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同じ読みのピアニストについては「中村紘子」をご覧ください。 |
中村 浩子(なかむら ひろこ)は、日本の声楽家(メゾソプラノ、ソプラノ)、オペラ歌手、音楽教育者。東京藝術大学名誉教授[1]。日本を代表するフランス歌曲と近代フランス音楽の第一人者[2][3]であるが、日本歌曲においても業績を残している。
経歴
オペラ初出の記録は、1952年(昭和27年)11月21日 静岡市公会堂 23日(2回)名古屋御園座 27日、28日(2回)、29日(2回)歌舞伎座 12月3日 日比谷公会堂 東京芸術大学 藤原歌劇団 長門美保歌劇団 二期会 東京オペラ協会 関西オペラグループ公演 モーツァルト『フィガロの結婚』介添の娘(指揮:近衛秀麿)である[4][5]。出演したプロダクションは20[6]を数え、1953年(昭和28年)11月28日 京都弥栄会館 12月5日、6日、9日、13日 大阪毎日会館 15日、16日 宝塚大劇場 二期会フロトー『マルタ』ナンシー[7][8][9]を務めたのをはじめ、1959年(昭和34年)7月19日、20日、21日、22日、23日、24日の共立講堂における二期会 ヴェルディ『椿姫』アンニーナ(指揮:伊藤栄一)[10]までの間に集中して出演している。その中にはラヴェル『子供と魔法』(コンサート形式)の2回のフランスオペラの公演が含まれる(1954年(昭和29年)4月5日 東京フィルハーモニー交響樂團第10(23)回定期演奏会 日比谷公会堂 お母さん役 指揮:渡邉曉雄[11]、1957年(昭和32年)12月13日 日本フィルハーモニー交響楽団第5回定期演奏会 子供役 指揮:渡辺暁雄[12])。その後は1963年(昭和38年)7月10日 山形県県民会館 13日、15日、17日、18日、20日 東京文化会館大ホール ヴェルディ『椿姫』アンニーナ(指揮:ニコラ・ルッチ)[13]と、1972年(昭和47年)12月23日 東京都交響楽団第48回定期演奏会 ラヴェル『子供と魔法』ママ(指揮:渡辺暁雄)(コンサート形式)に出演している。
コンサートでは、1953年(昭和28年)12月23日に日比谷公会堂の第3回東京藝術大学 ヘンデル『メサイア』チャリティー演奏会でソロを務める(指揮:渡辺暁雄 ソプラノ:毛利順子 アルト:中村浩子 テノール:柴田睦陸 バス:畑中良輔)[14]。1954年(昭和29年)12月17日に名古屋市公会堂にて朝日新聞厚生文化事業団 ヘンデル『メサイア』ソロ(指揮:渡辺暁雄 ソプラノ:川口絹代 アルト:中村浩子 テノール:中村善治 バス:小島琢磨 合唱:金城学院グリークラブ 東海メールクワイアー YMCA合唱団 南山大学合唱団 学芸大学合唱団 管絃楽:名古屋放送管絃楽団 合唱指揮:比嘉うた ピアノ:小栗峯)[15]。1955年(昭和30年)12月1日に日比谷公会堂の東京藝術大学音楽学部演奏会 ベートーヴェン『荘厳ミサ』でソロ(指揮:山田和男 ソプラノ:伊藤京子 アルト:中村浩子 テノール:五十嵐喜芳 バス:築地利三郎 合唱:東京芸術大学音楽学部学生 管弦楽:東京芸術大学音楽学部管弦学部 オルガン:秋元道雄)[16]。2001年(平成13年)6月4日 津田ホールでの日本フォーレ協会第12回演奏会「フォーレとドビュッシー」においてフォーレ『マスクとベルガマスク』を披露した[17]。
放送にも頻繁に出演しており、音楽文化の振興に努めた。1966年(昭和41年)のNHKみんなのうた『てんさぐの花』は当時日本返還前の沖縄民謡を歌ったことで話題となった。
