保田 道世(やすだ みちよ、1939年4月28日 - 2016年10月5日)は、日本のアニメーションの色彩設計者。東京都出身。
東京都立石神井高等学校卒業後、1958年、東映動画(現:東映アニメーション)の仕上部門に入社、CMやテレビシリーズのトレースを手がける。組合活動を通じて高畑勲と宮崎駿の2人と知り合い、『太陽の王子 ホルスの大冒険』にトレースで参加、以後Aプロダクション(現:シンエイ動画)、日本アニメーション等で『母をたずねて三千里』『未来少年コナン』など、多くの作品で仕上チーフ・色指定をつとめる。
1984年『風の谷のナウシカ』に参加して以来、スタジオジブリ劇場用作品のほとんどの色彩設計を担当。『崖の上のポニョ』を最後に一線から離れ、宮崎駿監督作品(『パン種とタマゴ姫』、『風立ちぬ』)の色彩設計に限定していた。
デジタル技術には早い段階から関心を寄せており、『もののけ姫』制作中にはコンピュータ上でも並行して色見本を作っていた。これが制作後半の逼迫した状況下で急遽取り入れられたデジタルペイント作業に大いに役立てられた。押井守はジブリがデジタルに転向した理由を「宮崎駿が保田道世に逆らえない人間だったからである。彼女が『デジタルペイントに変える』と宣言したその方がいいって。デジタルペイントを使い始めるってことは自動的に撮影までコンピュータでやらざるを得ない。あとは一気にスタジオ全部がデジタル化した」と語っている[1]。
宮崎駿からは「戦友」、高畑勲からは「同志」、押井守からは「強烈なおばさん」と、それぞれ評された。
宮崎からは「ヤッチン」の愛称で呼ばれていた。
2016年10月5日、死去[2][3]。77歳没。