安南将棋(あんなんしょうぎ)は、変則将棋の一種。大正15年ごろ、本将棋をもとに鈴木信太郎によって考案された。[1][2][3]
通常の配置から角行と飛車の前(先手・後手とも、2筋と8筋)の歩兵を1マスずつ進めた状態で開始する。そして味方の駒同士が縦に隣接した場合、前の駒は後ろの駒の動きに変化する[4]。例えば、初期配置の状態では飛車と角行は桂馬の動きに変わり、本来の動きはできない。初期配置が通常の将棋と同じルールもあり[5]、このルールでは先手が初手に▲2三歩成と成り込むことができる(飛車の頭の歩兵が飛車の働きをするため)。
前の駒が本来の動きもできるとする変則ルールを天竺将棋とも言う[6](天竺大将棋とは異なる)。
安南将棋とは逆に、味方の駒同士が縦に隣接した場合、後ろの駒が前の駒の動きに変化する将棋を安北将棋(あんほくしょうぎ)という[要出典]。安北将棋の初期配置は通常の将棋と同じなので、初期配置の状態では飛車と角行は動けない。また、駒の動き以外の特殊なルールとして「二歩がない」(駒を動かした結果二歩になる手を禁手とするルールもある)、「桂馬を上から一、二段目に、香車、歩兵を一段目に打つ、または不成で進むことができる」等が挙げられる[要出典]。