大瀧神社・岡太神社(おおたきじんじゃ・おかもとじんじゃ)は、福井県越前市大滝町にある神社である。上宮(奥の院)には大瀧・岡太両神社の本殿が並んで建つが、下宮(里宮)の本殿・拝殿は両神社の共有となっていることから、2つの神社の名前が併記される。国の重要文化財指定名称は「大滝神社」である。
歴史
伝承によれば、養老3年(719年)、この地を訪れた泰澄が、国常立尊(くにとこたちのみこと)・伊弉諾尊(いざなぎのみこと)を主祭神とし、十一面観世音菩薩を本地とする神仏習合の社を創建し、大瀧兒(おおちご)権現を建立したという。後に明治時代の神仏分離令により、現在の大瀧神社となった[1]。
岡太神社については、約1,500年前、大滝町の岡本川上流に美しい姫が現れ、村人に紙漉きの技術を伝えたのが始まりとされている。この伝説の姫『川上御前』を、和紙の神様・紙祖神(しそじん)として祀ったのが岡太神社である[1]。延元2年(1337年)の足利軍の兵火で社殿が失われ、岡太神社の祭神を大瀧神社の相殿に祭った。さらに天正3年(1575年)、織田信長の一向一揆攻略の際、大瀧寺一山が兵火に遭い消失。再建時に大瀧神社の摂社として境内に祀られるようになった。
大正12年(1923年)、大蔵省印刷局抄紙部に川上御前の分霊が奉祀され、岡太神社は名実共に全国紙業界の総鎮守となった。
文化財
重要文化財(国指定)
- 天保14年(1843年)建立、昭和59年(1984年)重要文化財に指定。
- 拝殿(入母屋造妻入)と本殿(大型の一間社流造)が一体となった複合社殿。
- 大久保勘左衛門(代表作は曹洞宗本山永平寺の勅使門)棟梁による、複雑な曲面を持つ積層した屋根が特徴。
県指定天然記念物
- 昭和39年6月5日指定。ゼンマイのとれる頃に花が満開となる、エドヒガンの大木。
- 昭和39年6月5日指定。通称「おお杉さん」。神社の神木としてしめ縄がかけられ、柵で囲み保護されている。
- 昭和61年3月28日指定。権現山(標高326m)山頂付近のブナの原生自然林。
市指定文化財
すべて昭和61年8月12日に指定。
- 大滝神社奥の院本殿
- 奥の院岡太神社本殿
- 木造十一面観音坐像
- 観音堂に安置。
交通
関連項目
脚注
外部リンク