業[2]。
建築雑誌『都市住宅』の臨時編集部員を経て『住宅建築』創刊時の編集部員となり、1975年に写真家として独立[2]。
1986年、都市の変容、崩壊の光景を独自の視線で撮影した個展『建築の黙示録』(ヒルサイドギャラリー)を開催[2]。1988年、香港の高層スラムを撮影した個展(INAXギャラリー)作品集『九龍城砦』で高い評価を受ける[2]。1989年、第14回木村伊兵衛写真賞を受賞[2]。
1995年、阪神・淡路大震災直後の神戸を撮影。1996年、第6回ヴェネツィア・ビエンナーレ建築展、コミッショナー・磯崎新、建築家・石山修武、宮本佳明と日本パヴィリオンに共同展示して金獅子賞を受賞[2]。2004年、個展『宮本隆司写真展‐壊れゆくもの・生まれいずるもの』(世田谷美術館)開催[2]。2005年、第55回芸術選奨文部科学大臣賞を受賞[2]。2012年、紫綬褒章受章[2][3]。
2014年、『徳之島アートプロジェクト2014』(鹿児島県・徳之島)を企画・運営するとともに、ディレクター、作家として参加した。2019年、個展『宮本隆司 いまだ見えざるところ』(東京都写真美術館)を開催。
1990年代以降、廃墟(もしくは廃墟のようになった都市風景)撮影のキャリアを深化させていく一方で、建築物の建設過程も題材とするようになった。また、ホームレスのダンボール製の小屋を撮影した「ダンボールの家」や、全体をピンホールカメラに改造した移動可能な小屋で各地を撮影した「ピンホールの家」の実験的なプロジェクトも行っている。