『剣闘士の入場 』(けんとうしのにゅうじょう、チェコ語 : Vjezd gladiátorů 、ドイツ語 : Einzug der Gladiatoren 、英語 : Entrance of the Gladiators またはEntry of the Gladiators )作品68 は、チェコ の作曲家ユリウス・フチーク が1897年 に作曲した吹奏楽 のための行進曲 。『剣士の入場 』と表記される場合もある。
楽曲解説
古代ローマ の剣闘士 (イメージ)
ユリウス・フチーク
半音階 が多用されており、元々フチークは『半音階的大行進曲 』といった題名を想定していたが、彼が皇帝ネロ の時代のローマ帝国 に興味を持ち剣闘士 が競技場に入場する場面をイメージした音楽である。そして、現在の題名となった。
曲は3つの部分から成る。最初の部分はトランペット のファンファーレに続いてメロディと伴奏、2番目の部分は低音のトロンボーン等金管楽器 (主にチューバ ) が半音階で転がり進んでいく。3番目の部分はトリオ でゆっくりとした旋律的な部分であり、金管低音と木管楽器 のコントラストが強調されている。トリオでも2番目の部分と同じような半音階的な音形がある。
曲は全体が2分の2拍子 で、速さには標準的なマーチ・テンポが指示されている。しかしサーカスマーチとしては、もっと速く演奏されるのが普通である。
編曲など
1910年 にカナダ の作曲家ルイ=フィリップ・ローレンドー (英語版 ) がこの曲を小規模な編成に編曲した譜面が『Thunder and Blazes 』(雷鳴と電光、といった意)という題名で北米向けに販売された。以降現在に至るまで、代表的なサーカス音楽 (英語版 ) として人気を誇っている[ 1] 。サーカス ではピエロ の入場にこの曲が使われることもあり、そのためもあって曲名や作曲者はともかく、曲だけは広く知られている。ローレンドー版は移動式遊園地のオルガン (フェアグランド・オルガン ) 用にも編曲されており、またさまざま演奏会に数多く取り上げられている (例えば2007年のBBCプロムス の最後など[ 2] )。
1974年にはイギリスの歌謡曲『ショー・マスト・ゴー・オン (英語版 ) 』のイントロ部分とメロディーに使われている。
主題の一部はサックス 奏者ブーツ・ランドルフ のヤケティ・サックス (英語版 ) で使われている。この曲はベニー・ヒル・ショー をはじめとするコメディ番組でよく使われている。またピエロ をモチーフにしたアメリカ合衆国 のプロレスラー 、ドインク・ザ・クラウン の入場曲として当曲の一部が使われている。
参考文献
外部リンク