アブラムシ(アリマキ)と、その細胞内で生息するブフネラという細菌は、非常に強い相利共生の関係にある。アブラムシが主食としている植物の師管液には、グルタミンとアスパラギン以外の必須アミノ酸はほとんど含まれていない。本来ならアブラムシはこれだけで生命を維持することは不可能なはずである。しかしアブラムシの細胞内のブフネラが、これら2つのアミノ酸を基に他のアミノ酸を合成し、アブラムシの細胞内に供給しているため、師管液のみで必要な栄養を得ることができる。アブラムシはブフネラなしでは生命を維持することができない。一方、ブフネラは自らの生命を維持するための遺伝子の多くを失っており、アブラムシの細胞内でしか分裂・増殖することができない。この共生関係は2億年にわたり世代間で引き継がれてきており、共生がなされる以前のブフネラの祖先は大腸菌の仲間であったと考えられている。(Shigenobu, S. et al. Nature 407, 81-86 (2000))
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Frank, A.B. (1877). “Über die biologischen Verkältnisse des Thallus einiger Krustflechten [On the biological relationships of the thallus of some crustose lichens]” (German). Beiträge zur Biologie der Pflanzen2: 123–200. https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=mdp.39015001236531&view=1up&seq=153.From p. 195:"Nach den erweiterten Kenntnissen, die wir in den letzten Jahren über das Zusammenleben zweier verschiedenartiger Wesen gewonnen haben,
ist es ein dringendes Bedürfniss, die einzelnen von einander abweichenden Formen dieser Verhältnisse mit besonderen Bezeichnungen to belegen,
da man fast für alle bisher den Ausdruck Parasitsmus gebrauchte.
Wir müssen sämmtliche Fälle, wo überhaupt ein Auf- oder Ineinanderwohnen zweier verschiedener Species stattfindet,
unter einen weitesten Begriff bringen, welcher die Rolle, die beide Wesen dabei spielen,
noch nicht berücksichtigt, also auf das blosse Zusammenleben begründet ist, und wofür sich die Bezeichnung Symbiotismus empfehlen dürfte."
(日本語訳:近年、2つの異なる生物の共存についての知識が拡大したため、これらの個々の関係に具体的な呼称を与える必要性が急務となっています。
私たちは、2つの異なる種の一方が他方の種の上に住んでいようと、あるいは他方の種の中に住んでいようと、
その場合の各役割の違いを考慮しなくてよい、最も広い概念の下にすべての事例を当てはめなければなりません。(すなわち、単なる共存に基づいている)
そのためにsymbiotismus(すなわち、共生)という呼称が提案されるかもしれません。)