坂井 音重(さかい おとしげ、1939年(昭和14年)11月6日 - 2024年(令和6年)3月27日)は、シテ方観世流坂井職分家当主の能楽師、重要無形文化財「能楽」の保持者(総合認定)。 白翔會(坂井音重助成会)主宰。元社団法人能楽協会常務理事東京支部長。
観世宗家一門の重鎮で堅実な芸風で知られた観世流シテ方坂井音次郎(元・社団法人能楽協会理事長)の嗣子として東京都に生まれる。3歳で初舞台仕舞『老松』(おいまつ)を演じ、8歳で初シテ能『経正』(つねまさ)を務める。二十五世観世左近に師事。
幼稚舎から慶應義塾に通い、1964年に慶應義塾大学法学部政治学科を卒業後[1]、活躍の場を日本国内に留めず世界主要都市で演能。特に、FEC民間外交推進協会・日露文化経済委員会委員として日露間の文化交流に尽力。2008年に高村正彦外務大臣より、個人表彰及び銀杯を賜る[2]。2010年12月には、ロシア連邦・ドミートリー・メドヴェージェフ大統領より、ロシア連邦友好勲章を授与される。
1986年白翔會(坂井音重助成会)が発足、以後社団法人能楽協会常務理事、財団法人野村文華財団評議員。昭和11年(1936年)に創立された慶應義塾の学生による能楽サークル慶應観世会の指導も行っている。
2024年3月27日、特発性間質性肺炎のため死去[3]。84歳没。