宝仙寺(ほうせんじ)は、東京都中野区中央二丁目にある真言宗豊山派の寺院。
中野区でも屈指の広大な寺院で、千年近くの歴史を誇る古刹である。山号は明王山(みょうおうざん)。戦前は当時の中野町役場も置かれていた。また、著名人の葬儀・告別式も多く執り行われることでも有名な寺院である。また、節分の僧兵行列も趣き深い。
歴史
『武州多摩郡中野明王山聖無動院宝仙寺縁起』によると源義家によって創建された[3]。後三年の役の際に護持していた不動明王像を安置するために建立されたといわれ[3]、創建時は現在の杉並区・阿佐ヶ谷にあった[4][注釈 1]。
また宝仙寺は、同じ杉並区の大宮八幡宮の別当寺となった。本尊は鎌倉時代には秘仏になった。室町時代に阿佐ヶ谷から当地に移転した[4][注釈 2]。
江戸時代には、優れた僧を出し、歴代の将軍から厚い保護を受け発展した。また、当寺院の僧侶が将軍の御前論議に参加することもあった。また将軍家が鷹狩りに出た際の休憩所としても利用された[3]。
1906年(明治39年)に中野町役場が境内に建設され、1932年(昭和7年)10月の中野区発足により初代・中野区役所として継続利用された[5]。その後、区役所は1936年(昭和11年)に中野2丁目27番1号(現在の中野郵便局の地)に移転した[5]。
太平洋戦争中の1945年(昭和20年)に戦禍により大伽藍を焼失した[3]。戦後再建され、三重塔や本堂を見ることができる。
施設・史跡
ギャラリー
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本堂
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三重塔跡の記念碑
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『江戸名所図会』掲載の三重塔
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アクセス
- 〒164-0011 東京都中野区中央2-33-3
- 丸ノ内線・大江戸線「中野坂上駅」2番出口より徒歩5分
- 都営バス「宝仙寺前」より徒歩1分
- 拝観は日中の時間帯のみ無料。
- 駐車施設:60台収容(葬儀利用のみ)
関連団体
出典
注釈
- ^ 寺領は青梅街道付近から現在の阿佐ケ谷駅付近にまで及んだという。また宝仙寺の名の由来は、源義家が寺を創建しているときに稲荷明神が現れ、『この珠は、希世の珍、宝中の仙である。これを以て鎮となさば則ち武運長久、法灯永く明らかならん。』と言い義家に珠を与えて去っていったことに由来するという。
- ^ 移転より、阿佐ヶ谷の地には地元の村民のために子寺として世尊院が建てられ現在に至っている。
- ^ 当初は、現在の中野区立中野東中学校(旧・第十中学校)の辺りに建てられていた。
出典
参考文献
外部リンク
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