東京藝術大学助教授、教授、名誉教授として、長年にわたり後進の育成に尽くしている。門下生は数多く、菅英三子[18]、浜田理恵[19]、小林真理[20]、土屋雅子[21]、神谷明美[22]、野々下由香里[2]、小田切一恵[23]、佐伯葉子[24]、根岸一郎[25]、神谷明美[26]、増田貴代子[26]、小阪亜矢子[27]、福田美樹子[28]、平井裕子[3]、民秋理[29]、友光曜子[30]、村田望[31]、高岡美千代[32]、齋藤純枝[33]、工藤ななえ[34]、上條恵衣子[35]、寺島夕紗子[36]、浦畑博美[37]、西口彰子[38]、藤井文子[39]、田中(間)正子[40][41]、山下朋子[42]、小田切一恵[43]、金子志保[44]、尾高綾子[45]、佐藤朋子[46]、田中万紀子[47]、大網かおり[48]、正木裕子[49]、武田正雄[50]、小木谷好美[51]、佐藤明子[52]、佐伯葉子[53]、山田暢[54]、真島敦子[55]、田大成[56]、廣橋英枝[57]、齋藤詩子[58]、石井恵子[59]、上村聡子[59]、AYUMI[60]、鎌田直純[61]、亀田眞由美[62]、嘉村弥生[63]、大庭尋子[64]、林志乃[65]、小見佳子[66]、櫻井悦代[67]、町田健児[68]、太田真帆[69]、松井亜希[70]などがいる。門下生には、さらにパリのエコールノルマル音楽院に留学するなど、フランス音楽の道に進んだ音楽家が多くみられる。門下生の団体「コンセール・C」を主宰しており[3]、「コンセール・C」は2019年(令和元年)10月19日に第90回記念コンサートを開催している[71]。コンサートは、フランス歌曲、日本歌曲、フランスオペラのアリアの3部で構成されている。
二期会会員[72]。日本演奏連盟会員[73]。鎌倉市在住[1]。
放送出演
NHKクロニクルによる[74]。
- 1957年6月6日 NHKアナログ総合テレビ 音楽をどうぞ
- 1957年12月3日 NHKアナログ総合テレビ しらべに寄せて
- 1958年5月30日 NHKアナログ総合テレビ 音楽をどうぞ
- 1958年8月23日 NHKアナログ総合テレビ 夏休み家庭教室 テレビオペラ『瓜子姫とあまんじゃく』
- 1958年12月5日 NHKアナログ総合テレビ 音楽をどうぞ
- 1959年5月9日 NHKアナログ教育テレビ 音楽夜話『フランス音楽の旅』(2)
- 1959年5月15日 NHKアナログ総合テレビ 音楽をどうぞ『日本のしらべ』
- 1959年11月19日 NHKアナログ総合テレビ あひるはうたう
- 1960年1月13日 NHKアナログ総合テレビ みんなで歌を『遙かな友に』磯部俶 作詞・作曲 他
- 1960年1月27日 NHKアナログ総合テレビ みんなで歌を
- 1960年7月30日 NHKアナログ教育テレビ 音楽夜話 1.『フランスとシャンソン』(3) フランス民謡と子どもの歌 2.『音楽の話題』-ヨーロッパの夏の音楽祭を語る-
- 1960年8月24日 NHKアナログ総合テレビ みんなで歌を 8月の練習曲『夏の朝に』『河童譚』
- 1960年10月5日 NHKアナログ総合テレビ みんなで歌を 津軽の子守唄『もうっこ』『野ぶどう』 『人魚の夜の歌』『月の光』『夢のあとに』
- 1960年10月19日 NHKアナログ総合テレビ みんなで歌を
- 1961年2月4日 NHKアナログ教育テレビ 音楽夜話 1.『近代音楽のあけぼの』(1)-ルネッサンスの音楽- 2.『音楽の話題』-ヨーロッパの音楽祭を回って-
