伊藤 之雄 (いとう ゆきお、1952年 9月26日 [ 1] - )は、日本 の歴史学者 。京都大学 名誉教授 。学位は、博士(文学) 。
経歴
1952年、福井県 [ 1] 生まれ。岐阜県立大垣南高等学校 [ 2] を経て、1976年 に京都大学文学部 を卒業した[ 3] 。同大学院文学研究科修士課程 修了[ 2] 。1981年 、同博士課程満期退学[ 3] 。
1988年、京都薬科大学 専任講師に着任[ 3] 。1990年より名古屋大学文学部 助教授[ 3] 。1993年 3月23日 、博士論文『大正デモクラシー と政党政治』を京都大学に提出して博士(文学) 号を取得[ 4] )。
1994年 、京都大学大学院法学研究科 教授となった[ 1] [ 3] 。1995年 、ハーバード・イェンチン研究所 ・ライシャワー日本研究所 で研究( - 1997年 )[ 5] 。京都大学公共政策大学院 兼担教授を経て、2018年3月に定年退職し[ 6] 、名誉教授となった。
学外では1999年から京都市 政史編さん委員会にかかわり、代表[ 1] を務めた( - 2014年)。
受賞・栄典
研究内容・業績
専門は近・現代日本政治外交史[ 1] 。
先輩に当たる今谷明 は、2007年に「気鋭の近代政治史家」と高く評している[ 10] 。
門下生
著書
単著
編著
共編著
論文
※後に単著に収録されたものは除く
単行本所収論文
雑誌論文
「元老の形成と変遷に関する若干の考察――後継首相推薦機能を中心として」『史林』第60巻第2号、史学研究会、1977年3月、241-263頁、ISSN 0386-9369 。
「「ファシズム 」期の選挙法改正問題」『日本史研究』第212号、日本史研究会、1980年4月、42-77頁、ISSN 0386-8850 。
「一九二〇年代中・後期の地方都市民衆運動――但馬震災 罹災民会より労農党 但馬支部へ」『史林』第63巻第5号、史学研究会、1980年9月、739-775頁、ISSN 0386-9369 。
「名望家秩序の改造と青年党――斎藤隆夫 をめぐる但馬の人々」『日本史研究』第241号、日本史研究会、1982年9月、39-73頁、ISSN 0386-8850 。
戸田文明 ・橋本義則 共著「一九八二年「第九回歴史学入門講座」の記録 (1982年度日本史研究会大会に向けて)」『日本史研究』第242号、日本史研究会、1982年10月、54-57頁、ISSN 0386-8850 。
「高橋内閣改造問題の考察」『ヒストリア』第98号、大阪歴史学会、1983年3月、19-42頁、ISSN 0439-2787 。
「原内閣と山県系官僚」『史林』第66巻第4号、史学研究会、1983年7月、556-582頁、ISSN 0386-9369 。
「近現代史部会共同研究報告 護憲三派内閣への政治過程〔含 討論〕 (1983年度 日本史研究会大会特集号) ―― (近現代分科会)」『日本史研究』第259号、日本史研究会、1984年3月、95-119頁、ISSN 0386-8850 。
「北岡伸一 著「清沢洌 」」『史林』第70巻第5号、史学研究会、1987年9月、837-839頁、ISSN 0386-9369 。
「〈近代〉都市と政党――1893~1903年の和歌山市〔含 質疑・討論〕 (1990年度〔大阪歴史学会〕大会特集) ―― (個人報告)」『ヒストリア』第129号、大阪歴史学会、1990年12月、185-209頁、ISSN 0439-2787 。
「第1議会期の立憲自由党――組織と政策の形成」『名古屋大学文学部研究論集』第110号、名古屋大学文学部、1991年、231-291頁、ISSN 0469-4716 。
「日本政党政治研究の課題――三谷太一郎 氏・テツオ・ナジタ 氏の研究をめぐって」『日本史研究』第345号、日本史研究会、1991年5月、25-36頁、ISSN 0386-8850 。
「第2次伊藤内閣期の政党と藩閥官僚」『名古屋大学文学部研究論集』第113号、名古屋大学文学部、1992年、271-299頁、ISSN 0469-4716 。
「日清戦後の自由党の改革と星亨 」『名古屋大学文学部研究論集』第116号、名古屋大学文学部、1993年、161-224頁、ISSN 0469-4716 。
「「自由民権運動 と立憲改進党 」大日方純夫 」『日本史研究』第368号、日本史研究会、1993年4月、140-148頁、ISSN 0386-8850 。
「日清戦争以後の中国・朝鮮認識と外交論」『名古屋大学文学部研究論集』第119号、名古屋大学文学部、1994年、263-305頁、ISSN 0469-4716 。
「元老制度再考――伊藤博文 ・明治天皇・桂太郎 」『史林』第77巻第1号、史学研究会、1994年1月、1-31頁、ISSN 0386-9369 。
