塔世橋(とうせばし)は、三重県津市の安濃川に架かる国道23号(伊勢街道)の橋である。朝夕を中心に渋滞が発生する[1]。この橋より北側を橋北地区、南側を橋内地区と呼ぶ[2]。
最初の橋は江戸時代に土橋として架けられ、10 - 15年周期で架け替えられていた[3]。1878年(明治11年)に板橋となる[1]。旧橋は1934年(昭和9年)12月に国道の経路変更によってコンクリート製、延長90.3m・幅員18mの橋として架橋され、翌1935年(昭和10年)に安濃川の拡幅により橋も延長された[3]。現在の橋は1992年(平成4年)に架け替えられた[4]が、架け替え前の欄干は戦災(津空襲)の傷跡を残す津市内では数少ない文化財であり、架け替えに際し一部が移設保存された[5]。
概要
沿線風景
北側の県庁前交差点を過ぎ、北側からアプローチの坂を上ると、右側遠くに三重県警察本部が見え、左側に安濃川が見える。南詰交差点以南は幅員50mの8車線道路になる。
旧橋の被弾欄干
旧橋は花崗岩製の欄干に1945年(昭和20年)6月26日と7月24日の空襲で無数の弾痕が付き、爆撃のすさまじさを刻んでいた[5]。塔世橋が架け替えられる際、市民の間から欄干の保存運動が起き、橋の南西部、三重県市町村会館前に一部が移設された[6]。横には説明板も設置され、現存する数少ない津市の戦争遺跡として保存されている[7]。
脚注
- ^ a b 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編(1983):730ページ
- ^ “散策 橋北・橋内・橋南地区”. 2014年4月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年4月6日閲覧。
- ^ a b 西田(1969):587 - 588ページ
- ^ “(24)塔世橋”. 三重ふるさと新聞 (2013年10月3日). 2014年4月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年4月6日閲覧。
- ^ a b 三重県歴史教育者協議会 編(2006):85ページ
- ^ 三重県歴史教育者協議会 編(2006):85 - 86ページ
- ^ 三重県歴史教育者協議会 編(2006):86ページ
参考文献
- 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典 24三重県』角川書店、昭和58年6月8日、1643p.
- 西田重嗣『津市史 第五巻』津市役所、昭和44年3月15日、808p.
- 三重県歴史教育者協議会 編『三重の戦争遺跡 増補改訂版』つむぎ出版、2006年8月15日、314p. ISBN 4-87668-151-1
関連項目
外部リンク
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