- 1961年4月6日 NHKアナログ総合テレビ こどもの時間
- 1961年4月11日 NHKアナログ総合テレビ こどもの時間
- 1961年4月18日 NHKアナログ総合テレビ こどもの時間
- 1961年4月25日 NHKアナログ総合テレビ こどもの時間
- 1961年5月2日 NHKアナログ総合テレビ こどもの時間
- 1961年5月9日 NHKアナログ総合テレビ こどもの時間
- 1961年5月16日 NHKアナログ総合テレビ こどもの時間
- 1961年5月23日 NHKアナログ総合テレビ こどもの時間
- 1961年5月30日 NHKアナログ総合テレビ こどもの時間
- 1962年6月1日 NHKアナログ総合テレビ 音楽をどうぞ『中田喜直作品集』
- 1962年7月12日 NHKアナログ総合テレビ 夜のしらべ『愛のセレナード』
- 1962年10月9日 NHKアナログ総合テレビ 星のセレナード『月の光』ドビュッシー作曲 ピアノ奏鳴曲嬰ハ短調作品27第2『月光』から ベートベン作曲
- 1963年9月1日 NHKアナログ教育テレビ 芸術劇場 歌劇『椿姫』ヴェルディ作曲 -東京文化会館で収録-
- 1963年11月20日 NHKアナログ総合テレビ 夜のコンサート 円舞曲集『愛の歌』ブラームス作曲 東京四重唱団(伊藤京子:ソプラノ 中村浩子:アルト 中村健:テノール 芳野靖夫:バス)NHK室内管弦楽団 伊藤栄一:指揮 畑中良輔:話
- 1965年2月7日 NHKアナログ教育テレビ 音楽の歴史『フランス六人組』 組曲『ルネ王の暖炉』ミヨー作曲 『動物詩集』プーランク作曲
- 1965年2月9日 NHKアナログ教育テレビ 音楽の歴史『フランス六人組』(再放送)
- 1965年10月5日 NHKアナログ教育テレビ 音楽教室(小学校高学年)『外国の民謡』
- 1965年10月9日 NHKアナログ教育テレビ 音楽教室(小学校高学年)『外国の民謡』(再放送)
- 1966年6月10日 NHKアナログ総合テレビ 午後のひととき『こよみ今昔』『ニュースの窓』-質問に答えて- 『ことばとわたし』
- 1966年8月10日 NHKアナログ総合テレビ みんなのうた『てんさぐの花』ほか
- 1966年8月17日 NHKアナログ総合テレビ みんなのうた『てんさぐの花』ほか
- 1966年8月24日 NHKアナログ総合テレビ みんなのうた『てんさぐの花』ほか
- 1966年8月31日 NHKアナログ総合テレビ みんなのうた『てんさぐの花』ほか
- 1966年9月14日 NHKアナログ総合テレビ みんなのうた『てんさぐの花』ほか
- 1966年9月21日 NHKアナログ総合テレビ みんなのうた『てんさぐの花』ほか
- 1966年9月28日 NHKアナログ総合テレビ みんなのうた『てんさぐの花』ほか
- 1967年2月12日 NHKアナログ教育テレビ テレビリサイタル『現代日本歌曲集』
- 1968年12月28日 NHKアナログ総合テレビ 夢のセレナード
- 1994年5月5日 NHK-FM 日本歌曲集 (5) 声楽家:畑中良輔 ゲスト 声楽家:中沢桂 『お友だちといっしょ』三木露風:作詩 山田耕筰:作曲 メゾソプラノ:中村浩子 ピアノ:三浦洋一 ほか
- 1994年8月11日 NHK-FM 日本歌曲集 -シリーズ・こころのうた- (4) -『橋本国彦 作品集』から- 音楽評論家・声楽家:畑中良輔 ゲスト 声楽家:瀬山詠子 きき手:味方恵子
