中村 裕樹(なかむら ゆうき)は、日本の映画照明技師である。
人物・来歴
助手時代、村川透、降旗康男、大林宣彦、北野武監督の現場でチーフを務める。北野武監督作『その男、凶暴につき』でのチーフを最後に独立後、1985年ポール・シュレイダー監督作『Mishima: A Life in Four Chapters』(ミシマ:ア・ライフ・イン・フォー・チャプターズ)の現場に就き衝撃を受け、1988年ハスケル・ウェクスラー撮影による米映画『ベニーカータープロジェクト』で映画デビュー[1]。ハスケル・ウェクスラーとの出会いが、後の照明技術に対する認識に大きな影響を与える。
大林宣彦監督作『はるか、ノスタルジィ』で日本アカデミー優秀照明賞、岩井俊二監督作『Love Letter』で照明協会特別賞、同監督作『スワロウテイル』、行定勳監督作『北の零年』、『春の雪』で日本アカデミー優秀照明賞、同監督作『世界の中心で、愛をさけぶ』で日本アカデミー最優秀照明賞受賞[1]。降旗康男監督『あなたへ』で日本アカデミー優秀照明賞受賞。
- 日本中央競馬会CM「暗室編」で1998年第30回日本映画テレビ照明協会最優秀照明賞受賞。
- トヨタ自動車CM「クラウンティザー篇/愛は勝つ篇/未来篇」で2013年第53回全日本シーエム放送連盟ACC CM FESTIVALテレビCM部門クラフト賞受賞。
- 李相日監督『怒り』で日本アカデミー優秀照明賞。2017年第48回日本映画テレビ照明協会映画部門優秀賞。第70回 映像技術賞日本映画テレビ技術協会 照明部門 映像技術賞 審査員賞 受賞。
- 東京シティ競馬トゥインクルレースCMで2017年第48回日本映画テレビ照明協会CM部門優秀賞。
- クボタ「都市環境編・走る女」(長澤まさみ)で2020年第51回日本映画テレビ照明協会CM部門最優秀照明賞。
その他手がけた主な作品に、市川準監督作『トキワ荘の青春』、トラン・アン・ユン監督作『ノルウェイの森』、中田秀夫監督作『怪談』、長澤雅彦監督作『夜のピクニック』、エドワード・ズウィック監督作『ラスト サムライ』(日本撮影部分)、森淳一監督作『重力ピエロ』、青山真治監督作『サッド ヴァケイション』などがある[1]。
別名「光の魔術師」と呼ばれ、映画、CM、MV以外にも雑誌等の写真撮影でモデル・俳優に指名を受けることも多い。
作品
受賞歴
- 1993年 - 日本アカデミー賞照明賞優秀賞『はるか、ノスタルジィ』
- 1996年 - 日本アカデミー賞照明賞優秀賞『スワロウテイル』
- 2004年 - 日本アカデミー賞照明賞最優秀賞『世界の中心で、愛をさけぶ』
- 2005年 - 日本アカデミー賞照明賞優秀賞『北の零年』
- 2005年 - 日本アカデミー賞照明賞優秀賞『春の雪』
- 2012年 - 日本アカデミー賞照明賞優秀賞『あなたへ』
- 2016年 - 日本アカデミー賞照明賞優秀賞『怒り』
- 2023年 - 日本アカデミー賞照明賞優秀賞『流浪の月』
出典・参考文献
外部リンク