宗玄酒造株式会社(そうげんしゅぞう、英語: Sogen Sake Brewery Co., Ltd.)は、石川県珠洲市宝立町宗玄に所在する日本酒メーカー(蔵元)。
創業一族は能登国守護であった能登畠山氏の一族、畠山義春の末裔である。天正5年(1577年)、七尾城主を務めていた義春は上杉謙信の城攻めに遭い、一族とともに珠洲に逃れて宗玄と改称し、明和5年(1768年)に酒蔵を興した。
小仕込み、低温発酵、奥能登軟水仕込み、使用する酒米の品種厳選を特長としている。酒造りには能登杜氏が従事しており、現在は坂口幸夫が杜氏を務めている。坂口は能登杜氏四天王と呼ばれた波瀬正吉にも師事していた。
2011年(平成23年)3月11日の東日本大震災後、のと鉄道能登線の廃止区間にある旧恋路駅に近い宗玄隧道(宗玄トンネル、約130メートル)を買い取り、中央部の80メートルを津波に備えた製品保護と味の熟成のため、酒蔵として活用している。宗玄の酒を6本以上購入してオーナーとなり管理費を払えば、一般客も酒を預けることができる[4]。
旧恋路駅はそのロマンチックな名称ゆえに廃線後も観光客が多いことから、宗玄酒造はトンネルと旧恋路駅間の約300メートルに線路を再敷設して、2013年(平成25年)4月1日から奥能登トロッコ鉄道(愛称「のトロ」)と呼ばれるトロッコ(軌道自転車)を走らせている[5]。
全国新酒鑑評会で計19回の金賞を受賞している。2012年(平成24年)9月から2013年(平成25年)2月の間、ANA国際線ファーストクラス乗客用の酒としても採用された。