- 1994年11月24日 NHK-FM 日本歌曲集 -シリーズ・こころのうた- (4) 声楽家:畑中良輔 -『高田三郎 作品集』から- 声楽家:東敦子 きき手:柴田優子 『パリ旅情』から「冬の森」ほか 深尾須磨子:作詩、高田三郎:作曲 メゾソプラノ:中村浩子 ピアノ:三浦洋一
- 1994年11月25日 NHK-FM 日本歌曲集 -シリーズ・こころのうた- (5) 声楽家:畑中良輔 中村浩子 きき手:柴田優子 -『石渡日出夫、伊福部昭 作品集』から- 『笛の音のする里に行こうよ』萩原朔太郎:作詩 石渡日出夫:作曲 メゾソプラノ:中村浩子 ピアノ:三浦洋一 ほか
- 1994年12月31日 NHKラジオ第2 日本歌曲集 -瀧廉太郎作品から-
- 1997年2月9日 NHKラジオ第1 音楽の泉 皆川達夫
- 2007年11月25 NHK-FM 現代の音楽 放送50年 この半世紀を振り返る 「『涅槃』交響曲から 第5、6楽章」黛敏郎:作曲
- 2009年8月14日 NHK-FM 特集にっぽんのうた 世界の歌 富沢美智恵 ゲスト:畑中良輔 『優しき歌』から「爽やかな五月に」立原道造:作詞 柴田南雄:作曲 中沢桂 『汚れっちまった悲しみに』中原中也:作詞 石渡日出夫:作曲 中村浩子 ほか
- 2009年12月15日 NHK-FM にっぽんのうた 世界の歌 富沢美智恵 組曲『四季』から「雪」中村秋香:作詞 瀧廉太郎:作曲 中村邦子 中村浩子 中村健 平野忠彦 ほか
- 2009年12月31日 NHK-FM 特集にっぽんのうた 世界の歌 -畑中良輔氏を迎えて- (4) 富沢美智恵 『汚れっちまった悲しみに』中原中也:作詞 石渡日出夫:作曲 メゾソプラノ:中村浩子 『八木重吉による五つの歌』より「秋の空」八木重吉:作詞 畑中良輔:作曲 メゾソプラノ:佐藤寛子 ほか
- 2010年9月14日 NHK-FM にっぽんのうた 世界の歌 富沢美智恵 『お友だちといっしょ』三木露風:作詞 山田耕筰:作曲 メゾソプラノ:中村浩子 『青がえる』三木露風:作詞 山田耕筰:作曲 メゾソプラノ:中村浩子 ほか
主なディスコグラフィー
- 中山晋平の童謡 オムニバス 1987 JVCKENWOOD Victor Entertainment
- 日本の歌曲ベスト20 オムニバス 1988/3/2 ビクターエンタテインメント
- 決定版日本の歌曲 オムニバス 1988/10/21 ビクターエンタテインメント
- この道/日本名歌集 オムニバス 1991/10/25 ビクターエンタテインメント
- 日本の声楽・コンポーザーシリーズ 6 髙田三郎 伊藤京子 中村浩子 三浦洋一 1997/11/27 ビクターエンタテインメント
- 日本の声楽・コンポーザーシリーズ 7 瀧廉太郎 オムニバス 1993/5/21 ビクターエンタテインメント
- 讃美歌100選 第3集 わが喜び、わが望み オムニバス 1996/10/23 ビクターエンタテインメント
- 讃美歌100選 第4集 まごころもて仰ぎまつらん オムニバス 1996/10/23 ビクターエンタテインメント
- 〈COLEZO!〉讃美歌 名曲選 オムニバス 2005/3/9 ビクターエンタテインメント
- 赤とんぼ 山田耕作作品集 オムニバス 2005/12/16 ビクターエンタテインメント
- 山田耕筰没後50年特別企画『山田耕筰 歌曲集』オムニバス 2015/10/21 ビクターエンタテインメント
- にほんのうた 心のうた 日本の歌曲ベスト オムニバス 2017/10/18 JVCKENWOOD Victor Entertainment
エピソード
脚注