「「日本の政党政治 1890-1937年――議会分析と選挙の数量分析」川人貞史 」『史学雑誌』第103巻第1号、山川出版社、1994年1月、103-112頁、ISSN 0018-2478 。
「近現代 (1993年の歴史学界――回顧と展望) ―― (日本)」『史学雑誌』第103巻第5号、山川出版社、1994年5月、788-833頁、ISSN 0018-2478 。
「「日本近現代史(2)資本主義と『自由主義』」坂野潤治 他編」『歴史学研究』第660号、青木書店、1994年7月、42-44頁、ISSN 0386-9237 。
「初期政友会の政策と組織の確立――原敬 の主導権の形成」『法学論叢』第136巻4~6、京都大学法学会、1995年3月、193-230頁、ISSN 0387-2866 。
「三谷太一郎著『新版・大正デモクラシー論――吉野作造の時代』」『史林』第78巻第6号、史学研究会、1995年11月、980-987頁、ISSN 0386-9369 。
「日露戦争 と桂園体制の形成」『法学論叢』第138巻4~6、京都大学法学会、1996年3月、228-304頁、ISSN 0387-2866 。
「J.Mark Ramseyer and Frances M.Rosenbluth,The Politics of Oligarchy:Institutional Choice in Imperial Japan,1995――合理的選択モデルと近代日本研究」『レヴァイアサン』第19号、木鐸社、1996年10月、146-156頁、ISSN 1343-8166 。
「高橋秀直著『日清戦争への道』」『史林』第79巻第6号、史学研究会、1996年11月、969-976頁、ISSN 0386-9369 。
「山県系官僚閥と天皇・元老・宮中――近代君主制の日英比較」『法学論叢』第140巻1・2、京都大学法学会、1996年11月、58-178頁、ISSN 0387-2866 。
「川田稔著『原敬 転換期の構想――国際社会と日本』」『日本史研究』第412号、日本史研究会、1996年12月、122-131頁、ISSN 0386-8850 。
「第一次大戦と戦後日本の形成――立憲政友会 の動向」『法学論叢』第140巻3・4、京都大学法学会、1997年1月、155-211頁、ISSN 0387-2866 。
「小林道彦 著『日本の大陸政策1895~1914――桂太郎と後藤新平』」『日本史研究』第426号、日本史研究会、1998年2月、68-76頁、ISSN 0386-8850 。
「原敬内閣と立憲君主制 (1) 近代君主制の日英比較」『法学論叢』第143巻第4号、京都大学法学会、1998年7月、1-25頁、ISSN 0387-2866 。
「原敬内閣と立憲君主制 (2) 近代君主制の日英比較」『法学論叢』第143巻第5号、京都大学法学会、1998年8月、1-33頁、ISSN 0387-2866 。
「原敬内閣と立憲君主制 (3) 近代君主制の日英比較」『法学論叢』第143巻第6号、京都大学法学会、1998年9月、1-25頁、ISSN 0387-2866 。
「原敬内閣と立憲君主制 (4)・完――近代君主制の日英比較」『法学論叢』第144巻第1号、京都大学法学会、1998年10月、1-18頁、ISSN 0387-2866 。
「広田照幸 著『陸軍将校の教育社会史』――教育社会学と近代日本研究」『レヴァイアサン』第24号、木鐸社、1999年4月、164-167頁、ISSN 1343-8166 。
「季武嘉也 著『大正期の政治構造』」『史学雑誌』第109巻第3号、山川出版社、2000年3月、438-447頁、ISSN 0018-2478 。
「田中義一 内閣と立憲君主制の混迷――昭和天皇をめぐる政治とイメージ」『法学論叢』第148巻3・4、京都大学法学会、2001年1月、187-276頁、ISSN 0387-2866 。
「浜口雄幸 内閣と立憲君主制の動揺 (1) 昭和天皇をめぐる政治とイメージ」『法学論叢』第149巻第6号、京都大学法学会、2001年9月、1-24頁、ISSN 0387-2866 。
「書評と紹介 原武史 著『大正天皇 』(朝日選書)」『日本歴史』第641号、吉川弘文館、2001年10月、125-127頁、ISSN 0386-9164 。
「浜口雄幸内閣と立憲君主制の動揺 (2) 昭和天皇をめぐる政治とイメージ」『法学論叢』第150巻第1号、京都大学法学会、2001年10月、1-26頁、ISSN 0387-2866 。
「浜口雄幸内閣と立憲君主制の動揺 (3) 昭和天皇をめぐる政治とイメージ」『法学論叢』第150巻第2号、京都大学法学会、2001年11月、1-17頁、ISSN 0387-2866 。
「浜口雄幸内閣と立憲君主制の動揺(4)昭和天皇をめぐる政治とイメージ」『法学論叢』第150巻第4号、京都大学法学会、2002年1月、1-19頁、ISSN 0387-2866 。
