太魯閣号 (タロコごう)は、中華民国 の台湾鉄路管理局 (台鉄)の電車 自強号 (日本の鉄道 における特急 に相当する)の愛称。正式名称は太魯閣自強号列車 (繁体字中国語 : 太魯閣自強號列車 )、公式名称は台湾鉄路管理局TEMU1000型電車 。
運行概況
当初は台湾初の振り子式車輌である事から「乗り物酔いするのでは」という懸念があったが、運行開始以後は快適性と速達性で、高い利用率を誇っている。今後は「台鉄捷運化 」の推進に伴い、西部幹線への運用拡大が期待されている。
使用車両 : TEMU1000型 振り子式電車
運行区間 : 彰化 - 台北 - 台東 ・知本 間。
適用運賃 : 自強号 に準じている。
全車指定席(当日分販売を除いて立席乗車不可 、悠遊カード 等ICカード、定期券 による乗車不可)。指定券を持たずに乗車した場合、不正乗車 として、正規運賃のほかに50%追徴金が課される。
運行開始以来、春節などの多客輸送期を除いて長らく定員乗車の原則を維持していたが、2019年5月2日より1列車120枚限定で当日売りの無座票(立席券)を販売することになった。当初は駅窓口、その後駅の自動券売機および公式アプリも対応させる[ 1] 。ICでの無座利用は引き続き不可。
名称
列車名称は伝統的な自強 、莒光 、復興 といった政治的な命名を採用せず、一般公募によって選定された。一般公募では「曙光/AURORA」、「飛魚/FLYING FISH EXPRESS」なども有力視されたが、2006年 1月17日 に正式に元培科技大学 の学生が命名した「タロコ/TAROKO」が選ばれた。理由は沿線の有名なタロコ国家公園 の英語 と、原住民語の「Taroko 」を採用し、中国語 や台湾語 、客家語 のみならず、英語や日本語 での表記が容易である点が評価された。
しかし、結局台鉄は太魯閣号を独立の車両名称を認めず、「自強号太魯閣列車」(自強号タロコ型電車)として正式に公表した。時刻表には太魯閣号も「自強号」として表記され、太魯閣号のマークのみ付く形となる。なお、乗車券には「太魯閣 Taroko Exp」と記載されるが、一部の駅電光案内では「タロコ号」の表示は無く、「自強号」としてのみ表示されている。日本製電車ということもあって、日本人観光客の間でもその存在が知られており、そのため、有名な観光地である「九份 」へ行く日本人が誤乗する例が後を絶たず(タロコ列車は、九份 最寄り駅の瑞芳駅 を通過する列車が多い)、駅において日本語 アナウンスが行われている。
JR九州885系列車との関連
太魯閣号で使用されるTEMU1000型 の車両構造はJR九州の885系 「白いかもめ・ソニック」を基本としており、885系と同じく日立製作所により開発・製造されている。この車両は台湾初の振り子式電車であり、当初導入された区間(台北 - 花蓮間)で所要時間を3割程度短縮した[ 4] 。
北廻線太魯閣号脱線事故
脚注
関連項目