初級システムアドミニストレータ試験(しょきゅうシステムアドミニストレータしけん、Systems Administrator Examination、略称:初級シスアド、略号:AD)は、情報処理技術者試験に存在した区分である。
旧名システムアドミニストレータ試験として、1994年に初回試験を実施。このときは、年1回秋期のみの開催だった。1996年にシステムアドミニストレータを初級システムアドミニストレータ試験と改名、さらに上位の範囲を上級システムアドミニストレータ試験(現在のITストラテジスト試験の前身)として実施。1999年に初級システムアドミニストレータの受験者増加により春期・秋期の年2回の開催となり、範囲はやや上等になる。この年から合格率が低下する。
試験内容は、業務効率の向上・改善を目的とし、現状業務における諸問題を把握・解決するために、担当する業務の情報化を利用者の立場から推進するエンドユーザーコンピューティング(EUC)役割がある。ただし、本来のシステムアドミニストレータは、サーバやネットワークの構築・運営・管理を行う「システム管理者」の意味であって、情報システムを利用して担当業務を遂行する「エンドユーザ」や「システム利用者」の意味ではないから、注意を要する。
2009年4月30日の試験を最後に、新制度への移行により廃止されることとなった。
多肢選択式(マークシート使用) 基本問題が80問出題、全問解答
多肢選択式(マークシート使用) 実践問題が7問出題、全問解答
以下の6項目と応用分野
当初から平成12年(2000年)までは午後は、4問が基礎能力、3問が応用能力とされていた。
科目免除
応用分野
情報処理の分野だけでなく、製造・サービス・建設業・運輸など、あらゆる分野において応用が効くとされる。これは、エンドユーザ・コンピューティングがコンピュータの小型化、低価格化の進展によりあらゆる場面で活用される状況が発生しているためであり、今後のユビキタスコンピューティングの進展には必須とも言われていた。
初級シスアドはコンピュータ利用の基本的知識を問うものであるので、これ単独ではなく、多方面の専門職業資格を合わせ持つのが最も望ましい状態とされている。
IP ITパスポート試験 (旧初級システムアドミニストレータ試験の一部)
SG 情報セキュリティマネジメント試験 FE 基本情報技術者試験 (旧第二種情報処理技術者試験、旧基本情報情報技術者試験及び初級システムアドミニストレータ試験の統合)
AP 応用情報技術者試験 (旧第一種情報処理技術者試験、ソフトウェア開発技術者試験)
ST ITストラテジスト試験 (旧システムアナリスト試験、旧上級システムアドミニストレータ試験の統合) SA システムアーキテクト試験 (旧特種情報処理技術者、アプリケーションエンジニア) PM プロジェクトマネージャ試験 NW ネットワークスペシャリスト試験 (旧オンライン情報技術者試験、テクニカルエンジニア(ネットワーク)) DB データベーススペシャリスト試験 (旧オンライン情報技術者試験、テクニカルエンジニア(データベース)) ES エンベデッドシステムスペシャリスト試験 (旧マイコン応用システムエンジニア試験、テクニカルエンジニア(エンベデッドシステム)試験) SM ITサービスマネージャ試験 (旧システム運用管理エンジニア試験) AU システム監査技術者試験 (旧情報処理システム監査技術者)
PE プロダクションエンジニア試験 (2000年(平成12年)春期試験まで) SV テクニカルエンジニア(情報セキュリティ)試験 (2008年(平成20年)春期試験まで)(現情報処理安全確保支援士試験) SW ソフトウェア開発技術者試験 (2008年(平成20年)秋期試験まで) SU 情報セキュリティアドミニストレータ試験 (2008年(平成20年)秋期試験まで) AN システムアナリスト試験 (2008年(平成20年)秋期試験まで) SD 上級システムアドミニストレータ試験 (2008年(平成20年)秋期試験まで) AD 初級システムアドミニストレータ試験 (2009年(平成21年)春期試験まで) SC 情報セキュリティスペシャリスト試験 (2016年(平成28年)秋期試験まで)(現情報処理安全確保支援士試験)