「浜口雄幸内閣と立憲君主制の動揺(5・完)昭和天皇をめぐる政治とイメージ」『法学論叢』第150巻第6号、京都大学法学会、2002年3月、1-22頁、ISSN 0387-2866 。
「近代日本の議会制の発展と立憲君主制の形成――イギリス・ドイツ・オーストリアとの比較の観点から (特集 法生活と文明史)」『比較法史研究』第11号、比較法制研究所、2003年3月、82-95頁、ISSN 0918-4996 。
「立憲君主制の空洞化と満州事変への道――第二次若槻内閣と昭和天皇をめぐる政治」『法学論叢』第152巻5・6、京都大学法学会、2003年3月、117-192頁、ISSN 0387-2866 。
「近代日本の君主制の形成と朝鮮――韓国皇帝・皇族等の日本帝国への包摂」『法学論叢』第154巻4・5・6、京都大学法学会、2004年3月、65-98頁、ISSN 0387-2866 。
「特集史論(1)日露開戦への道 (特集 日露戦争一〇〇年目の真実)」『歴史読本』第49巻第4号、新人物往来社、2004年4月、44-49頁。
「昭和天皇と臣田中義一 (特集 天皇と皇室の21世紀) ―― (昭和史の中の天皇)」『諸君!』第36巻第7号、文藝春秋、2004年7月、258-268頁、ISSN 0917-3005 。
「書評 櫻井良樹 著『帝都東京の近代政治史――市政運営と地域政治』」『史学雑誌』第113巻第12号、山川出版社、2004年12月、2050-2057頁、ISSN 0018-2478 。
「東久邇宮稔彦王 の迷走と宮中・陸軍――宮中某重大事件後の皇族と宮中政治1922~1926」『法学論叢』第156巻3・4、京都大学法学会、2005年1月、116-184頁、ISSN 0387-2866 。
「韓国と伊藤博文」『日本文化研究』17輯〔韓国〕、2006年。
「東久邇宮稔彦王の復活と宮中・陸軍(1)皇族と満州事変への道・1927~1932」『法学論叢』第159巻第1号、京都大学法学会、2006年4月、1-28頁、ISSN 0387-2866 。
「東久邇宮稔彦王の復活と宮中・陸軍(2)皇族と満州事変への道・1927~1932」『法学論叢』第159巻第3号、京都大学法学会、2006年6月、1-35頁、ISSN 0387-2866 。
「東久邇宮稔彦王の復活と宮中・陸軍(3)皇族と満州事変への道・1927~1932」『法学論叢』第159巻第4号、京都大学法学会、2006年7月、1-29頁、ISSN 0387-2866 。
「東久邇宮稔彦王の復活と宮中・陸軍(4・完)皇族と満州事変への道・一九二七~一九三二」『法学論叢』第159巻第5号、京都大学法学会、2006年8月、1-29頁、ISSN 0387-2866 。
「講演要旨 昭和天皇と戦争責任――明治天皇の受けた教育・リーダーシップ・資質との比較の観点から〔含 質疑応答〕」『調研クオータリー』第22号、読売新聞東京本社調査研究本部、2006年、172-197頁。
「京都御所・御苑空間と近代日本の天皇制(上)」『京都市政史編さん通信』第27号、京都市市政史編さん委員会、2006年12月。
「京都御所・御苑空間と近代日本の天皇制(中)」『京都市政史編さん通信』第28号、京都市市政史編さん委員会、2007年4月。
「京都御所・御苑空間と近代日本の天皇制(下)」『京都市政史編さん通信』第29号、京都市市政史編さん委員会、2007年8月。
「論文評 近代日本の君主制研究展望――河西秀哉 氏の拙著[伊藤之雄著『昭和天皇と立憲君主制の崩壊』]書評に答えつつ」『史林』第90巻第2号、史学研究会、2007年3月、374-381頁、ISSN 0386-9369 。
「日露戦争後の都市改造事業の展開――京都市の都市経営・一九〇七~一九一一」『法学論叢』第160巻5・6、京都大学法学会、2007年3月、119-183頁、ISSN 0387-2866 。
「批判と反省 近代天皇は「魔力」のような権力を持っているのか」『歴史学研究』第831号、青木書店、2007年9月、17-23頁、ISSN 0386-9237 。
「研究余録 原敬の誤解と研究者の誤解」『日本歴史』第721号、吉川弘文館、2008年6月、81-83頁、ISSN 0386-9164 。
「伊藤博文の韓国統治と韓国併合――ハーグ密使事件 以降」『法学論叢』第164巻第1-6号、京都大学法学会、2009年3月、1-70頁、ISSN 0387-2866 。
「第一次世界大戦後の都市計画事業の形成――京都市を事例に 一九一八~一九一九」『法学論叢』第166巻第6号、京都大学法学会、2010年3月、1-34頁、ISSN 0387-2866 。
「若き原敬の動向と国家観・自由民権観 郵便報知新聞記者の明治十四年政変」『法学論叢』第170巻第4-6号、京都大学法学会、2012年3月、33-105頁、ISSN 0387-2866 。
脚注
外部リンク